Trip-99 水戸 |   バリアフリーマップをつくる旅
奇妙な建造物を発見した。

その幾何学的なカタチ、

ウィルスの配列でできた造形を連想させる。

ひょっとしたら、おとといまで3日間居座り、

高熱で体を蝕み続けた病原体かもしれない。

寒波の間隙を縫って水戸へやって来た。

澄み切った空気、

週末に積もって溶けない雪、

少しだけ梅が咲き始めた偕楽園をモノクロームな景色のまま低温保存している。


市内のバリアフリー調査の後、気になったので例の建造物を調べることにした。

水戸芸術館。

コンサートホールと芝居小屋を備えた文化施設。

どっちも規模は小さいながら巧みに立体を操り造られ、舞台を全方位から間近に客席が囲む感じ。

例えるなら、演者の表現と観客の反応とを狭い空間で混成できる、ジューサーミキサー的な小箱。

あとはここに入れる中身次第で、出来上がるものの味はいろいろ。

先月は小澤征爾がタクトで混ぜ混ぜしてったらしい。


で、例の建造物。

近づいてみると外壁にチタンの板を張り合わせた無機質な塔。

説明書きによると、ここの開設時にシンボルとして建てられたとのこと。

高さは100m。

中にエレベータがあるので登ってみる。

薄暗い回廊は車椅子1台がやっと通れる幅。

壁面に点在する丸い穴は展望用の小窓。

いろんな高さ・角度・方角に配されているが、

背伸びも、しゃがむことも出来ない車椅子、

更に凸やカドっこで取り回しを遮られ、無理なく覗くことのできる窓は3つ。

目に映るのは雪に覆われた宅地群やら田畑やら。

どれも視野が狭く断片的なカットに過ぎず、全体を導き出すのは不可能。

でも、これだけ技巧を施して作られた構造物。

造り手が見せようとしていたシーンなり、伝えたかった意図なりがあるはずだ。

想像するにも難しいところではあるけれど・・・。


モノを造るとき、

造り手の意図を主張し過ぎると、ともすれば意図しないところでユーザビリティーは損なわれる。

自らを戒めよというサジェスチョンなのだろうか。

いま造っているものはバリアフリー用のツールなんだから。


オマケ





今日のゆるカワ。

シャッターチャンスでなかなか、
どいてくれない、ゆるオバちゃんと共に。