こんにちは。パーソナルコーチの上田あきこです。
先日、以前の職場の同僚から、
ある方の連絡先を預かりました。
名前を見て、鮮やかに記憶がよみがえりました。
Oさんとの出会いは、６年ほど前にさかのぼります。
旅行会社の窓口で働いていた当時、
たまたま出た電話で、ブラジル行きの
チケット手配の相談を受けました。
何度か電話とメールでのやり取りをくり返し、
次の土曜日、Oさんが直接お店に来てくださいました。
カウンター越しでお話をする中で、
今回の旅が、Oさんにとって
特別な旅であることを知りました。
当時、Oさんはある病気を抱えていらっしゃいました。
お医者様は旅行には賛成していないといいます。
奥様も、さぞかし心配しているでしょう。
万が一、旅先で病状が悪化しないとも限りません。
最終的な検査の結果を待っているけれど、
今、ビザとチケットの手配を進めなければ、
出発に間に合いません。
でもOさんは、どんな結果がでたとしても
必ず、出発します、とおっしゃいました。
具体的なことは何も聞かなかったけれど、
Oさんの覚悟のようなものがまっすぐに伝わってきて、
私は、何がなんでも、ぜったい出発してほしい、と思いました。
そのために、私ができることはすべてやろう、と決めました。
手配が整い、Oさんは無事出発され、
無事帰国されたことを
帰国後のメールで知りました。
それから数年後、久しぶりにOさんから連絡があり、
アルゼンチン行きのチケット手配の依頼をいただきました。
帰国後に届いた写真には、
パタゴニアの青く輝く氷河を背に
たたずむOさんの姿がありました。
これから会社を退職し、
途上国支援のための活動をはじめたいと
書いてありました。
数年ぶりにお店へ連絡してくれたOさんは、
私が在籍していないことを知って、
ご自身の連絡先を後輩に託してくれたのです。
こうしてつながりをさらに紡いでゆけることを、
本当にうれしく、尊く思います
(c) 赤城 一人 ｜写真素材 PIXTA