朝7時前に尾白川渓谷駐車場に到着したら、結構登山者がいて吃驚した。
ツアーっぽい団体さんもいる。
(この後神社で顔が見えて小屋オーナーの花谷さんのツアーだと知った)
ツアーのガイドさんらしき人が他の登山者に「ワカンたぶんいらないよ」と言っているのが聞こえて、ぐぐぐ、となった。
小屋情報や最近のレコを読んでワカンは不要そうにも思ってめちゃめちゃ迷ったんだけど、結局「備えあれば。。。」と思って持ってきた。
けど、失敗だったか。。。
しかしタクシーで来ている私には、駐車場にデポすることもできない。。。仕方ないので小屋まではそのまましょってくことにする。
まぁ、修行だと思おう。。。
夜にいきなり出くわしたら泣く(ごめん、君に罪はないんだけど)。

神社で何かを解説しているツアーのお邪魔にならないようにこそこそと脇を通り抜け、お参りする。
どうか前回のリベンジをさせてください。そして無事に登って降りてこられますように。
懐かしいなぁこの景色。

前回もこの頃はわくわくしていた。

橋の上から尾白川を眺めながら前回ここを通ったときの事をしみじみ思い出す。
あの夏の黒戸尾根は私にとって、アカウシアブとA氏に彩られた暗黒の記憶だった。
だから今回、どんだけばてようが、何にも追いかけられず、誰にも同行されず、心穏やかに1人で登ることが出来れば私の黒戸尾根登山はもう8割くらいリベンジ完了、という気分。
贅沢をいえば、山頂からの景色が見たいけど。。。
登りはじめは全く雪がない。

登り始めてすぐ、今回サポーターを持ってこなかったことに気づき、不安になるも、枯葉がふかふかなのでそこまで足へのダメージはなさそう。

少し雪が出てきたと思ったら、

また雪のない道に戻る、ということをしばらく繰り返す。

7時にスタートしたんだから、どんだけばてようが16時には小屋に着くだろう。
今日は小屋入り以外はすることないから、ゆっくり自分のペースで登ろう、と思っていた。
序盤は穏やかな上り坂のせいか、そこまで息は切れない。
あと、振り返るとこの景色でもうこれだけで胸がいっぱいだった。

めっちゃ天気良い。めっちゃ景色良い。
前回真っ白で何にも見えなかったけど、そうか天気良い時はこんな眺めになるんだなあ。。。
隣の日向山(?)もよく見える。

虫もいないし、葉っぱ落ちてて眺めも良いし、冬の山は最高だなやっぱ。。。
結構雪が出てきたけど、登りだし、笹の平までは何にもつけずに進んだ。


八が岳かな。最高だ。

笹の平のちょっと手前辺りではるか前方に白い山が見えた。
まさかあれが甲斐駒か。。。と一瞬気が遠くなりかけたけど、気のせいだと思うことにする。

笹の平分岐到着。
私のようなヘタレの心を抉る看板「甲斐駒岳:7時間」。

まぁでも駐車場からここまでコースタイム内で来られてるので、今のところペースは悪くない。

できるだけ息を乱さないようにゆっくり一定のペースで歩き、1時間に1回は5分程休憩と水分補給をするように心掛けているおかげか、そんなにしんどくもなくて、ほっとする。
今日に備えて今週はできるだけ6時間寝るようにした(3日くらいは達成できた)し、コンディションはきっと良い。
登れるはずだ、と自分に暗示をかける。
この笹の平分岐でチェーンスパイクを装着した。
駐車場は盛況だったとはいえ、夏のようにトレランナーさん達もいないし登山者は非常に少ない。
そしてアカウシアブもいない(重要)。
静かって素晴らしい。
展望が良いって素晴らしい。
繰り返し喜びを噛み締めつつ登る。

道は高速道路並みに踏み固められていて歩きやすい。
黒戸山辺りで若干柔らかくて危ないな、と思うところもあったけど、大体道中こんな感じだった。

あーこの場所記憶にある。
2年前は下山時にここでついにキレてA氏に「先に行ってください」って言ってしまったんだった。。。

懐かしいな。。。A氏、さんざん言ってごめんなさい。
あなたはきっと社交的ないい人なだけでしょう。
私も山小屋や休憩中に色んな人と話をするのは好きです。
でも登るときはひとりが好きなんです。
だからあの黒戸尾根の記憶もあの後しばらく来た「一緒に登ろう」LINEも私にはめちゃめちゃストレスでした。
たぶんタイミングも悪くて、あの年の冬に会社で同じような事があって、隙あらば遊ぶ機会を求めようとする男性に反吐が出そうになってたんで、そのせいもあるかもしれません。
ここら辺の記憶は全くない。こんなのあったっけ。。。

たぶんここら辺、登りは「スズメバチに刺された」と思い込んだショックを引きずりザックの重さにへろへろになりながら半べそで歩いていた気がする。
ここは何となく覚えていて、いよいよ刃渡りかな、と気合を入れる。

刃渡り

からの眺め


最高やん。。。
前回ほんと真っ白で何にも見えなかったから。。。しつこくて申し訳ないけど。
こんなに眺めいいんだ。。。もう感動しかない。
刃渡り過ぎた辺り。。。この辺で確かA氏と出会った気がする。。。

ここまでずっとチェンスパで来ていたけど、刃渡りと刀利天狗直前の梯子(梯子と梯子の間の雪の部分)が下りがチェンスパだと怖いな、と(私は)思ったので、帰りはここはアイゼンつけよう、と思った。
刀利天狗直前の梯子(と梯子の間)。

刀利天狗。

誰もいない。1人で静かに道中の安全をお参り。
1人最高。
この後黒戸山を横切って五合目小屋跡に下る。
この登り返しがめちゃめちゃきつかった記憶がある。
帰りにこの五合目小屋跡から黒戸山に登ることを考えると今から憂鬱。
しかし五合目小屋跡からのこの景色の素晴らしさよ。

前回ほんとに真っ白で(以下略)。
この辺りから梯子祭り。

梯子again。

again and again...

結構怖い。
後ろの景色は素晴らしいんだけど足元が怖い。

こういう所来ると思い出すんだけど、私たぶん高所恐怖症なんだよな。。。
下とか周りとかみると足がすくむと思ったので、周りのことはできるだけ考えないようにして登った。
鎖さん、私にはもうあなたしか見えない。
視界の右端に切れ落ちてる谷底が見える気がするけど気のせい気のせい気のせい。

五合目小屋跡までは快調だったものの、小屋跡でアイゼンに履き替えたせいか、それともこの辺りから梯子祭り+急登の連続だったせいか、息が切れまくり、5歩歩いては休憩、みたいな状態になった。
それでも何とか道中の素敵な眺めに励まされ、七丈小屋到着。
スタートから7時間。
コースタイムはまぁひとまず置いておこう。
とりあえず私は声(とフォント)を大にして言いたい。
ひとり最高。