ビッグ・フィッシュ (日生劇場) | 今日もこむらがえり - 本と映画とお楽しみの記録 -

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備忘録としての読書日記。主に小説がメインです。その他、見た映画や美術展に関するメモなど。



ティム・バートン監督の映画『ビッグ・フィッシュ』のミュージカル版
映画も気になりつつもまだ観たことがないので、まずは先入観
なしで楽しんできました^^。

浦井健治さん目当ての女性が多い中、私のアンテナが反応した
のは、川平慈英さんと藤井隆さん( *´艸`)。
「ムムッ」「いいんです!」や楽天カードマン、かつ博多華丸さん
の完成度の高すぎるモノマネで、もはやどれが川平さんでどれ
が華丸さんか混乱するほど(笑)全国区の人気者ですが、私が
川平慈英さんを初めて認識したのはもう多分20年くらい前の、
パルコ劇場でみたミュージカルでした。すでに何の演目だったの
かまったく忘れてしまいましたが^^;、若者たちの青春群像劇
のような内容で、ティーンエイジャーのちょっとオクテでピュアな
男の子を演じていたのが慈英さん。

歌も演技も本当に上手くて、本当にその役本人にしか見えず。
またすっごくいいヤツな役だったのも手伝って(笑)、すっかり
ファンになって、あれは誰?!と友達と配役を確認して、川平
慈英という名前をしっかり覚えておこうと思ったのでした。
当時は、今のようにインターネットが発達していなかったから
演劇なんかも紙媒体調べていた時代(はっ。そういえば、昔は
「ぴあ」って雑誌がありましたよね?!あれでチェックしていた
気がする)で、なんとか川平慈英さん出演作をまた観たいと
思っていました。当時は、お兄さんのジョン・カビラさんの方が
だいぶ有名だった気がします。

・・・と、「川平慈英と私の長い歴史」を語るような風になりまし
たが、すっかりファンになったとか言いながら、意外にも舞台の
川平慈英さんを観るのはあれ以来2回目のような気も・・・^^;。
何か観たかなー?いや、観てない気がするなー??
薄情なファンですみません。てか、すでにファンですらないか?
いや常に心で応援していましたけれども。お久しぶりです、川平
さん。すっかり大人になられましたね・・・(汗)。
藤井隆さんも、バランス感覚優れた芸達者な方だし、二人の
コラボだなんて、観る前からワクワクしますよね。

さて。このミュージカルは、父と息子、家族の物語です。
アラバマ州のエドワード・ブルーム(川平慈英)は美しい最愛の
妻サンドラ(霧矢大夢)と一人息子ウィル(浦井健治)と楽しく
幸せな家庭を築いていました。セールスマンの仕事で遠くに出張
していることが多く、息子のサッカーの試合や学校の行事に参加
できないことも多かったけれど、その分一緒にいられる時は
自分の体験した出来事を面白おかしく不思議なお話にして息子
に語って聞かせてあげていました。

夢見がちでロマンチストで明るい父親に対して、息子は論理的
でクール。小さい時はワクワクしながら聞いていた父親の物語
ですが、段々、話が大げさでウソっぽかったり、間尺に合わず
矛盾する点ばかりが気になるようになり、自分の父親をお調子
者でどうしようもないホラ吹きのいい加減な男だと批判するよう
になって父子の関係に溝が生まれました。
そんな父親の元を離れてニューヨークでバリバリ働いていたウィル
が、運命の女性ジョセフィーン(赤根那奈)との結婚式で故郷に
帰るところから、物語が始まります。

くれぐれも余計なことを言わないように、悪いクセを出さないよう
にと口酸っぱく父親に約束させたウィルでしたが、やっぱり
嬉さ満開のエドワードはついはしゃぎ過ぎてウィルを怒らせて
しまいます。ジョセフィーンが、エドのヨタ話を楽しそうに聞くの
もウィルをいら立たせて、結局また喧嘩別れ状態のままニュー
ヨークへ戻ってしまいますが、ある日サンドラからエドが倒れたと
連絡があり、実は父親が重い病気を隠していたことを初めて
知ります。身重のジョセフィーンと共に再びアラバマへ戻った
ウィルは、ジョセフィーンの提案で子供の頃から聞かされてきた
エドワードの物語を整理してみることになりました。

小さな街で人気者だったエドワード、街で一番可愛くて金髪の
綺麗だった女の子ジェニー・ヒル(鈴木蘭々)、幼馴染のガキ大将
ドン・プライス(藤井隆)、自分の死に方を見せてくれた恐ろしい森
の魔女(JKim)、身長3mを超す巨人のカール(深水元基)、泳ぎを
教えてくれた、魔法の呪いをかけられた美しい人魚、実は狼男の
サーカスの団長エイモス(ROLLY)、、、あり得ない設定の登場人物
たちとのあり得ないエピソードの数々、しかも何パターンもの
ヴァリエーション。何故エドワードはそんな話をウィルの聞かせた
のだろうか?ジョセフィーンは、その話を通してウィルに伝えたか
ったことがきっとあるはず、と主張します。

そして、架空の登場人物だと思っていた人物が実在するらしい
ということが判明し、また、何度も何度もウィルに語って聞かせた
ことの陰に、エドワードが決して語ろうとしなかった物語があること
に気が付き、ウィルは父の真実の物語を求めてある場所を訪ねて
みることにします。

相変わらずお上手でした~、川平慈英さん。やっぱり舞台向きの
エンターテイナーですね^^。二世代の美人妻、サンドラとジョセフィ
ーンはお二人とも宝塚出身で、流石の美貌と歌唱力だし。浦井健治
さんはまったくノーケアでしたが歌お上手でした。鈴木蘭々ちゃんも
本当に端正な美女だし、藤井隆さんやROLLYさんも、ほどよいスパ
イスとなって存在感きいてましたし、素敵な歌ばかりで振り付けも
楽しくて、コミカルな演出もいい塩梅で散りばめられていて、ハート
フルで楽しい演目でした。ラストの演出も素敵でした。

私はたまたま別ルートでチケット入手したのですが、e+と三井住友
VISAカードの貸し切り公演の日だったらしく、カーテンコールの後
川平慈英さん、藤井隆さん、ROLLYさんからのスペシャルコメント
まであってちょっと得した気分でした。(別の日もそれぞれ一言
ご挨拶あるのかもしれませんが、藤井隆さんらの機転の利いた、
スポンサー名にちなんだ発言とかもあって楽しませて頂けました)
映画も本も良いけれど、生の舞台もやっぱり素敵だな~と改めて
感じた1日でした。