ついにやってしまった。雪山テント泊。
やっぱり諦めきれなかった。

ほんとどうかしてると思うけど、雪山に関しては気になりだしたら止まらない。
今週末、土曜日は万全とはいいがたい天気だし、日曜の天気が悪化するのはわかっていたけど、風は殆どないようだし、天気もお昼すぎまで持つならば大丈夫だろうと思って決行することにした。
さすがに今の50ℓのマウンテンハードウェアでは厳しそうだったので、60ℓのカリマーのアルティメット60を購入。
天気予報を横目にうきうきしながら装備を詰め込んだ。

水曜くらいまでは、日曜午後から雨、の予報。

しかしその後みるみる天候悪化が早まる。
出発前日の金曜日には、ついに、日曜日の太陽マークはほぼ消えた上に、雨の降りだす時間は9時に早まっていた。

なかなか厳しそう。。。でも自分でもおかしいと思うんだけど、何かに憑りつかれてるレベルで行きたい。
2日目に五竜の山頂が難しいなら、1日目に行ってしまおうか。。そういう人のレコも何個か読んだ。できないことではない。
でも、土曜の気温は10℃。気温が一番高くて雪が緩んでそうな午後の時間に白岳の斜面を登るのは大丈夫なんだろうか?
ここしばらく降雪はないけど、それで雪崩は起きないと安心していいんだろうか。
それに万一登頂が遅れたら、ヘッデンつけて下山することになる。
ヘッデンつけるのが五竜山荘より下だったらいいけど、山頂から降りるときにヘッデン必要な状態になっていたら?
結構怖い雪壁の下りや足滑らしたら数百m滑落間違いなしの斜面トラバースがあるらしいけど。。。
そんなとこ初めてで、しかもへろへろの状態で安全に降りられるのだろうか?
やっぱり2日目に登ったほうがいいのでは。。。早めに出発すればいけないことはないのではなかろうか。
西遠見を3時半に出発するとして、6時過ぎには頂上に着くだろう。そこから9時前に帰ってきてテント撤収すれば。。。
でもそうしたら雨の中テント撤収してあのアップダウンのある遠見尾根を雨に打たれながら帰ってくることになるな。。。それはやだな。。。
もう少し出発を早めれば。。。でも夏は登ったことはあるとはいえ冬は初めての道をヘッデンの明かりだけ頼りに登るのも。。。しかも視界が悪かったら白岳の端に寄り過ぎて雪庇踏み抜いたりするかも。。。
さらに、予報より早く雨が降り出したら山頂に着くころに既に霧で辺りが見えなかったりする可能性だってある。
と悶々と考えていたせいなのか、金曜日、まさかの最終あずさ乗り遅れ、というポカをやらかした。
真っ青になって検索したところ、新幹線で長野に行き翌朝バスで五竜に行くことなら出来そう。
しかしこれだと、松本から始発で神城に行くより、登山開始が1時間以上も遅れる。
早速厳しい戦いになった。。。というか1日目五竜、の線はこれでほぼ消えた。
まぁ、松本経由だと、深夜着6時前発で4時間くらいしか寝られないし、それに比べれば長野経由だと7時間は寝られる。
その分元気に動けることになった、と思うことにしよう。
…と思って急遽予約した長野のホテルで快適に横になったものの、あずさ乗り遅れという初の失態に動揺していたせいか、それとも初のテント泊に向けた不安が今頃出てきたのか、目がさえて殆ど寝られなかった。。
大遠見や西遠見に、テントを張れるスペースは見つけられるだろうか。。。
日曜日の天気が良くないからそれほど人はいないと思うけど。。。
テントを張れたとして、トイレ問題をどうしよう。
あんまり人のいるところだとやだな。。。
携帯トイレは2つ持ってきてるけど、あんまりテント前に設置したくないし、そんなところに設置して近くに他のテントがあった日には、明るいうちはトイレに行けない。。。
でも雪山でトイレに出かけて亡くなった人が何人もいる、と赤岳のガイドさんが言ってたので、あまりリスキーな所にトイレを設置したくない。。。
人が全くいなかったらそんな心配もいらないけど。。。でも1人で行きたいと思う癖に、全く1人というのも怖い、という矛盾した恐怖がある。
人他にもいるかな。。。
全く1人だったらどうしよう。
トイレ問題でぐるぐるとひとしきり悩んだ後は、他に人がいるだろうか、という問題でまたひとしきり悩む。
テント泊は初めてじゃない。
でも今までのテント泊は全てテン場。周りにはたくさんのテントがひしめいていた。
この怖がりの私に、人がいない山の中で1人テント泊とか、無理なんじゃなかろうか。
という今更な不安がこみあげてくる。
何せ、先日、赤岳鉱泉でお客さんが自分含めて2人と知った途端に、広大な赤岳鉱泉が怖くなって夜眠れなかった生粋のチキンハートである。
遠見尾根で1人とかになった暁には恐怖で倒れるかもしれない。
頭の中にはブレアウィッチプロジェクトや恩田陸の「MAZE」が浮かぶ。
いずれも共通するのは、「テント泊での恐怖」という点。
ブレアウィッチプロジェクトは内容はよく覚えていないけど、「怖い映画」として心に深く刻み込まれている。
「MAZE」は、内容は全て忘れたけど、該当の箇所のページをめくった際に口から心臓が飛び出そうになったことだけはよく覚えている。
本を読んであんなに吃驚したのは人生初めてだった。
映画と本に加えて、つい先週会社の本屋で立ち読みしたヤマケイの小説も頭の中によみがえってきた。
…よりにもよってチキンが一念発起して雪山ソロテント泊をしようとしているときに、何であんなのをヤマケイさんは載せてくれちゃうのか。。。
と完全に八つ当たり思考。
いや、いいんだ。わかってる。。。ああいうのは全て作り物。
実際に山で亡くなった人がいたとして、生きてる人に対して悪さなんかしない。そういう想像をすることが失礼だ。
…と自分に言い聞かせるも、恐怖は消えてくれない。
これまで、「雪山テント泊して五竜を登りたい!」というテンションだけで来ていたのが、急にここに来て不安がこみ上げてきたことに我ながら驚きあきれる。
結局、殆ど眠れないまま、眠れなかったことに対する絶望と、そこまでして考えたのに全く消えてくれなかったテント泊への恐怖を抱えたまま、翌日8時20分、長野駅発白馬行きのバスに乗り込んだ。










































































