2回目の整体。
前回渡された地図を手に、予約した日に行ってみた。
そこは、普通のアパート。
表札に小さく 「整体院 ○○」と書いてあるから間違いはない。
ピンポーン♪
チャイムを押すと、
ドアの向こうから
「は~い」
前回揉んでくれたおばちゃんの声だ。
ドアが開く。
「入って~」
…ワタシは知り合いのおばちゃんの家に遊びにきたのかと錯覚しそうになった。
普通に、自分の家に招く感じで、
ドアを開き、次の台詞は
「ごめんね、片づいて無くて…」
と続くんじゃないかと思ったぐらい、いきないフレンドリー。
ちょっとイヤな予感がして、部屋に入った。
普通の2LDKのこぎれいなアパートに、
おばちゃんとワタシの2人きり。
お茶を振る舞われた後、
一室で整体が始まった。
2人きり…
伸ばしたり、曲げたり、揉んだり、ホースを腰に巻き付けて揺らされたりして
前回と同じように時間が過ぎた。
その間、おばちゃんはずっと喋っている。
「うちの息子がねぇ…」
「うちのダンナがねぇ…」
そして、聞き役に徹するワタシ。
なんだかおかしい。
できれば話なんかしないで、黙って揉まれていたいのに。
おばちゃんの愚痴を聞いているワタシ。
疲れがとれたような、とれないような感じで施術が終わり、
その後、またお茶を振る舞われながら骨盤についての説明を受ける。
「うちで使っているマットレスは、寝るだけで背骨や骨盤の位置が矯正されるの。」
「このホースがあれば、自宅でも自分で骨盤体操ができるわよ!」
(あ、なんか売り込まれてる。面倒なことになってきたな。)
と 思いながら話を聞いていると
「そして…これ!骨盤矯正ベルト!」
一押し!!という雰囲気で声を張り上げて、おばちゃんが骨盤矯正ベルトを指さす。
「しかも、パンティ付き!」
どうだ!みたいな雰囲気で言うおばちゃん。
指さす先には、おばちゃん曰く ”パンティ” に、サポーターが付いている物が見える。
しかしそれは、パンティと呼ぶにはあまりにも大きすぎる。
ズロースと言うべきものがついていた。
27歳のワタシが着用するような代物ではない。
マタニティショーツぐらいの大きさと言えば、
妊婦さんにはわかるだろう。
「は、はぁ…」
多少引き気味のワタシ。
「ちょっと、付けてみる?」
「え・・・?」
ワタシの返事など聞かずに、そのズロースを取りに行き、
「ズボンの上からあてるだけでも違いがわかるわよ。」
と、ワタシを立たせてワタシのズボンの上からそのサポーターを巻きつけた。
ワタシの腰には、ズロースが巻き付いている。
履いてはいないので、おしりの方にペロンとズロースがたれているのだ。
そして巻かれるサポーター。
普通の2LDkのアパートのリビングで、
おばちゃんと2人きりで、
ワタシは何をしているのだろう?
アパートの前を通りかかった人は、
薄いカーテン越しにこの光景を見てどう思うのだろう?
サポーターを巻いて、机を持ってみろとおばちゃん。
「ほら!軽々持ち上がるでしょう!?」
「はぁ…」
サポーターを取って、もう一度机を持ってみろとおばちゃん。
「ほら!さっきより重いでしょう?」
「はぁ…」
もう、どうでもよくなっていた。
早くこの場から解放されたかった。
このズロースを27歳のワタシが履くと本気でおばちゃんは思っているのだろうか?
段々腹立たしくなってきた。
そこからはほとんど話も聞かず、
適当な相づちで 「でも いりません。」 とにおわせて
最後には、「そろそろ帰らないとならないんで、いいですか。」
と、打ち切る形で終わった。
次回の予約はどうするか、と言われ
もう来る気がなくなっていたワタシは、
「今は予定がわからないので、確認してからまた後日連絡します。」
と言って帰った。
そして、それきり連絡もせず、(実際に忙しくていけなかったし。)
そうこうしているうちに、妊娠もしたので行かなくなったのだった。