思い出。何故ならもう二度と行くことはないと思うので。
私の着物「問屋」との出会いは、8年ほど前、お茶を習い始めたときまで遡る。
お茶の先生から「着物を着たいなら、安く買える所があるから」と紹介されて行ったお店。
先生の担当だという人についてもらって、稽古に使えそうな東レのシルジュリーの着物を買った。
この問屋に行ったのはその後数回だけで、その後はインターネットに移行してしまったんだけど、ここは普通というか誠実というか、頼んでもないのに反物をあてられたり、何かを薦められたりするようなことはなく、店でものを見るときに担当さんに一人ついてもらわなければならないという不便な点以外は、いたって普通の小売業と同じような店だった。
2回目の「問屋」との出会いは、去年。
とある地方の「工芸品展」に行ったとき。
他の品物は全てオープンスペースにお店が出ていたけど、着物のゾーンだけ奥まった畳敷きのホールみたいなところで、入るといきなりスーツの男性に「どこかお店のご紹介で?」と訊かれ、違うといったら、その男性は後ろにいた別のスーツの男性Bに目配せして、男性Bにぴたっとはりつかれた。
入ってすぐのブースにあったすごくきれいな〇〇織の着物、ついお値段をきいてしまったら、そのブースにたっていた女性(製作者か現地のお店の人なのかは謎)が見せてくれた値札は160万円。
なるほど。
〇〇織が高いのは知ってる。
だから、こういう物産展みたいな所だったら、直販で少しは安いかな、と思ったけど、そんなことはないんだな、と思い、
それはさすがに買えないです、でもありがとう、といって去ろうとすると、女性が私の後ろの男性をアイコンタクトで呼ぶ。
で、ささっと進み出てきた男性B曰く、「うちは問屋なんでお安くご紹介できます」と。
なるほど、問屋の人だったのか。
というか会場にあちこち立ってる、どう見ても現地の人じゃないスーツの人達は問屋なんだな、と思いつつ、「着物に100万出す気はないので」といって去ろうとすると、ではこれでいかがでしょう?と取り出した電卓(なぜ電卓?)に表示された示された価格は98万円。
いやいやいや。
「100万出す気はない」ってそういうことじゃないので。
100万超える着物の存在を否定する気は全くない。
志村ふくみさんの着物とか憧れだ。
でも、使用頻度と目的を考えて、私は私の着る着物にそこまでの高級性を求めてない。
「100万出す気はない」ってそういう意味。
その後もものすごく食い下がられ、「いやいや」「じゃあこの価格で」と電卓を見せられるやり取りを数回繰り返しただろうか。
他の反物も、ちょっとよく見ようとそばに寄ったりすると、すかさず後ろからこの男性Bが「それ、素敵な〇〇織ですよね。うちなら。。。」と電卓を取り出すので、最後正直ちょっといらいらしてきた。
ていうかこれ、ただの着物の展示会じゃん。
他の着物以外の商品はそんなこと全くないのになんで着物だけ?
結局この日は、「もし探しているものがあれば、入荷したときに連絡するので」と言われたので、ある作家さんの帯を探していることを伝え、連絡先を渡して終わり。
で、後日、この帯を別注することができる、という連絡が来たのでその問屋に伺い、結局いろいろあったものの、帯を発注することにした。
(これについても、後日書こうと思う。)
ちなみにこの帯は30ユキチ。
男性Bに対して発注と支払いを終えて帰ろうとすると、別の男性Cが出てきて「〇〇さんが好きなら、今ちょうど着物が入っている」という。
「帯買ったばかりなのでしばらくは何も買えないですね」と帰ろうとすると、「あてるだけでも」と言って反物を幾つかみせられた。
このちょっと前から別の女性が登場しており、着付けのようにして体に巻いてくれるのはこの女性が担当。
「素敵ですね」と言ったのはもちろん社交辞令。
反物巻いてもらって(頼んでないけど)、なんだかんだとおだてられて、ノーコメントというのも大人げないと思ったので。
で、ぴらっと裏返した値札が280万円、とあるのを見てると、男性Cが「うちなら68万円で」と。
買う気はない、というと、「めったに出ないですよ」と。
いやそれ関係ないから。
買う気はない、と繰り返すと、「分割もできますよ」と。
だから違うんだって。
「欲しいけどお金がない」わけじゃないの。
「そこまで欲しくない」の。
ただそれだけ。
相手への礼儀として「素敵ですね」とはいったけど、大して心動かなかったの。
それくらいわかっているだろうに。
ていうか私最初に「しばらくは何も買えない」っていって、あなたも「あてるだけでも」って言ったよね?
その時私がまず思ったのは、
30万の買い物したばかりのただのOLに、直後にさらに70万近くの商品を購入させようとするってほんとあくどい商売するよね。
ということ。
そしてもう一つ、
280万の値札つけてるものを自主的に68万に値引くとか、それもう、値札の意味ないじゃん。
取りなよ値札。資源の無駄だから。
ということ。
別にそれで「わああ280万のものを68万で買えるなんてお得~」とか思わんわ。。。。全く。
むしろ不信感だけ募るわ。
最初どんだけマージン入れてぼったくって販売しようとしてるんだって。
最初の値引きで68万で売ろうとするってことはそれでも問屋の利益は十分とれると見込んでのことなんだろうから、だとしたら着物の普段の価格って何なんだ。
もはや不信感しか残らないわ。
モロッコの市の場末の織物屋とおんなじ臭いがするよ。
「とれるところからふんだくろう」って臭い。
この先進国日本で途上国と同じような値付けするのはやめて、普通に定価つけてそれに沿って販売してもらえないんだろうか。。。何かそうするとまずいことでもあるんだろうか。。。
というのが私の「問屋」に思うところ。
ちなみに最初この280万の値札がついていた小紋と同じ作家の、同じ染め方で柄違いの小紋、その後よく使うネットショップに出てきたんだけど、78万円だった。
やっぱこういうところの値札が如何に適当で資源の無駄かってことがよくわかる。