『赤い指』 東野圭吾 著 | 今日もこむらがえり - 本と映画とお楽しみの記録 -

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備忘録としての読書日記。主に小説がメインです。その他、見た映画や美術展に関するメモなど。

 

 

 

東野圭吾さんの加賀恭一郎シリーズ、『嘘をもうひとつだけ』に続く第7の事件。いよいよドラマシリーズ「新参者」の世界に突入しましたね!( 『眠りの森』もスピンオフでドラマ化していましたけども) 加賀恭一郎の実父との確執の理由が明かされる作品としても知られています。警視庁捜査一課の新人、恭一郎の従兄妹の松宮脩平(ドラマでは溝端淳平さんが演じていました)も初登場します。

 

練馬署の管轄内で幼女が行方不明になった後、公園の公衆トイレ内で遺棄死体となって発見される残酷な事件が発生。その事件の中心にいたのは、地元のごく普通の住宅街のごく普通の一軒家に暮らす、ごく普通の夫婦・息子・夫の母親の4人暮らしのありきたりで平均的に見えるサラリーマン家庭、前原一家でした。

 

世帯主の前原昭夫と同居の母親、通いで母親の世話をする近所に嫁いでいる昭夫の妹。昭夫と妻の八重子とその14歳の息子直巳。事件捜査にあたる加賀恭一郎と入院中の父親隆正。隆正の妹の子でありシングルマザー家庭を援助してもらった恩義がある、隆正と松宮の疑似親子的な叔父と甥の関係。幼女殺人事件を中心に、様々な形の親子の愛憎、親の愛、子供の心情がそれぞれに交錯していきます。殺人事件の推理小説であると同時に、「親子」がテーマの小説でもあります。

 

この世に生まれてきたからには誰にだって親があって、自分が子供の立場としての親子や家族、自分が親の立場になった時、自分が親を見送る時・・・親子、家族の問題は皆何かしら思うところがあるので、この小説に登場する彼らの親子関係にきっと誰しもが様々な感情を呼び起こさせられると思います。加賀恭一郎シリーズでこの作品が一番だという意見が多いのも頷けます。

 

ドラマ版は観たことがあるのですが細かいところは忘れてしまっていたため、だいたいの流れは思い出したものの、犯人逮捕の最終的になった「赤い指」のオチがどうだったのか、恭一郎と父親の結末などはうすぼんやりとなっていたので初めてと同じようなハっとした感動を味わえました^^。ドラマ版での前原一家のキャスティングってどうだったんだっけ・・・と読み終わってから調べてみたのですが、直巳を演じていたのは泉澤祐希くん・・・ん?なんか見覚えが。「サバイバルファミリー」の長男役の彼(もしくは朝ドラ「ひよっこ」の有村架純ちゃんの幼馴染のミツオ役)ですね!「赤い指」では14歳の一人息子役を怪演していましたが、それがもう大学生役をやるお年頃に・・・月日は流れているのですねぇ。

 

加賀恭一郎シリーズも半分を過ぎて、次はいよいよ「新参者」。楽しみなような、終わりが近づくのが残念なような。

 

 

加賀恭一郎シリーズ インデックス

第1の事件 『卒業』

第2の事件 『眠りの森』

https://ameblo.jp/pmds90l80/entry-12208973620.html

第3の事件 『悪意』

https://ameblo.jp/pmds90l80/entry-12247216897.html

第4の事件 『どちらかが彼女を殺した』 

https://ameblo.jp/pmds90l80/entry-12299935172.html

第5の事件 『私が彼を殺した』

https://ameblo.jp/pmds90l80/entry-12346523178.html

第6の事件 『嘘をもうひとつだけ』

https://ameblo.jp/pmds90l80/entry-12363313884.html

第7の事件 『赤い指』

https://ameblo.jp/pmds90l80/entry-12370651765.html

第8の事件 『新参者』

https://ameblo.jp/pmds90l80/entry-12382481642.html

第9の事件 『麒麟の翼』

https://ameblo.jp/pmds90l80/entry-12398033309.html

第10の事件 『祈りの幕が下りる時』

https://ameblo.jp/pmds90l80/entry-12399340866.html

 

※『卒業』のみ、Blog開始前の読了だった為に記事がありません。

 

 

 

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