
1)ON THE CORNER / NEW YORK GIRL /
THINKIN' OF ONE THING AND DOIN' ANOTHER / VOTE FOR MILES
2)BLACK SATIN
3)ONE AND ONE
4) HELEN BUTTE / Mr. FREEDOM
これまで、いろいろなミュージシャンの多数の作品を聴いてきました。
音楽誌やCDの帯での作品の紹介で ‘ 問題作 ’ とか ‘ 意欲作 ’ なんていうレッテルを貼られている作品があります。それを読んで「それで、どうなの(このアルバムは)?」なんて、思うことがありました。
そのように呼ばれている作品は、‘ これまでと違った内容の作品 ’ とか ‘ これまでの内容と異なるので、好き嫌いが分かれる作品 ’ というものだと、私は思っています。
さて、このマイルスの作品も ‘ 問題作 ’ 、 ‘ 意欲作 ’ に当たるのでしょう。
1969年辺りからロック寄りのアプローチを始めたマイルス。ロックと言うよりは、プログレに近いですが、段々とそこへソウル、ファンクの要素が強く加わってきます。
何でも、彼はジェームズ・ブラウンやスライ&ザ・ファミリー・ストーンらのサウンドに興味を抱いたからで、マイルスもソウル、ファンクを表現し始めました。
スタジオ盤で、マイルス流ソウル&ファンクを収録したのがこの作品。
リズムは強力(リズムの洪水?)。もちろん、打ち込みによるものでは無く、パーカッションが鳴り響くので泥臭く、熱く、肉体的な感じ。全体として音の塊がぶつかっているようなサウンド。
マイルスのトランペットはストレートに吹くというより、トランペットにマイクを繋げ、それをワウワウペダルを通して出しているので、“ クニュクニュ ” した音色が多いです(ワウワウペダルを使うのは、ジミ・ヘンドリクスの影響を受けている)。
と、ここまで書くと「すごいアルバムだなぁ!」と思うかもしれません(私も初めて聴くまではそうだった)。しかし実際に聴くとドライで、どこか平坦なサウンドにも聞こえ、掴み所が無かったりもします。
聴きやすい曲は、収録時間5分ちょっとのファンキーな2)くらいですね。
正直、私は現在でもこのアルバムは「よくわからない」と言うのが感想。
しかしこの作品のサウンドは、後のアシッド・ジャズ(←ミュージシャンで例えるなら、ジャミロクワイ)やクラブ・ジャズの ‘ 原石 ’ の1つでもあります。
このアルバムに参加したキーボードのハービー・ハンコックは、ここで経験したことを自分の中で昇華し、1973年に《 Chameleon 》、1983年に当時のコンピューター技術を駆使した《 Rock It 》(←『踊る! さんま御殿!!』の番組内で使われてますねぇ!)など、リズムの効いた作品がヒット。そして、これらハンコックの曲は、アシッド・ジャズやヒップホップへの影響は少ないでしょう。
大沢伸一のMONDO GROSSO(モンドグロッソ)のクラブ・ジャズを聴いた時、私はこの『ON THE CORNER』の要素を感じることもありました。
またヒップホップやダンス系の音楽制作をする人で、この『ON THE CORNER』のリズムをサンプリングで用いる人もいるとか。
このアルバム自体は乗れて、踊ることの出来る作品ではありません。
ジャズ畑のマイルスがソウル、ファンク・ミュージックを取り入れた、いわば実験的な作品なので、好き嫌いも分かれるようです(中古CDでよく見かけるような…)
しかし、後のアシッド・ジャズ等へ受け継がれていく要素を持つ作品の1つでもあるので、問題作とはいえ、重要作の側面も持っているような気がします。
[CD日記 ジャズ・フュージョン編 # 5]

1)COMING HOME
2)PHOTO SHOOTER
3)MIDNIGHT ROSE
4) LIVING IT UP
5)DANCE IN THE SUN
6)TAKE LOVE
7)HIGHWAY ROBBER
8) MELTING
昨年『2023 マロくん版レコード大賞』で1位に輝いた、ポール・ロジャースのアルバムをアップします。
ポール・ロジャースの23年ぶりとなるオリジナル・アルバム。
この23年の間、クィーンのゲストVoとして参加、またクィーンとのプロジェクト・アルバム(?)やソウル・R&Bのカバー・アルバムを出すなど、活動はしていました。
しかしオリジナルとなると、23年ぶりなんですねぇ。
純ソロ・アルバムとしては、4枚目となる本作。
ヘヴィなドラム・イントロから始まる1)。タイトルのサビで “ ♪カ~ミン、ホ~ム… ” とロジャース節を聴けると、「お、きたっ!」なんて思っちゃいます。
2)では、スライド・ギターが走っているし、4)はヘヴィなブルーズHR。5)のような、ちょっと朗らか系な曲も収録。
トータル・タイムが32分ちょっとで、現代の音楽事情からするとちょっと短い時間ですが、聴いていて短いとは思わないし、ちょうど良い時間の長さかと思います。
聴く前は、年を重ねたロジャースによる手堅い内容なのではと想像するも、ブルーズ・ロック・ヴォーカリストとしての “ 熱さ ” が伝わってくる作品でした。
もちろん、彼の過去の作品でもその “ 熱さ ” を感じられました。
前作『ELECTRIC』(1999)や前々作『NOW』(1997)は、どこか洗練された感がありましたが、今回は少々誇張して言うと、FREEやBAD COMPANY時代に “ 近づいた ” ブルーズ・ロック・サウンドのように感じます。
ソロ作品で言えば、1st 『CUT LOOSE』(1983)と “ 熱さ ” が近いかもしれません。もちろん、1stの頃の若さの勢いや荒削りさはありませんが…。
何でもこの数年、彼は大病をして、一時は上手く話すことも出来ない状態だったとか。
そのような困難を乗り越え、歌えるところまで回復し、このアルバムを完成させました。“ ザ・ヴォーカリスト ” の彼に敬意を表します。
アルバムの裏ジャケに、「自由のために、命を賭けて最前線に立つ勇敢な人達と、音楽ファンに、このアルバムを捧げる」と書かれています。
世界では争いが続いています。そういう状況を憂いているのでしょう。
また大病をして、回復に努めるロジャース。いろいろな人達のサポートを経たことでしょう。
そのような経験を通して、上記メッセージは広い意味で、「一線で頑張っている人達」へ捧げる気持ちも込められているのではないでしょうか。私はそのように感じました。
[CD日記 2000~ 洋楽編 # 12]

ミュージシャン:JIMMY PAGE & THE BLACK CROWES
〈DISC 1〉
1)CELEBRATION DAY
2)CUSTARD PIE
3)SICK AGAIN
4) WHAT IS AND WHAT SHOULD NEVER BE
5)WOKE UP THIS MORNING
6)SHAPE OF THINGS TO COME
7)SLOPPY DRUNK
8) TEN YEARS GONE
9) IN MY TIME OF DYING
10) YOUR TIME IS GONNA COME
〈DISC 2〉
1)THE LEMON SONG
2)NOBODY'S FAULT MINE
3)HEARTBREAKER
4) HEY HEY CAN I DO
5)MELLOW DOWN EASY
6)OH WELL
7)SHAKE YOUR MONEY MAKER
8) YOU SHOOK ME
9) OUT ON THE TILES
10) WHOLE LOTTA LOVE
アメリカのHRバンド、ブラック・クロウズ(以下:BC)のニューヨーク公演に、ジミー・ペイジが飛び入り参加したことが縁で、共演ライブを敢行されることになったとか。
その共演ライブを収録したのが、このアルバム。
BCは、レッド・ツェッペリン(以下:ZEP)はもちろん、ローリング・ストーンズ、フェイセズ、ハンブル・パイといった、イギリスのバンドの影響を受けています。ペイジさんとの共演には、“ 感謝!、感激!、光栄ですっ! ”といったところでしょう。
曲目はヤードバーズやブルーズ曲のカバーもありますが、ZEPの曲が多数。
〈DISC 1〉の2)や3)はあたりから快調にZEPの曲がプレイ、歌われていきます。聴いていて心地良さも感じます。
ZEPの1st収録の〈DISC 1〉の10) といったアルバム曲が選ばれているのも魅力。思わず「いいねぇ」と言ってしまいます。
Voのクリス・ロビンソンはそれ程声域があるタイプではありませんが、しっかり歌っています。
ペイジさんのギターは精彩に欠けるところもありますが、“ 私も頑張って弾いてます! ”というのが伝わってくるし、現役ロックバンドであるBCのバックアップもあって、厚みのあるサウンドになっています。
ZEP解散後、何らかの形で元メンバーが関わった ‘ ZEP懐メロ大会 ’ (と、あえて表現します)が実現しましたが、正直どれもイマイチという評価で、プレイ等が “ 痛い ” ものもありました。
その中で、このジミー・ペイジとBCの共演による懐メロ大会が一番成功しているように思われます。
来日公演も企画されると聞いて、楽しみにしていましたが、結局キャンセル。
是非実現して欲しかったです。
このアルバム、当初はアメリカ(?)通販限定の物だったとか。
私は当時某大型CDショップで、限定輸入盤として陳列されているのを見て、「これは聴いてみたい!」と思い、その場で購入しました。
後年、日本盤でも発売されました。
[CD日記 2000~ 洋楽編 # 11]

1)けもの道
2)水鏡
3)熟れた罪
4) 雲路の果て
5)白い狂気
6)'Twas on my Birthday night
7)樹海の糸
8) ねないこだれだ
9) かがり火
10) ポロメリア
11) 海原の人魚
12) しなやかな腕の祈り
Coccoの3rdアルバム。
既発シングル曲は1)、2)、4)、7)、10)(それぞれのカップリング曲は未収録!)。
仮に既発シングル曲が多いという点に目をつぶっても、前作『クムイウタ』よりストレートで聴きやすい印象です。
HRからプログレ、癒やしのポップスまで幅広い曲が並んでいます。
4)は幻想的なパートとハードなパートを持ち合わせた深い曲。
私は7)が大好き。すごい透明感と繊細さを合わせ持つポップスで、何回聴いても染みるし、癒やされるものがあります。
そして、この透明感のある7)から一転して不穏な(コワい)イントロを持つ8)へ。その次にはHRな(パンクな?)9)となり、そして次は穏やかなポップスの10)へ…。この7)~10)の一連の流れが大好きで、特に7)と8)のギャップがたまりません。7)で癒やされ余韻に浸っていると、8)の不穏なイントロが始まる…。この部分は何回聴いてもゾクゾクするものがあります。
あと10)も心染みる曲だと思います。曲内容の大意は故郷の想い出の歌。シングル発表時は、私には地味な曲の印象でしたが、置かれた曲順の位置が良かったのか、アルバムの後半の1つのポイントになっているような気がします。10)はこのアルバムで引き立った感があり、また大好きな曲の1曲となりました。
この後、2001年に4thアルバム『サンタグローズ』を発表し、活動を休止。
2006年に活動を再開、現在に至っています。
このアルバムは〈Cocco 第1章〉で一番入りやすい作品であり、〈Cocco 第1章〉でのトップに位置する作品であると思います。
[CD日記 2000年以降邦楽編 # 3]

〈2000 イギリス〉
※アルバムタイトル、以下曲目はそのままのものを表記しています(なので、不自然なスペルもあります)。
〈Disc 1〉
1)Into The Frying Pan
2)The ConstruKction of Light
3)ProzaKc Blues
4) Improv : Munchen
5)One Time
6)Dinosaur
7)VROOOM
8) FraKctured
9) The World's My Oyster Soup Kitchen Floor Wax Museum
10) Improv : Bonn
〈Disc 2〉
1)Sex, Sleep, Eat, Drink, Dream
2)Improv : Offenbach
3)Cage
4) Larks' Tongues In Aspic : Part Four
/ Coda :I Have A Dream
5)Three Of A Perfect Pair
6)The Deception Of The Thrush
7)Heroes
〈Disc 3〉
※Disc 3はインプロヴィゼーション曲を13曲収録。
曲目は割愛させていただきます。
このライブ盤は、今年(2023)9月にリイシューされるとか。
好きなライブ盤でもあるので、このブログに挙げてみます。
キング・クリムゾン(以下:クリムゾン)は、『THRAK』(1995)以来5年ぶりとなる、『the construKction of light』を2000年5月に発表。このアルバムを引っさげてのツアー敢行となりました。
その時の2000年6~7月のヨーロッパ公演を収録したものが、このライブ盤。
ちなみに『the construKction of light』というアルバム、完成度は高い方だと思いますが、“ やや複雑、難解、悪くはないけど、ちょっと退屈しちゃうし、回数聴かないかなぁ… ”というのが個人的な感想。
さて、ライブの方ですが、こちらは『THRAK』時のギター、ベース、ドラムが2台ずついる、計6名編成の ‘ ダブル・トリオ ’ と違い、ギター2人、ベース、ドラムといった4人のシンプル構成。
『THRAK』のツアーよりも、こちらの方がよりヘヴィで、ストレート且つ引き締まったサウンドを聴かせてくれます。
〈Disc 1〉の3)は『the construKction of light』収録の、クリムゾンにはめずらしいブルーズ曲。スタジオ盤同様、踏ん張ったVoと、ヘヴィなサウンドが最高。
〈Disc 1〉の7)は『THRAK』収録の曲。こちらはスタジオ盤よりも、ノイジーでラウドな印象。私は、2分9秒から11秒に掛けてのドラムの連打が大好き。
〈Disc 2〉の1)も『THRAK』から。元はファンキーな曲ですが、こちらもVoがシャウトしているし、ノイジーなプレイを聴かせてくれます。静かに終わるも、インプロヴィゼーション曲の2)へ続くところは、ゾクッとします。
そして、ラストの〈Disc 2〉の7)はデイヴィッド・ボウイの名曲をカバー。感動を呼びます。
このヨーロッパ公演の後、彼らは2000年10月に来日。私は東京公演に足を運びました。
前段に記した〈Disc 2〉の1)以外の3曲は、実際にステージで聴いて、記憶に強く残っている曲。このライブ盤を聴くことで、その時の興奮と感動が甦ります。
私の行ったステージでも、デイヴィッド・ボウイの〈Disc 2〉の7)がアンコールでプレイされ、会場が盛り上がった記憶があります。それに曲中のロバート・フリップの“♪ウィ~~~~~~~~~ン”と鳴るギターが聴けたのも、感激でした。なので、このライブ盤でこの曲を聴くと、今でもちょっと胸熱く、感動します。
なので私とっては、ライブに行った時の感動を呼び起こす、1枚でもあります。
それを抜きとして、1990年代に復活したクリムゾンの脂の乗った時期を収録したライブ盤だと思います。
もちろん、これ以降のクリムゾンも変化(進化)しながら、活動を続けているので、脂が乗っていると言えるかもしれません。
クリムゾンは過去のライブ公演をコレクターズ・アイテムとしてCDを出していますが、自分が足を運んだ公演のCDは持っていません。本当は手に入れたいのですが、やや高価なので…。
[CD日記 2000~ 洋楽編 # 10]