肩を痛めやすいピッチングフォームとは?【野球肩の予防と復帰のために】 | 名古屋の治療院×ジム【アスリートのためのトレーナールーム】プラストレーナーズのブログ

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治療院とスポーツジムで別々に行われていたリハビリやストレッチなどコンディショニングと体幹や肩甲骨、股関節を中心に鍛えるトレーニングをリハビリのプロである理学療法士とトレーニングのプロであるトレーナーがサポートします。

野球肩の予防と復帰のために

ピッチングによる肩の故障と

ピッチングフォームについてまとめました。

 

ピッチングフォーム

 

野球肩とは

 

* 腱板損傷、炎症、断裂

  (腱板=インナーマッスル)

* 肩関節唇損傷(SLAP lesion)

* 上腕二頭筋長頭腱炎

* インピンジメント症候群

* 胸郭出口症候群 etc.

 

 

このように野球肩と一言で言っても様々な病態があります。

 

 

野球肩の原因

 

ほぼ全例が

 

★投げ過ぎ

★ケア不足

★ピッチングフォームが悪い

(肩に負担がかかるフォーム)

 

 

このうちのどれかに当てはまります。

 

 

しかもどれか一つが単独で原因となっていることは少なく、複数の原因が合わさって症状を誘発していることがほとんどですね。

 

その原因について、一つずつ説明していきます。

 

 

投げ過ぎについて

 

最近では野球指導者にも投球数を気にしている方が多くなり、小・中学生に完投させたり連投させたりすることは少なくなっているように思います。残念ながらまだまだ無理な連投を強いる指導者がいるのも事実ですが。。。

 

 

投球数が多くなると

肩への直接的なダメージが

増えることも問題ですが

 

全身的な疲労から

投球フォームが崩れ

肩への負担を増やしてしまうことが

大きな問題となります。

 

 

 

ケアについて

 

ケアやコンディショニングは、専門家でないとストレッチやトレーニング、アイシングなど正しく行うことは難しいですね。

 

チームに知識や経験が豊富なトレーナーがいればケアについてもしっかり行っていると思いますが、そうでなければ自分で調べるなどして取り組まなければいけません。

 

球数が多くて張りが出ても、しっかりケアが出来て回復が図れれば、痛みを生じるリスクはかなり少なくなると思います。

 

 

 

 

ピッチングフォームについて

 

フォームについては様々な考え方があり、高いパフォーマンスを求めるために指導者によって全然違うことを指導されることも少なくありません。

 

しかし、このピッチングフォームが、野球肩の発生にとって実は非常に重要なのです。

 

 

野球肩には先述したようにいろいろな障害があり、それぞれ痛む場所は違うのですが、「肩を痛めやすいフォーム」というものにはいくつかのポイントがあり、それを回避できればどの障害も引き起こしにくくなると考えています。


ですので

「肩を痛めやすいフォーム(肩に負担の大きいフォーム)」は、肩に負担の少ないフォームに修正しなければいけません。

 

 

 

その「肩を痛めやすいフォーム」「肩に負担の大きいフォーム」について、以下に解説していきます。

 

 

 

 

 

肩を痛めやすい、負担の大きいピッチングフォームフォームとは・・・

 

 

 

 

★トップのタイミングが遅い

★身体の開きが早い

★リリースに向けて内旋運動が大きい

★インステップが大きい

★フォロースルーが小さい

 

 

専門用語を避けて簡単に挙げるとこれくらいでしょうか。

よく言われていることでもありますが、一つずつ説明していきます。

 

 

 

トップのタイミングについて

 

ステップ足が接地した瞬間(フットコンタクト)のタイミングをチェックします。

そのフットコンタクトの瞬間に「ボールを持つ側の腕がどのような形になっているか」が非常に重要です。

 

本来はこのタイミングで投球側の腕は外旋位(肘よりボールが高い位置)になければならないのですが、トップが遅い選手はフットコンタクトしてもまだ内旋位にあったり、内外旋中間位になります。

 

*内旋・外旋について

肘を肩の高さまで上げた状態で肘を曲げ、前腕(肘から手首)が地面と平行な形が内外旋中間位。肘より手首が低い形が内旋位、逆に肘より手首が高い形が外旋位。前腕が地面と垂直になると外旋90度。

 

 

フットコンタクト直後から骨盤の回旋が始まる(厳密には直前から始まっている)ため、このタイミングで外旋位にないと「ラギングバック」を生じさせることが出来ず、しなりを作るために肩関節に過負荷をかけながら無理やり外旋位へもっていかざるを得なくなります。

 

逆にフットコンタクトで正しく外旋位を取れていれば、たとえ肘下がりであっても背中側へ引きすぎていたりしても、ラギングバックにより無理なくしなりを作ることが出来ます。(技術的な問題や柔軟性の欠如により出来ないこともあり、そういった場合はそれらの解決が先決となります。)

 

 

身体の開きについて

 

『身体の開きが早い』とは個人的に「フットコンタクト以前に胸郭が非投球側へ回旋し始めること」と定義しています。

 

簡単に言えば右投手であれば、踏み込んだ左足が地面に着く前に、左肩を引き胸を張り身体が左へ回りだしている状態ということです。

 

ポイントは「トップのタイミング」と同じく『フットコンタクト』のときに開いていないかどうかです。

 

 

トップのタイミングはフットコンタクトで外旋位にあることが必要と書きましたが、それ以前に非投球側への回旋が始まってしまうとテイクバックが取りづらくなり、フットコンタクトのタイミングで外旋位を取れる状態までもって来られないか、無理やり持ってこなくてはいけなくなるということです。

 

 

テイクバックは専門的に肩関節の運動で見ると「内旋+外転+伸展」で始まり、内旋運動が外旋運動に切り替わりトップが完成します。

 

このテイクバック中に身体が早く開くと、肩関節にとってはさらに伸展運動(水平伸展)が加わることになり、十分な外転や外旋運動が行いにくくなってしまうのです。

 

 

また、この水平伸展という動作自体が肩関節にとっては負担の大きい動作であり、さらにその状態でスローイングのために外旋内旋運動を行うことは、とてもリスクの大きい動作と言えます。

 

 

 

内旋運動について

 

リリースに向けた内旋運動とは、しなりが出来て肘がキャッチャー方向を向きボールが肘の後ろに残された状態(最大外旋位)から、肘の伸展(伸ばす)と併せて腕がねじり戻されるように内側にひねられながらリリースに向い、リリース後は手の平が上を向くほど内旋位になる運動のことです。

 

この内旋運動は、通常の運動連鎖として起こる運動であり、意識して行うべきものではありません。

 

なぜかというと、自然に起こる内旋運動は胸郭や肩甲骨、肩関節、前腕も含めた連動した動きで生じるため、連動するパーツすべてで運動負荷を分散しているのですが、内旋を意識してしまうと、内旋運動は肩関節の運動であるため肩関節での運動が強調され、その分だけ運動負荷も肩関節に大きくかかってきてしまうのです。

 

身体が開かずトップをタイミング良く作り、下肢からの運動連鎖によってしなりを作れればリリースに向けた内旋運動は正しく生まれるはずです。

 

スローイング動作を連続写真やスローモーション動画で見ると内旋運動がメインで行われているように見えるのですが、それを意識して行ってはいけません。

 

 

 

インステップについて

 

軸足とホームベース(相手)を結ぶ直線より投球側(右投げなら線より右側)にステップ足が着地した状態をインステップとしています。

 

逆に非投球側に着地した場合はアウトステップといいます。

 

今回はインステップについて書きますが、アウトステップも肩肘への負担やパフォーマンスを考えると修正したほうがいいでしょう。

 

 

インステップが大きくなると投球方向が背中側となり、より多くの回旋量が求められるため早めに回旋が始まってしまい、身体の開きを誘発しやすくなります。(身体の開きが肩に与える悪影響は先述の通りです)

 

また股関節の柔軟性が高く骨盤をしっかり回旋し切られればいいのですが、股関節周囲の柔軟性が欠如していると骨盤の回旋量が足りず、投球方向へしっかりと身体を向けることが出来なくなります。それでも投球方向へ正しくボールを投げるためには腕(肩や肘)で無理やり投げるしかなくなり、リリースへ向けて内旋運動(+水平屈曲運動)を強調しなくてはならなくなるため、肩への負担は大きくなります。

 

ただし、サイドスローやアンダースローのようなピッチングフォームの場合は、身体を倒し込んで投げる際に重心を支える位置が投球側方向(右投げなら右側)に寄るためインステップしてバランスをとる必要があります。この場合は必要なインステップと考えて身体の開きに注意することと股関節の柔軟性を高めることで対応していきます。

 

 

 

フォロースルーについて

 

フォロースルーはリリースからフィニッシュまでの動作ですが、出来るだけ身体全体を使って大きくすることが大切です。

 

例えば140キロを投げる投手の場合、リリースの瞬間は腕の振りもそれだけのスピードが出ているわけです。

 

そのスピードを減速させながらフィニッシュに向かうのですが、その動作が小さいと小さい動きで大きなエネルギーを抑え込まなくてはならないため負荷が大きく、しかも動作が小さいということは肩関節が動作の中心となりますので、肩関節に集中してその負荷がかかることになります。

 

減速させる動作というのは、筋肉に遠心性収縮(エキセントリック)と呼ばれる、力を発揮しながら伸ばされるという最も負荷の大きい運動を求める必要があります。

 

この負荷が直接的に痛みを生じることはあまり多くない(あることはある)ですが、肩関節周囲の筋肉(インナーマッスルなど)が負担を受け疲労し硬くなってしまうことで、相当しっかりとケアをしない限り、痛みが生じやすいコンディションに陥ってしまします。

 

またフォロースルーが小さくて済んでしまうということは、それまでの動作が肩関節から上体に頼った動作であったということでもあります。

 

下肢~股関節~骨盤~体幹~胸郭~肩甲骨~上肢と全身をバランス良く使ったピッチングフォームであれば、そのエネルギーを吸収するためのフォロースルーも当然全身を使った動作となるはずです。

 

 

いわゆる手投げと言われるような選手のフォロースルーはやはり小さく、大きくしなって腕を振る選手はフォロースルーも大きくなります。

 

 

 

 

以上、非常に簡単に書きましたが、このようなフォームだと肩に負担がかかりやすいという形を5点に絞ってまとめました。


 

体重移動やステップ脚の動き、ブロック動作など下半身の使い方も大切なことは言うまでもありませんが、チェックポイントとしては上半身の動きの方が「肩への負担」と直接的な繋がりが分かりやすいので、今回は「インステップ」以外は上半身の動きを取り上げました。

 

 

 

もちろん個人差があり全てを当てはめることは出来ませんが、これまで多くの野球肩患者のピッチングフォームチェックをしてきた中で、ほぼ間違いのないことだと思います。

 

 

また、そのフォームを修正するには、単に意識を変えるだけで済むこともありますが、多くのケースで身体が硬かったり筋力が弱かったりバランスが悪かったりとなんらかの原因を抱えていますので、そういった面からアプローチし修正していく必要があります。

 

 

肩に負担の少ないフォームで投げられれば、ある程度の球数を投げても多少なら連投をしても、少し張りが出るくらいで問題なく投げられるハズです。

 

ピッチングやスローイングで肩に不安のある選手は、フォームのどこに問題があるのか、修正するにはどこから修正すべきか、正しく判断するのは簡単ではありませんが、肩に負担の少ないフォーム習得に取り組んでほしいと思います。

 

プラストレーナーズ

伊藤孝信

 

 

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