ラブソングができるまで | 今日もこむらがえり - 本と映画とお楽しみの記録 -

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備忘録としての読書日記。主に小説がメインです。その他、見た映画や美術展に関するメモなど。

2007年 アメリカ

マーク・ローレンス 監督

原題: Music & Lyrics

 

 

DVD鑑賞。そろそろ満を持しての本命クラス( *´艸`)。本命の多すぎる私ですが^^;。ミュージカル作品ではありませんが、歌って踊るから秋のミュージカル祭りに仲間入り♪ヒュー・グラントxドリュー・バリモアのラブコメだから、間違いはありません。しかも歌って踊るのは主にヒュー・グラントですからっ(≧▽≦)。マーク・ローレンス監督は「トゥー・ウィーク・ノーティス」「噂のモーガン夫妻」「Re:Life ~リライフ~」などでヒュー主演のラブコメのお得意さん。最初からヒューを想定して脚本を書いたそうです。

 

 

興味ない人にはウザいだろうなと自覚するくらいヒュー・グラントが大好き、彼については恥ずかしげもなくヒュー様と言えちゃう私ですが(”ヨン様”には冷ややかな目でひいておきながら)、でもですね。本当に面白いです。楽しいです。勿論ヒューあってのこの映画ではありますが、ドリューとの相性も抜群だし(私が観た出演作の中ではこの映画のドリューが一番美人だと思っている)、その他のキャストが全員素晴らしくバランスが良くて、全員が全員を引き立て合っています。そして、王道のラブコメに笑いと歌と腰フリダンス!(笑) 才能ある大人が真面目に本気でふざけるってサイコーだなとつくづく思います。絶対楽しいから観て!とだれかれ構わず言いたくなる数少ない映画のひとつです(*‘ω‘ *)。

 

 

80年代を一世風靡したポップ・ミュージックのグループ、その名もPoP(ポップ)のメンバーだったアレックス・フレッチャー(ヒュー・グラント)ですがメイン・ボーカルのコリンズがソロ活動のため脱退してグループは解散、アレックスもソロ・アルバムを出すものの大失敗。今ではすっかり落ち目の「元ポップ・スター」として細々と遊園地や当時のファン世代の同窓会の余興の仕事が若干あるのみ。PoP時代の最大のヒット曲「恋は突然(Pop! Goes My Heart)」と当時のミュージック・クリップが何度か登場しますが、これが超笑えます。デュランデュランの昔のMVを参考にした上で思いっきり遊んだ、スタイリングと歌詞とメロディと振付と、演奏シーンと下手なドラマ仕立ての交互構成のチープなビデオ、何度観ても笑える完成度の高さ( *´艸`)。

 

 

遊園地の営業すらなくなりかけたどんづまりのアレックスに思わぬチャンス到来。10代を中心に「ブリトニー以上の大スター」、コーラ・コーマン(ヘンリー・ベネット)から新曲の提供オファーが。但し、締切は「今週の金曜日まで」。一週間もありません。若い世代に絶大な人気のコーラとのコラボで見事再起を果たすか、このまま朽ち果てるか、アレックスの運命やいかに。

 

 

曲はともかく作詞の経験がないアレックス。慌てて人気歌手の歌詞も手掛けているプロを雇うけれどもイマイチ。そんな時に友人の代理で自宅の植木の世話に現れたソフィー・フィッシャー(ドリュー・バリモア)の作詞センスに偶然気が付き、熱烈オファー。文学部出身で元は創作活動もしていましたが、辛い経験のためペンを握れなくなったソフィーは断り続けますが、アレックスの熱意と誠意に押されて一緒にコーラからの依頼曲「「愛に戻る道(Way Back Into Love)」を創作することに。PoPのアレックスを知らない世代のソフィーとの価値観の違いや意見の相違、口論の間に次々閃きが起り次第にお互いへの信頼関係が芽生え、それが愛情に変わっていきます。定番、定番( *´艸`)。

 

 

ソフィーとアレックスの間で恋愛感情が芽生える為には、まずはヒロインのトラウマを取り除かなければね。ということで、ソフィーの心の傷の犯人、元大学講師でベストセラー作家のスローン・ケイツ(キャンベル・スコット)ともうまいタイミングで(笑)偶然の再会。今こそチャンス!の昔の男を見返してやろうゼ作戦は思いがけない方向に転ぶことに。

 

 

繰り返しになりますが、ヒューxドリューの組み合わせは最高ですが、この映画はその他のキャストも全て最高です。特に、ある意味ヒュー以上に魅力的だったのが、スター歌手コーラを演じたヘンリー・ベネットちゃん。歌手と女優の両方の道を目指していた若手だった彼女の、これが映画デビュー作でした。もう、スター・コーラそのまんま!この映画の後も、コーラとして活躍して欲しいー(*‘∀‘)って本気で思いました^^。

 

彼女の今後がものすごく楽しみでしたが、自分が映画とか観る余裕の全然ない(余暇という面で)暗黒時代に突入したので追いかけられませんでしたが・・・調べてみたら、観たいと思いながら劇場公開期間を逃してしまった「マグニフィセント・セブン」や「ガール・オン・ザ・トレイン」に終点しているらしいです。わーなんか嬉しい(*^^*)。観なくちゃ♪

 

 

アレックスのマネージャー、クリス・ライリー(ブラッド・ギャレット)も絶妙です。ヒューつながりでやっぱり大好きな映画「ラブ・アクチュアリー」でのビル・ナイxグレゴール・フィッシャーのコンビも同様、”元スターと長年のマネージャー”っていう組み合わせは、なんだかいいですよね。しかし、この↑営業用のアレックスの衣装・・・胸はだけシャツ+ネックレス+キラキラ付きジャケット+ピチピチパンツ+サングラス・・・(笑)似合いすぎ。衣装さん、これに限らず徹底して仕事完璧すぎです( *´艸`)。

 

 
この人も欠かせない存在。ソフィーのお姉さんで痩身エステサロンの経営者、ローンダ(クリステン・ジョンストン)。ソフィーと7歳違いのローンダはPoP世代のど真ん中で「死ぬほどの」アレックスファン。ソフィーに子守を頼んで久しぶりの夫婦デートから帰ったばかりなのに「今夜アレックスのライブに誘われたけれど断った」とソフィーが話し終わらないうちに「Gary, I'm goint out!!!!!!(ちょっと出かけるわ!)」とトップギアのシーンが大好き。
 
オースティンランド」のジェニファー・クーリッジとかドラマ「リゾーリ&アイルズ」のロレイン・ブラッコとか「ピッチ・パーフェクト」の レベル・ウィルソン など、アメリカのショービズ界のひとつの定番、がっしりめな体格とブラウン~ブロンド系の髪色で底抜けに明るいムードメーカータイプの女優さんて何人もいてたまに混乱しちゃうのですが^^;、このクリステン・ジョンストンも最高です。




因みに地味な夫も、その地味な存在感が光っててオイシいポジション(笑)。ソフィーと一緒に姉のローンダ一家の夕食に招かれたアレックスは、懐かしの「ダンス・ダンス・レボリューション」的ゲームで遊びながらローンダの夫と子供たちにPoPの代名詞腰フリダンスを熱心にレッスン( *´艸`)。PoPを特徴づける振付を・・・と振付師が考えた独特のステップですが、ヒューは見事に自分のものにしています。振付師も感心(笑)。

「ラブ・アクチュアリー」でもイギリス首相役のヒューのダンス・シーンが人気ですが本人は歌もダンスも大の苦手で、あの撮影は嫌で仕方がなかったと・・・なのに受けた仕事はしっかりやり遂げる、そんなヒューが素敵(笑)。しかも、歌もダンスも普通に上手いし(´ω`*)。この映画でみっちりレッスンしているうちに苦手意識も薄まって「やってみたら結構楽しかった」とメイキング映像で語っています。やっぱり?絶対楽しんでないなんて、ニガテなんてウソでしょ?というくらい、歌いこなして踊りこなしてますもん( *´艸`)。

王道のラブ・ストーリーとコメディ、ウィットに富んだテンポのよい台詞とワム!を彷彿とさせる80年代的な懐かしさ溢れる素敵な楽曲、真面目に面白おかしくパロったPV映像、何もかもバランスよく優れた映画です。世代にハマる人は、ストーリーそっちのけで歌とダンスだけでも懐かしくて楽しいはず。サントラも、欲しい欲しいと思いつつそういえばまだ持ってないなぁ。哀しいときー。辛い時ー。疲れたときー。そんな時にそれこそ何十回観たかわからない、レスキュー映画のひとつですが何度観ても色あせない私の宝物です(*‘ω‘ *)。エンディングの後日談的演出も楽しいです♪

では、〆のお楽しみ。ヘンリー・ベネット扮するコーラのミュージック・ビデオ「Buddha's Delight(ブッダの悦び)」と何度観ても笑えるPoPのMV「恋は突然(Pop! Goes My Heart)」、それとアレックスが1987年度卒業の同窓会で歌う「Meaningless Kiss」。”PoPのアレックス顔”でファンサービスに徹するアレックスと、駆けつけたローンダの熱狂暴走ぶりが見ものです( *´艸`)。

今回ご紹介できませんが、遊園地の営業でアレックスが歌う「Dance With Me Tonight」も懐メロ感が抜群のバラード・ナンバーでお気に入りですが、なんと当時12歳だった監督の息子さんの作曲だそうです。パパの現在進行中の映画の様子を見聞きして自ら「PoPのレパートリーにはバラード曲も必要じゃない?」と思いついてトライしてみたんですって。息子の作ったデモを聞いて気に入ったパパは、でも身びいきにならないように、作曲者は明かさずスタッフに聴いてもらったら皆気に入って採用になったそうです。ぜひ本編でお楽しみください^^。