英会話に文法は必要です。これが、英語でコミュニケーションしている人の結論なのですが、
英会話講師をしていると、「文法ではなくて、会話を学びたい。」、「"This is a pen."を習った世代なので・・・」、「文法ばかりやってきたから、話せないんです。」とよく耳にします。
「話す」ことと「文法」は別問題のように思われる方が大変多いのではなかと思います。
"This is a pen."を日本語に訳出すると
「これはペンだ。」または
「これがペンだ。」
という意味になります。
親は小さい子供に物の名前を教えますよね。
「これがペンよ。」と。
私は、"This is a pen."は、生きた英語だと思います。
お母さんが、「これがペンよ。」と言っている様子を思い浮かべることができますよね。
すぐ目の前にあるペンを指さし、自分の幼い子供を見ながら、
「これが、ペンよ。」と言っています。
"this"は、近くの物を指さしながら使います。
もし、ラジオ放送で、"This is my dog!" なんて聞こえてきたら、きっとそう言った人が、お膝に自分の犬を抱っこしているとか、すぐそばに犬がいて、指さしながら言っている状況が思い浮かびます。
私にとって"this is a pen."という一文は、英語を教える上で非常に活用しやすい一文です。
日本人は、いつも、手を使わないで、This を言うので、いったい、どれを指さしているのか分かりません。
ですから、いつも、this と、生徒さんが言われると、「手を使って下さい。」と指摘します。
this と 「手」は、セットです。
では、"This is a pen."が、仕事では生きてくるのでしょうか。
はい、生きてきます。
プレゼンで生きてきます。
"This is a chart of our sales・・・"
「これが、売上のグラフで・・・」と、ポインターで指しながら言います。
実は、プレゼンの為のプライベートレッスンに来られる方は、
最初は、殆どの方が、"It's"を使われるのです。
"it"とは、日本語にすると「それ」ですが、日本語の「こそあど言葉」とは違います。
日本語の「これ」「それ」「あれ」は、全て指さしながら言う言葉ですが、英語の it は、
既に話題に登場した「物」や「事柄」の事です。ですから it と言った時には、
何のことか周知のことという訳です。
ですから、初めて見るグラフを指して、"It's a chart・・・" ではなく、"This is a chart・・・"「こちらは、売上のグラフなのですが・・・」と切り出し、"It shows ・・・"「それは・・・と言う事を示しています。」と
展開されるはずです。
さて、本題に戻って、英会話に英文法は必要です。
そして、私達は、文法ばかり習ってきたから、英語が話せないのでしょうか。
私は、逆だと思います。「文法の勉強のしようが足りなかったから。」
"This is a pen."を習い、その後、何かしたでしょうか。
おそらく、「なーんだ、簡単な一文」と思い、または、なんとも思わず、
次の文法へ進んだと思います。
"This is a pen."を学んだら、次は、この文法を使って、実際にありそうな"This is "をじゃんじゃん言う!
文法は、使って初めて身に付くのではないかと思います。
私達は、全員中学校で英語を学習した訳ですから、「文法の勉強のしようが足りなかった」と自覚し、
今度は、その文法をつかってじゃんじゃん言って見ましょう。
そうすれば、私達の中学校の英文法の仕上げができます。
好き嫌いはあっても、折角3年も英文法を学習したのですから、それを無駄にせず、これからは、その文法を一つずつ使ってじゃんじゃん言って、自分の英語の仕上げましょう!