週末は雪山講習。
土曜は人生初のアイスクライミングで膝を強打し、日曜は息も絶え絶えになりながら冬の阿弥陀岳北稜を登った。
去年の1月末、初めて雪山講習を受けて赤岳に登ってから、1年経った。
色々ならったはずだけど、基本的にものすごく天気の良いトレースもばっちりついている日にしか雪山を登らないので、もはや色々習った技術も全て忘れている気がする。
もう一度習いたいし、できればもう少し難しい雪山に挑戦してみたい。
そう思って、同じ教室の阿弥陀岳北稜の講習に申し込むことにした。
1日目に赤岳鉱泉で講習、2日目に実践山行、というスタイル。
天気は良い。風は少し強いけど八が岳でこれくらいの風は珍しくないだろうし、今回はバリエーションルートとはいえガイドさんに引率されての登山なので不安はない。
(ついていけるか、という不安はある)

1日目は素晴らしい天気。赤岳鉱泉に向かう途中、横岳の雪煙が青空によく映えた。

今年二度目ましての赤岳鉱泉。
なんかもう、この雪煙を見られただけでも来たかいがあった。。。

今回、初めてアイスクライミングを経験させてもらったけど、ほんと、クライミングの才能というかセンスがなくて結構凹んだ。
4人の受講者の中で、頂上までたどり着けなかったのは私一人だけだった。
クライミング自体が初めてという人もすいすい頂上まで行けてたのに。
その上、勢いつけて足を蹴り込もうとした時に氷のコブに膝を強打して悶絶した。
何度も教えてもらったら最後のほうは少し楽に登れるようになった気もしたけど。。。やっぱり私のようなどんくさい人間はクライミングだけはやめておこう、と思った。たぶん死ぬ。
やや凹みながら、赤岳鉱泉のステーキを噛み締めて、就寝。

今回は食堂の上の個室だったおかげか、週末で大入りだったおかげか、全く寒さを感じることなく眠れた。
2日目は6時出発。
やや雲が多く阿弥陀岳はうっすら。

前日風が強かったせいか、雪(霜?)のついた林がきれいだった。

行者小屋を過ぎて文三郎に行く途中で、中岳沢方面に入る。
中岳沢は雪崩リスクがある(実際に大きな事故があった)と聞いていたのでどきどきするものの、真っ白で人の気配のない沢は美しかった。
横に見える赤岳はまだ暗い。

北稜に登るには途中で右に逸れて、木々の間を登っていく。これが結構ハードだった。

なんかもう体感としてはここで落ちてもおかしくないくらいの急斜面だった気がするし、ガイドさんがトレースつけてくれるものの、結構深くて、それを踏むだけで息がきれた。
というか全体的に岩稜以外も北稜は急角度でハードだった。。。無我夢中であんまり覚えていないけど。
ぜえはあいいながら途中でふと左をみたら、沢の下で我々を抜かしていったソロの人が一人で中岳沢を登ってるをみてすごいなと思った。
今日の雪であれば雪崩の心配はない、と判断してのことだと思うけど、チキンハートofチキンハートな私には無理。。。
第一岩峰の手前。美しくてほれぼれする。

第一岩峰手前で後ろを振り返ったところ(だったはず)。
・・・やっぱ改めてみても第一岩峰登る前に結構ハードだった気がする。。。もうこの時点ですでにへろへろだった。

第一岩峰。

この写真にうつっている右端のほうから登った気がする。
そんなに怖くなかったけど、それはロープで確保してもらっていると思うからであって、これをロープ無で一人で上がれるかというと、うーん。。。?
登る時に「もうちょっと右のほうが楽だよ」とガイドさんにアドバイスしてもらったけど、いや、右は足滑らせたら真っ逆さまで怖い。。。
プロの言うことなんだからきっとそっちが正しいと思うけど、ずぶの素人の私としては、真ん中を登りたい心境だった。。。
(そうやって無理する奴が落ちるのかもしれない)
第一岩峰登り切ると割とすぐ第二岩峰。

こちらのほうが急角度だけど距離は短い、とのこと。
我々がこの日北稜を登る最初だと思ってたけど、第二岩峰前に出たら、前のパーティが登っているところだった。
そして順番待ちをしている間に後ろに3組くらい並んでいた。
北稜、大人気。
第二岩峰、どうだったかな。。。なんか記憶がない。。。
唯一覚えているのは、登り切ったところでのナイフリッジでフロントポインティングのトラバースしてたら、足を滑らせたこと。
三点支持してたからロープにぶら下がるようなことにはならなかったけど、ヒヤリとした。
後ろのナイフリッジを振り返る。こう見ると、ナイフリッジ渡った後にもう一段急登があったんだな。
山頂へと続く道。なんかもう胸がいっぱい。。この青と白が見られただけで頑張って登ってよかった、と思う。

霧氷から飛ぶ雪煙がほんと美しかった。

ちなみに私はこれ、ずっと「ゆきけむり」だと思ってたんだけど、今回ガイドさんに「せつえん」だと教えてもらった。
恥ずかしい。
横岳方面がすんばらしく美しい。
この日赤岳に行った組は風で転がる人が続出する位の強風だったらしいけど、ここからはわからない。

阿弥陀岳方面は風は強かったけどよろめくほどではなかった。
ちなみに気温はそれほど低くなかったはずなのに、強風のせいかカメラはこの写真を最後にご臨終なされて頂上ではスマホ写真のみ。
(地上に降りてきたらカメラ復活した)

頂上でガイドさんと、同じパーティのもう一人の人とがっちり握手。
有難うガイド先生。。。ここに連れてきてくれて有難うございます。。。
有難うもう一人の人。。。へろへろの私に後ろから激励のお言葉をかけて頂き有難うございます。
(ちなみにこの人は私より結構年上だと思うけど、帰りに半分屍になっている私を横目に「中山展望台にちょっと寄っていきます」と行って軽やかに寄り道していった。すごい)
大好きな横岳方面をもう一度。

降りる時は一般ルートを降りたけど、これ、今回確保してもらってたからいいものの、確保なしで降りると思うと気が遠くなりそうな体感垂直っぷりだった。。。
一日目の講習で教わったことを全部使った。
ピッケルを叩き込む。片足の前爪蹴り込んでしっかり体重載せてから、もう片足を大きく伸ばして下す。ピッケル叩き込む。前爪蹴り込む。体重載せる。もう片足を。。。の繰り返し。
そしてそれが結構長い。
うまくけり込めないところや、ピッケルが刺さらないところもあって、ここでも体重掛けた片足がずるっと落ちかけてひやりとしたことがあった。
前向いて降りられるところも結構雪が深かったりして、ようやくほぼ平なところに降りたときには心底ほっとしたし、もうへろへろが極まってた。
これから中岳を超えて文三郎の方に行くのはきついな、と思ってたので、ガイドさんが中岳沢を降りる、といったときには雪崩を恐れていたことも忘れてほっとした。
…といっても中岳沢も思ったより体力を消耗したけど(二十三夜峰の時のようにまた嵌って足が抜けなくなった)。
行者小屋近くの誰かのお茶目の後。
同じように飛び込む元気はもはや残っていなかった。。。

阿弥陀岳の北稜、岩峰以前の登りがハード過ぎてへろへろになったし、一般道の下りは怖かったけど、楽しかったな。。。
ピッケルを「叩き込む」、アイゼンの前爪を「蹴り込む」という感覚。
ピッケル持っていない方の手も雪に突っ込んだ。そうしないと落ちる、と思うところだらけで、必死だった。
全身を使って登って降りた、という感覚がある。
それがとても疲れたけど、同じくらいとてもぞくぞくした。
しかし、登る前は「講習受けたら今度は一人で行こう。岩峰をソロで登った人達もいるようだし単独でも行けないルートではなさそう。やはり山は一人で登ってこそ」と思ってたけど、今はこう思う。
まだ死にたくないからやめておこう、と。
静かで真っ白な中岳沢を登るのは素敵だったけど。。。岩峰を登るのも楽しかったけど。。。
登りも気が抜けない所だらけなうえに、下りもな。。。
ガイドさんも、事故は大抵この一般道を下るときに起きるんだ、と言っていた。
今回の阿弥陀岳北稜、全身を使って山に登るのはとても楽しい、ということを学んだけど、私はもう少し色々な山を楽しみたいので、ここを1人で登るのは当分先で良い。。。























































































