連休、霞沢岳を断念する代わりに、日帰りで厳しめの登山をしたいな、と思った。
厳しめ・・・自分に厳しい登山。
この前の前白根や赤岳みたいに、ちょっと雲が出てきたり風が強くなったり視界が白くなったりするとビビりまくり尻尾を巻いて逃げ出したくなるこの軟弱な精神をどうにかしたい。
誰もいない山で1人強風に耐えながらびくともしない、それくらいの心持ちになりたい。。。
そう思って選んだのは茶臼岳。
公共交通機関ユーザーにとてもフレンドリーなアクセス。距離もさほど長くない。
朝日岳まで行けばちょっとぞくぞくするところもありそう。
そして何より天気があんまり宜しくない。(曇り&風速10~13mの予報)
これならちょっと修行登山になるかな、と思って茶臼岳~朝日岳に行くことにした。
・・・が、想定外なことに、当日が近づくにつれて天気予報がどんどん改善していき、当日の朝はこれ。

なんと、太陽まで出る予報。風速も数m台に落ちてしまった。
「自分を鍛える登山」がしょっぱなから崩壊しかけるのを感じつつ、新幹線で那須塩原に到着。
大丸温泉行のバスはそこそこ人が並んで、立つ人こそいなかったものの、満席。
上毛高原駅での谷川岳行きのバス並みではないけど、天気の良い日は結構混みそうだ。。。
1時間ほど揺られて大丸温泉に到着。
降りたところのトイレ右横にあるこの階段からスタートする。

私はご飯を食べたり身支度したりして9時半頃とゆっくりめの出発だったけど、バス着の人々も含め既に結構な人がこの階段を登っていったのが見えた。
ワカン持ってきたけど、デポしていこうか迷う程の人の入りっぷり。
案の定、道は高速道路並みに踏み固められててワカンの出番などどこにもなさそう。

まぁいいや。今日は修行登山だから。。。ちょっと重りを担ぐと思って持っていこう。
・・・修行登山の割にはめっちゃ天気良いけど。

・・・まぁWindyちゃんでも9時頃は太陽見える予報だったしな。。。
これから太陽が隠れて真っ白くなったら、そこから今日の本番、震えるチキンハートを抱えての修行登山の始まりになるだろう。

数十分歩いて噂の鳥居の所まで到着。
ほぼ埋もれかけ。

ここまで殆ど風もなく暑いほど。
全然写真に収められていないけど、薄曇りの太陽に輪っかが出来ていて綺麗だった。

なだらかな道をひたすらてくてくと歩いていく。

ひたすら。。。

なんかひたすら歩いてるうちに前方に小屋みたいなのが見えてきたけど、あれがまさか峰の茶屋だろうか。

・・・そのまさかっぽい。

なんかすんごいあっさりついた。
登山というか歩いてるうちに着いた。
この上のトラバースの所だけ、チェンスパかアイゼンつけるかやや迷ったけど、近づいたらはっきりと道が出来ていたので、結局峰の茶屋までアイゼンつけずに登った。
ここまでくると確かに風がちょっと強い。
しかし視界はクリアでこんなに遠くまで見える。

海の水平線みたい。

今のところ全く修行登山になるどころか、完全にゆるふわ登山。

剣が峰に人が登っているのが見えるけど、まずは身支度して反対側、茶臼岳を目指す。

茶臼岳までならアイゼンなくてもいけそうだけど。。。
風は今のところ弱いけど、いきなり強風になって吹っ飛ばされたりしたくないので一応アイゼンはつけた。
ピッケルはいらなさそうなので引き続きストック2本をフル活用。
ここまで割と楽勝だったのに、ここからちょっと登り角度が急になったくらいで途端に息切れしだして、そんな自分にいらいらした。

この前先輩と登っている時に「割とすぐHPゼロになってるけど不死鳥の属性でもついてるの?」と言われたことを思い出す。
そんな便利なものがあったらお金出してでも買うわ。
蘇ったりなんかしてないんで。
HPゼロのままぜえはあへろへろと登り続けてるゾンビなだけなんで。
しかし毎週末、こうやってゾンビになりながら必死に登ってんのに私はなんでゾンビのままなんだろう?
飽き性で怠惰な自分にしては割と頑張って毎週毎週必死こいて登ってるつもりなのに、全然体力ついてないのはなんでなんだ?
去年に比べて5キロ太ったから?
ジャンクフードしか食べてないから?
睡眠時間が短いから?
何が悪いんだろう。。
どうでもいいことを考えつつ、ぜえはあと必死で登る。

やっと頂上についた、と思ったら向こう側が頂上で絶望した。

まぁ景色がきれいだからいいんだけど。。。

出発から2時間、茶臼岳到着。
茶臼岳までならアイゼンなくてもいけた気がする。。。

こちらの方は噴煙(?)というかガスが時たま上がっていてビビった。

ここに来て言うことではないんだけど、私火山怖いんだよな。。。

まぁ日本でそんなこと言ってたら登れる山がなくなるし、八甲田山には登りまくってるのでこの恐怖がおかしいのは自分でもわかってる。
あんまりガスの近くに長時間いたくなかったし朝日岳にも上らなきゃなのでそそくさと下山開始。
下りはあっという間だった。

さて今度はこちら。手前が剣が峰。奥がたぶん朝日岳?
ここからは一応、ストックを1つ仕舞って代わりにピッケルを取り出す。

剣が峰の巻き道には足跡ついてて、一瞬自分もそっちに行くか迷った。
いつか西穂高を西尾根から登ってみたいんだけど、映像を見る限り結構急な雪面を長くトラバースする所がある。
その恐怖の予行演習になるかな、と思って。。。
しかしまあ初めてだし、せっかくの剣が峰、最初は登ってみることにする。

私の前にスキー板をかついで登っている人がいて、剣が峰の山頂(?)でスキー板を履いていた。
ここから滑り降りるのか。超気持ちよさそう。
ジェットコースターが苦手な自分には絶対無理だけど。
割とあっさり剣が峰到着。

朝日岳方面の登り返しがすごくてもうここから引き返そうかと思った。

人が豆粒のようだ。。。あんなに降りるなんて聞いてない。
心を無にして降りて登り返したけど、さらにまた登り降りがあって、ほんとにもう引き返そうかと思った。
・・・もう帰りたい。

風が結構出てきてそのせいかサングラスが吐く息で曇るのも帰りたさを加速させる。
サングラス曇るのほんとどうにかしたい。
ちょっとずらしたりとか、口だけで呼吸して息を下に細くはくようにとか、色々試してみたけどうまく行かない。
テンションがた落ちになりながら、惰性で進む。

なんかこれ超えたら噂のトラバースの予感がしてちょっとテンション浮上。

やっぱり。


これは帰りに撮ったけど、たしかに茶臼岳ー朝日岳の間で唯一気を遣う箇所だった。

文三郎尾根の気を遣うトラバースに似てる。
ただしこの日ははっきりと道がついていたので足元注意してピッケル刺しながら進めば特段怖いと思うようなことはなかった。
ここを超えたところの登りがまた急で、いつものごとく5歩(休み)5歩(休み)となりながら、半ば心折れながら到着。
ここが朝日岳であってほしい、と祈りながら。

まぁ違うよね、知ってた。

朝日岳、あれかあ。。。

地図によると往復15分だけど。。。
しかし時刻は既に引き返す目安にしていた13時になっている。
せっかくここまで来たんだから行こうかちょっと迷った。
へろへろで往復したとして13時30分には帰ってこられるだろう。
ここからあの避難小屋の前までは地図では30分だけど、へろへろの私が複数の登り返しをそんなに早く登れるとは思えないから、45分みるとして、14時15分。
そこから下るのにコースタイム70分だから、まぁ15時半には降りてこられるだろう。16時の最終バスには間に合うはず。。。
朝日岳の方から1人帰ってくる人、今から朝日岳の方に1人向かおうとしている人が見える。
これから朝日岳に向かったら、きっと私が最後だ。
風は少し強くなってきている。
あの人達がいなくなってこの山域に自分1人になったらきっと心細いだろう。
でもそれでも動じないで余裕の精神で下山できるようになりたい。
今日はそのために来たんだろう。
・・・でも最終バスまでのバッファー30分か。。。どうだろう。。。危ないかな。。。
・・・としばらくうんうん迷い、そして結局、今回は「ここを今日の山頂とする」ことにした。

・・・「自分に厳しい登山」どこいった。
最終バスまでの時間が気になっていたのは事実だけど、それは自分への言い訳で単にこの山域で1人になる勇気が出なかっただけのような気もする。
ほんと蚤の心臓だな、私よ。。。
おまえなんてただの登れないヘタレチキン豚野郎だ、と心の中で悲しく呟きながら下山開始。
帰りは避難小屋でアイゼンを外し、途中から半分滑るようにして降りてきたら、予想外に早く下山できて14時半にはバス停まで帰ってこられた。
。。。これなら余裕で朝日岳に行けたのでは、とちょっと後悔。
終始天気も良かったし、その癖風がちょっと強くなったくらいでビビってそして結局時間を言い訳にして朝日岳断念して帰ってきてるし、これじゃ何しに行ったのかわからない。。。修行登山、完全に失敗。
もっと、さくさく登れる体力もだけど、強い心が欲しいなぁ、とやや凹みながら山行終了。