海と山、時々きもの -85ページ目

海と山、時々きもの

ダイビング記録+きもの試行錯誤の覚書。…だったはずなのに最近は山歩きの記録簿と化しつつある。
23年秋から山のない国に滞在中のため山歩き頻度は低下中。


先週と今週は登山休止期間。
先週は爛れた怠惰な週末だったけど、今週は人生初の岩登りに挑戦してみた。

 
クライミングの経験は、ボルダリングジムに一回行ったことがあるだけ。
その時は一番下から2つ目の級くらいしか登れず悲しい思いをしたし次の日は掌の力(握力?)がゼロになるくらい腕が痺れた。
 
外岩をロープをつかいながら登る、ということがどれくらい難しいのか想像もつかず、高所恐怖症気味で運動音痴な自分に果たしてどれくらい登れるのか、全く登れなかったらどうしようか、とすごくどきどきした。
 

この日登ったルートは3つ。

最初の2つは、緑のロープがかかっているルート。左を2回と右を1回。
最初に登った人の動きを必死で覚えようと思ってたけどいざ自分でやろうとすると頭が真っ白になり、ガイドさんに下からいろいろと指示を飛ばしてもらってなんとか登り終えた。
 
登ってる最中、ちらちらと下のガイドさんを見る時はあったけど、必死なので高度感や恐怖はあまり感じず。
ただ、登り終わって下を見下ろした時は足ががくがくした。
 
3つ目のルートは残念ながら2回チャレンジして2回とも敗退。
怖くて、というよりは、腕が限界だった。
たった3回しか登ってないのに3回目くらいでかなり腕が疲れているのを感じ、この3つ目のルート1回目で腕で体を持ち上げる所で持ちあがらず。
2回目は頑張ってなんとか1回目よりは1歩進んだものの、腕が痺れて体を支えてられず落ちた。
 
初めて岩登りをやって思ったのは、「単独登攀とかやった日には私は確実に死ぬな」ということ。
 
こんな軟弱者のくせに単独登攀とかやりたいと思っててすみません。
いや、今でも諦めてないけど。。
 
今回も、人が確保してくれていると思うから、腕痺れても多少無茶な動きも出来たし、途中でリタイヤしてもおろしてもらえたけど、
これ、1人だったらどうすんの。。。と思う。
しかも今回、人がロープかけてくれたところを登っているだけだけど、1人だったら自分でルートファインディングもしなきゃいけない訳だよね。。。
できるのか、私。
いろいろ足りないものが多すぎる。

この前「北鎌尾根を登りたい」とか書いたけど、たぶん今の私が上ったら確実に死ぬことはよくわかった。
とりあえず夢見る前に、腕の筋力をつけよう、と決意。
ボルダリングに興味はなかったけど、ボルダリングジムに通おうか今少し迷っている。
 
たぶん当分外岩は登らない(その前に腕の筋力つけなきゃいけないと思うので。。。)と思うけど、忘れないよう、以下自分用の覚書。
 
【確保】
・ロック付きのカラビナに確保器を通す。
・ハーネスの正面に①のカラビナをかける。右手で持って親指でロックを外して右から引っ掛ける。
 引っ掛けたら、カラビナの向きを逆(太い方を体から遠い面)にする。
・ロープを折って確保器に通してから、カラビナにも通す。
・カラビナにロックをかける。きつく締めすぎると開かなくなるので、少し緩める(ダイビングのバルブを連想した。全部しめた後に1回転戻す)
・利き手下。ロープを手繰るとき下の手を上に向けたままにする癖があるので、下に向けることを意識する。

【登る】
・エイトノットを作る。
・ハーネスの正面、下から上に向かってロープを通す。
・エイトノットをなぞるようにロープを入れていく。
・通し終わったら、四方を一本ずつ引っ張って締める。
今週末は薬師岳で初の山小屋泊を体験してきた。

自分には珍しく、人との登山。
私が山に興味を持つきっかけをくれて、初めての登山も一緒に登ってくれた先輩との山行だったので、少し緊張した。
またご迷惑をかけることになるのではないか、と。
 
…というわけで、迷惑をかけずに先輩について登るのに必死だったので、薬師岳山荘につくまでの写真があんまりない。
というか緊張していたせいか、悲しいことに薬師岳の記憶というか印象があんまりない。。。
強いて記憶に残っていることを4つあげるなら、①急登、②湿原、③ライチョウ、④薬師岳山荘はきれい、だろうか。
 
①急登
思うんだけど、ブナ立て尾根はわかるとして、なぜ合戦尾根が「北アルプス三大急登」なんだろう。
合戦尾根入れるくらいなら、太郎平小屋から薬師岳山荘に行くまでの坂を入れて欲しい。
折立からは太郎平小屋までは特段急登とは思わない(湿原の登りは直射日光に照らされる中足元悪くてバテたけど)けど、キャンプ場からの延々と続く岩登りというか沢登り+ガレッガレのガレ場登りに、私の脆弱な心はたぶん10回くらい折れた。
 
心を粉砕してくだすった岩場。行きは撮る余裕がなかったので、これは2日目の下るとき。
 

 
あと、薬師岳山荘で力尽きかけていた所薬師岳に登ったんだけど、このザレ場も心を10回くらい砕いた。
どれだけ弱いんだ私の心。
 
②湿原
湿原のある山は好き。八甲田山が好きなのも、8割は湿原が理由。
そういう意味では薬師岳に至るまで何度も湿原や雄大な草原を眺められて素敵だった。
 
ここから、この日のうちに、あの奥の中央左よりに見えている薬師岳のてっぺんまで登ったとか、考えるだけで気が遠くなる。
岩場あり、沢あり、湿原や草原あり、で、私の数少ない登山経験の中では一番バラエティ豊かな登山道を持つ山だったと思う。
なのにこの記憶の薄さが悲しいけど。。。

③ライチョウ
今回特に探した訳ではないけど、3回ライチョウの群れを目にする機会があった。
初回は、薬師岳のニセピークから本ピークへ行く途中。2回目は、薬師岳山荘の脇で夕日を眺めていた時。
3回目は2日目に下山する途中。
先輩が教えてくれたけど、薬師岳は富山県内で、立山に次いでライチョウが多いんだとか。
道理で、あんな農場の鶏かと見まごうレベルで頻繁にそこら辺に現れた訳だ。
 
 
わらわらわら。
 
今回は顔もしっかり見えた。山荘の人曰く、山頂付近にいるのがこの辺りで一番強い群れ、とのこと。

 
これは山荘脇の家族(親+子4)。我ながら写真下手だわ。ウォーリーを探せ状態。

 
④薬師岳山荘
薬師岳山荘では先輩が個室を予約してくれたけど、初めての(そして最後かもしれない)山小屋泊が個室で良かった。
非常に快適。
到着する人のザックでいっぱいになった廊下を通った時に、大学時代、稽古が終わった剣道部が出てきた直後の夏の道場の廊下を思い出した。
まぁ我々だって似たようなものだったと思うので剣道部のことは言えないんだけど。
 
とりあえずあの臭いの中で大部屋で眠るのは無理です、軟弱者ですみません。
 

ああ、あと一つ印象に残っているのがこれ。
薬師岳山荘の階段の張り紙。
 

この右側が東南陵だろうか、と思いながら眺める。
二日目、3時20分に起床。
 
3時前くらいから外ががやがやするので目が覚め、寝直そうとしてもなかなか寝られず。
計画では、4時にはテント撤収を完了して出発する予定だったけど、断続的な睡眠のせいか頭がぼーっとしてもたもたしてしまい、結露をふいたりしてテントも迅速には撤収できず、結局出発できたのは5時前。

4時に出発すればどんなにのんびり歩いても6時過ぎには常念小屋につけるだろう。そしたら下山する前に常念小屋(往復2時間半)を往復して9時に下山開始して、12時には登山口につけるはず。
ほりでーゆまで30分だから、アルペン号に乗る前にひとふろ浴びられるはず、という計画を立ててたけど、出だしから大幅に計画が狂う。

でも、この景色見て、もう、別に常念岳はいいや、と達観モードに半分入ってしまった。
 
せっかくこんなきれいな景色が目の前にあるのにせかせか動きたくない。
夜明け前のグラデーションが素敵で、いつまででも眺めていられそうだった。
 
雲海。
 
これは「モルゲンロート」という奴だろうか?
それとももっと赤い時のことを言うんだろうか?
よくわからないけど、素晴らしく美しいことだけは確か。
 
左に雲海を見、右に槍穂高を見ながら歩き始める。
最・高。
これを眺めながら歩けるのに急ぐ必要があるんだろうか。。。

常念岳はもうこの時点で登る気力を8割くらい喪失した。
5分毎くらいに立ち止まって景色に見とれながら稜線を歩く。
 
私より少し先に出た女の人が立ち止まっているので、槍を撮っているのかと思いきや、「ライチョウの親子がいます」と。
教えてくれて有難う、お嬢さん。。。人生初のライチョウに感激だよ。
遠すぎて岩にしか見えなかったけど、それでも。
 
進行方向右手奥にすごくきれいな形の山があったけど、あれはどこだろう。
地図をみると方角的に焼岳なんじゃないかという気がするけど、自信がない。
 
雲一つない青空で素晴らしかったけど、その分暑かった。
降りてきて振り返ったところ。常念→大天井はやりたくないなぁ。。。私には登りがきつすぎる。
 
常念小屋についたのは7時過ぎで、この時点でもう常念岳は諦めた。
下りはコースタイムだと3時間40分。常念岳は往復で2時間。灼熱の青空の下急いで登って降りるよりも、最後に槍をじっくり見よう。
と、常念小屋の前のテーブルでぶらぶらと時間を潰してから、8時過ぎにタクシーを11時45分に予約してから一の沢へ下山開始。

さよなら北アルプス。。。また来ます。ていうか来週も来ます。

 
暑いのと風のないのとで、一の沢に降りるのにかなりへばり、途中沢で横着して靴を洗おうとしたら滑って左ひざを強打しすごい痣ができた。
痛みに悶絶しつつも、11時過ぎには登山口に下山。
近くに止まってたタクシーの運転手さんに訊いたら、親切にも先に乗せてくれることになったので、11時半過ぎにはほりでーゆに到着し、、さっぱりして今回の大天井岳登山終了。

テント泊、えいや、でやってみたけど、ヘタレ根性なしの私でもなんとか無事終えることができた。感無量。
 
やっぱり山に泊まるっていいなぁ。
苦労して登った後、またすぐ降りるんじゃなくて、心行くまで景色を楽しめるのが素晴らしい。
そして1泊2日だとまだ物足りないというか、まだ上にいたくて後ろ髪引かれる思いがするので、ゆくゆくは2泊3日の縦走とかしてみたいなぁ。。。夢は膨らむ。
当日の朝、5時過ぎの始発バスに乗るために4時45分にバス停になっている駐車場に行ったら既に100mくらいの列ができていて自分の想定の甘さを反省した。
3連休初日の燕岳の人気をなめていた。。。
瑞牆山のように始発のバスに乗れなかったらどうしよう、と若干気を揉んだけど、マイクロバスが6,7台とタクシーが1台来てなんとか全員押し込んで出発。さすが北アルプス。
私の乗ったバスは補助席含めて満員御礼で、運転手さんが無線に「直接行ってもいいよね?」と言っていたので、また別のバスがこの後の停留所を回るんだろうか。
どこにも寄らなかったので、中房温泉登山口には6時前に到着し、6時過ぎにはスタートすることができた。

出発早々渋滞にはまり少し焦ったけど、第一ベンチでだいぶ渋滞は解消された気がする。
そこからは、自分のスピードがあがらず、結構な数の人に抜かされた。
それでも先日の日帰りの時からそれほど遅くない2時間14分で合戦小屋に到着。
 
テント泊装備背負ってるからへばって登れないんじゃ、と思っていただけに、ここで少し安心した。
5分だけ休憩し、空になったポカリを潰して新たなポカリを購入して出発。
結局燕山荘までは先日とあんまり変わらない3時間15分程で行くことができた。

ヤマケイの地図では中房温泉口から燕山荘まで4時間5分なので、自分は一応、1泊程度のテント泊装備を背負っても、元気ならコースタイム内に動くことが出来そうと思われる。
 
前回は霧がかってて視界不良だったけど、本日は御覧の通りの景色で泣きそうになった。
槍さんもくっきり。

 
これこれ、これが見たかったんだよ。青空と燕岳。
やっぱ青空って偉大だなぁ。。。

見えないけどあっちは先週行った烏帽子岳があるはず。

今日は心行くまでこれを眺めながら歩いていいんだ、降りなくていいんだ、と思うと嬉しさで空も飛べそうな気持ちになる。

テント場確保のためにここでも休憩は10分程にとどめて大天井岳に向けて出発。
 
これはどこだろう。蛙岩のあたりかな。
でも事前に予習した時に見た写真では、蛙岩は標識が立っているはずだけど、目に入らなかった。

今でもこれがどこなのかよくわからない。
烏帽子岳の時も思ったけど、私はすぐ疲れて注意力散漫になり、標識が目に入らなくなるようなので、危険だ。
よくよく気を付けないと。

景色の美しさにテンションは最高潮だけど、暑いのと休憩をあまりとってないのとで、だんだんと疲れてくる。
景色は美しいんだけど。。。
 
これからゆく稜線。美しい。
でも、あのはるかかなたに見えるのが目的地の大天井と思うと、気が遠くなりそうになる。
日差しが強いせいか、ちょっとの登り返しもつらい。
さらに、稜線上は風が吹いてまだ気持ちいいんだけど、途中稜線から外れて樹林帯に入るところがあって、無風、強烈な日差し、急登、の三連コンボにやられた。
途中何人もの人に抜かされる。テント泊装備背負っている人をみるととても焦るんだけど、体がついていかないので仕方ない。
まぁまだ午前中だからそんなにテント場いっぱいってことにはならないだろう。と思うしかない。
 
ようやくたどり着いた喜作さんのレリーフ。
 
ここからの最後の登り、つづら折りの坂がきつかった。。。
燕山荘からここまで、抜きつ抜かれつしてきた登山客の男性にここでまた抜かれたんだけど、お互い顔を見合わせて「この最後の坂やばいですね」と苦笑い。
途中で若者グループが休み休み登っているのを見て、「若者がこんだけへばっているんだから、私がへばっていても許されるはず」と変な勇気をもらいながらなんとか登り切り、12時半頃大天荘着。

考えてみれば中房温泉口を出発して6時間半、疲れて休む以外はまともな休憩をとらずに歩きどおしなんだから、そりゃ疲れるわ。。。
テントは結構張られていて、私とタッチの差で先に幕栄手形を取っていった若者もいて、焦った。
トイレ付近の、ちょっと傾斜しているあまり良い場所ではなかったけど、両隣と少し離れていそうな場所を何とか確保。
一応家で設営の予習はしていったのと、幸い無風だったので本体の立ち上げ+フライシート立ち上げまではうまく行ったけど、ロープ張ってペグ打ちするのがなかなか難しく手間取ってしまった。
なめるように読んだワンダーフォーゲルの8月号を思い出し、「本体は垂直、張り網は90度」とつぶやきながらペグを打ったけど、なかなかうまく行かない。

最後は力尽きて張り網を石にくくりつけて終了。
慣れれば5分で設営できるそうだけど、私は30分かかった。。。かかりすぎ。
ワンダーフォーゲルには「フレームの延長線上に張網を固定」と書いてあったので、今見返すとこの左の張り網はもう少し左に持っていってペグを撃ち込んだほうがよかった気がする。

でも、時間かかったしいろいろおかしい所はあるかもしれないけど、とりあえず現地で一人でテントを張れたことに感動した。
そして灼熱の日差しの中のテント設営で、もてる力の全てを使い果たしたので、大天荘にとりあえずランチを食べに行く。
かなりのボリュームだったインディアンランチ。
食後は疲れたのでテントに戻って昼寝でもしようと思ったけど、灼熱無風地獄でまるでサウナのようなテントで寝られるはずもなく、辺りを散歩することにする。
あの前のほうにテント張れた人達うらやましい。槍が目の前に。
テントは結局、本来のテント場をはみ出して夕方には小屋の入り口近くまでいっぱいになるほどの盛況っぷりだった。
 
大天井岳に地図とカメラだけ持って登る。
 
今日来た燕岳からの道のり。頑張ったなぁ。。。としみじみ。
もっと早く歩ければもっと良い所にテント張れたのかもしれないけど、初めてのテント泊装備かついでの登山にしては頑張ったほうなのではないだろうか。と自画自賛。
 
あっちは明日行く常念小屋方面。あの真ん中の突き出ているのが常念岳だろうか。

逆光の槍ヶ岳。

いつかあれを北鎌尾根から登ってみたい。
と思っているけど、たぶん殻を被ったひよこレベルの初心者である私がこんなことを人に言うと馬鹿にされるので言わない。
後、今そんなことをすれば遭難まっしぐらなのは一応自覚しているので、とりあえず体力をつけ、ルートファインディング能力と地図読みの能力を身に着け、誰もいない所でも1人でビバークできるだけの度胸を身に着け、登攀技術を身に着け。。。とやるべきことはたくさんある。
 
やるべきことリストを数えながらこの日は就寝。
夜10時頃、風の音がすごくて目が覚めて後はうつらうつらしては起きる、ということを繰り返したけど、一応快適に寝れはした。
大天井岳に行く、と決心してから前泊のため近辺に宿を取ろうと思ったけど、前回取ったホテルは既に満室。
どこも空いていない。
駅からは少し離れるけど、唯一1部屋だけ空いていたホテルを見つけ、これ幸いと予約をした後に、駅からどうやって行けばいいかな、とグーグル先生にホテル名を入れた。
 
ところ、予測変換で出てきた文言が
 
「〇〇ホテル 事件」
「〇〇ホテル 心霊」
「〇〇ホテル 幽霊」

・・・やっちまった。
 
この蚤の心臓の持ち主、世界チキンハート選手権があれば表彰台入りは確実のビビりな私にあるまじき失態。。
ホテル名検索してから予約かけるんだった。

もうキャンセルもできない。
っていうかキャンセルしたら泊まるホテルが。。。
始発のバスには必ず乗りたい。何せ大天井岳まで行ってしかもテント場所確保しなきゃいけないんだから。。。
というわけで諦めて泊まることにしたけどおかげで(?)初のテント泊の不安やら何やらは頭から全て吹っ飛び、このホテルで一夜をどう過ごすか、という不安のみに占められるようになった。
 
当日、「あずさ」の中では努めて何も考えないようにしていたものの、前回来た駅で降りたった瞬間からどきどきし、真っ暗な中、遠く山のほうで雷がぴかぴか光るのを見ながら街灯の殆どない道を行く。
もうこれ、「出る」にはうってつけの夜じゃないか?などと不安がマックスになったところで明るい幹線道路にぶち当たり、ちょっとほっとしてホテルに到着。
これだけ大きな道路の横なら夜もある程度車通りはあるし心細くはないだろう。
 
「いらっしゃいませ!」とものすごく感じの良いフロントのお兄さんにもちょっと安心する。
これが怪異を語りだしそうなおじいさんとかだったら心臓に悪かった。
 
(あ、これならいけるかも)とちょっと安心したところ、お兄さんが「〇〇〇円で予約されていますね?」と。
はい、といったところ、お兄さん、笑顔で
 
「お値引きさせて頂き、〇〇円になります」
 
・・・。
 
・・・なんで?
 
その値引きって何に対しての??
あれか?精神的苦痛とか恐怖料ってことか?
 
「その値引きは何に対しての値引きなのですか?あれですか?その部屋は『出る』ってことですか?」
 
とお兄さんの両肩を掴んで揺さぶりたい衝動に駆られたけど、生粋のチキンハートな私にそんなことできるはずもなく、有難うございます、とへらっと笑うしかできなかった。
つくづく悲しいこの性格。
 
と、チェックインする前から恐怖で死にそうになったけど、結論から言うと何事もなく(強調)快適に一夜を過ごせた。
部屋の電気半分つけてたけどね。まぁね。これはいつもだから。
ホテルではそうしないと寝られない。
 
朝4時半前にチェックアウトしたら登山客っぽい人達が他にも出ようとしてて、割と登山の前泊ではよくつかわれているのかもしれない。
というわけで、全室確認したわけじゃないけど、このホテルの名誉のために、フロントのお兄さんもとても感じよく、チキンの私も快適に一夜を過ごせた、という事実だけ記しておく。

松本駅からの夕焼け。
これを撮りながら、今夜の宿の恐怖に震えていた。