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海と山、時々きもの

ダイビング記録+きもの試行錯誤の覚書。…だったはずなのに最近は山歩きの記録簿と化しつつある。
23年秋から山のない国に滞在中のため山歩き頻度は低下中。

今の家で暮らし始めてからもうすぐ8か月になる。

事ある毎に「家買って良かったな」と思う。

駅まで殆ど歩かないし職場に近いし何より山に行くのに便利なのがいい。

部屋も文句のつけようがない。眺めが最高だし、漆喰も塗ってもらってよかったとしみじみ思う。

 

大変に満足していたんだけど、最近ふと、「壁を飾りたい」という欲がふつふつ湧いてきた。

センスもないしあんまりごちゃごちゃかけるのは好きではないけど。。。

特に廊下の壁が少し寂しい。。気がした。

 

最初は絵を飾ることを考えたけど、廊下なんてあんまりじっくり立ち止まるものでもないし、もったいない気もする。

それに、我が家の廊下の壁はネコチャンの額ほどのスペースしかない。

絵をかける分だけ圧迫感が出る。

 

ウォールデコを飾ることも考えたけど、飽きが出た時が怖い。

漆喰に模様つけて塗ってもらってるから自力では穴が隠せない。

 

と悶々と考えた末に、一輪挿しを飾ることに決め通販でぽちっとやったのが今日届いた。

 

まずメジャーで真ん中を測り、画鋲を刺し、

 

一輪挿しを飾る。

 

まぁ圧迫感はない。。。しかしあんまり前と変わらない気もする。

 

 

画鋲は小さめの真鍮の虫ピン。

可愛いけど少し短いので、落ちてこないかやや不安。

 

花をもさっと入れたら落下しそう。。。

 

花はまだ入れていないけど何をどう活けようかは悩む。

もともと、花自体が好きでも嫌いでもない上に、生け花があんまり好きではない。

萎れていくのを見るのがつらいしゴミ袋に入れるのも非常に躊躇してしまうのが嫌。

 

・・・ならなんで一輪挿しにしたのかっつー話だけど。

 

今の家にあるのも5年前くらいに買ったドライフラワー枝バージョン、みたいなものなので、今回もドライフラワーを活けるつもりでオーダーしてみたけど、さて、どうなるだろう。。。

 

 

花を壁に活ける高さもどれくらいがいいのか、調べたけどよくわからなかった。

一応、絵を飾る時に推奨されていた「目線の高さ」かつUltimate60背負ったときにこすらない高さにはしてみた

 

どうなることやら。。。

 

余った真鍮ピンは玄関のスイッチの近くに押し込んで鍵かけにしてみた。

 

便利だ。

しかしこれもちょっとの衝撃で外れてしまいそうで怖い。。。

大きさを取るか、針の長さを取るか・・・悩む。

昨日の、この冬の山行と反省点も踏まえて、「今行きたい雪山」をアップデート。

淳つさんの動画やまっつんさんの動画をみるたびにコロコロ行きたいところが変わっているので、あくまでも現時点での行きたい順序だけど。。。

 

 

1.霞沢岳西尾根

 これはやっぱり今年のあの体調不良による敗退が悔し過ぎたので、どうしてもリベンジしたい。

 「景色が見たい」、ではなく「悔し過ぎたからリベンジしたい」というのはなんとなく不純な動機な気がして少し気が引けるけど。

 せっかくスーパーチキンハートが一大決心してトンネルを決死の思いで潜り抜け、重い荷物を背負って途中まで登ったのにあんなことになるなんて悲し過ぎた。なめてかかっていたわけではないけど、(トンネル以外は)特段問題なく行けるだろう、と思っていただけに余計に悲しい。

別に私はピークハンターではない(、と自分では思ってる)ので頂上までとは言わないけど、せめて稜線上までは行きたい。

 

2.蓮華岳丸石尾根

 これも敗退ではあるけど、これは霞沢岳とは違って敗退して悔しいから行きたいというわけではない。もともと「行ける所まで」の精神だったし。

 ここに登りたいのはやっぱり去年まっつんさんの動画で見て憧れたあの景色が見たいから。

 今回ので反省点はわかった(扇沢まででばてた&翌日が天気悪化予報)気がするので、次回は万全の準備をして登りたい。

 体力の消耗を最小限にするために扇沢までバスが通ってから行くことも考えたけど、そうすると寝起きのクマさんと遭遇する可能性が高くなるだろうし。。。。クマか、体力か。迷う。

 

3.西穂高西尾根

 この前山の先輩と会って「今年の雪山でどこが一番良かったですか?」と訊いたら「西穂高」との答えだった。裏山。

 西穂は私にとって去年から行きたい山ではある。。。けどアクセスがな。。。あと西穂のテン場の混みっぷりにちょっと尻込みしてしまう。 

 なのでできれば西尾根から行ってみたい。。。すぐにヘバる私には身の程知らずな望みかもしれないけど。

 

4.涸沢ー奥穂

 身の程知らず度で行ったらこれがぶっちぎりナンバーワンだと思うけど、淳つさんの動画で見て以来、ここ、とても行きたい。。。涸沢、奥穂は夏も登ったことがないだけに、まだ見ぬ景色を見てみたいという思いがある。

 しかし技術的にもだけど体力的に相当厳しそう。。。

 ここはロープがあったほうがよさそうだけど、私みたいなヘタレ野郎は1日目にテント場までテントとロープを担ぎ上げるだけでへろんへろんになるだろうし、そんな状態で2日目に両側雪庇を超えたり帰り懸垂下降できたりするのか、という話。

 

…無理かな。。。

 

5.槍ヶ岳(中崎尾根)

 これも3月に書いたけど、淳つさんの(以下略)。

 4と同じ理由だけど、槍ヶ岳は夏に登ったことがないので、「まだ見ぬ景色を見たい」という思いがあり、そして無積雪期は人が凄そうなので、積雪期は無理でも小屋が開く前の残雪期にトライしてみたい。

 

 …以上が今時点で登りたい雪山上位5位。

 

去年めっちゃ行きたかった五竜岳にも引き続き興味はあるし、この前針ノ木岳で出会ったお兄さんが数日前に行ってきたと言ってた冬のブナ立て尾根からの水晶岳にも憧れはする(ちょうどその後淳つさんの「残雪の裏銀座縦走」動画を発見して衝撃を受けたけどほんとに素敵なルートだ)。

八甲田も2023年こそは行きたいし白毛門も山頂まで行ってみたいし、冬の八が岳を旅してみたい、という気持ちもあるし、残雪の針ノ木サーキットもやってみたいけど。。。

 

冒頭書いたように、人様の素敵な動画を見てはしょっちゅうころんころん意思が変わっているし、針ノ木岳のように、「行きたい山リスト」を差し置いて急に記憶の奥底からぽーんと飛び出してくる衝動もあるのでわからないけど。。。

 

今年の年末時点ではまた新たに行きたい山が出てきてるかもしれない。

 

でもそれはそれで楽しみではある。

 

薄々わかっていたけど、この前の針の木岳で私の今シーズンの雪山登山も終了してしまった。。。残念。

今シーズン登った山を改めて振り返ってみると

 

1月

・大同心稜(雪山講習)ー硫黄岳(天狗への縦走断念):無理なスケジュールを組んでガイド先生に諭される

・黒斑山

・甲斐駒ヶ岳黒戸尾根:夏の負の記憶払拭のためのリベンジ登山

・前白根山

 

2月

・赤岳(撤退):今までで一番コンディション悪かったかも

・茶臼岳ー朝日岳:朝日岳の山頂を見つつ時間切れ撤退

・谷川岳西黒尾根:自分の無力さを噛み締めた登山

・霞沢岳西尾根(撤退):初めての厳冬期テント泊そして気分悪くなり敗退

 

3月

・権現岳:「膝に水事件」後初めての山。人生初カモシカに出会う

 

4月

・蓮華岳丸石尾根(撤退):2回目の残雪期テント泊で憧れの丸石尾根に挑戦。天候を考えて断念。

・唐松岳:何度も行ってるけど初めて冬の山頂を踏む。

 

5月

・針ノ木岳:3回目の残雪期テント泊。プチ滑落体験。

 

1、2月は特に狂ったように登ってたな。。。3月からペース落ちてるのは何でだろう。。。やっぱ膝が怖かったのかも。

 

こうやって書きだしてみて、つらつらと振り返ってみると、幾つか反省点がある。

 

①自分の体力を考えずに無謀なスケジュールを立てる

 

1月の大同心稜の時も、当初は大同心稜ー横岳縦走ー赤岳鉱泉帰着、という雪山講習を全て終えた後に硫黄岳に登り返して根石岳山荘に行くスケジュールを立ててた。ガイド先生にも言われたけど、今ならわかる。

そんなこと私の体力でできっこない、と。

針ノ木サーキットも今思い返してみればちゃんちゃらおかしい。私の体力でそれを2泊3日でできるわけなかろう、と。

蓮華岳の時も思ったけど、私が冬にテント泊装備で行動できる限界時間は6時間とちょっとだと思う。

 

で、この①とも関連するけど、

 

②圧倒的体力(&筋力)不足

 

先輩にも言われたけど、すぐにHPゼロになる。へろへろのまま登り続けて周りを見るのもおろそかになるし、予定通り行動できなくなる。針ノ木岳、コースタイム1時間の針の木峠ー針の木岳が2時間半もかかったのは衝撃だった。幾ら足元が悪かったとはいえ。

自分の体力のなさに自分で憤死しそうになる。

唐松岳の時だって、山が久しぶりという先輩が軽々登っているのに、2週間前に蓮華岳に行ったはずの自分がへろへろだった。悲しい。

 

③雪についての知識がない

 

針ノ木の時に思ったけど、「弱層」というのがどういう状態かわからない。西黒尾根の時のように雪崩を恐れながらも雪崩がどういう状態で発生するのかわかっていない(降り続いた後気温が高い状態が危ないのかな、という漠然としたイメージだけ)。

これは何とかしたいなぁ、と思っている。

 

…というのが反省点。

そして、雪山を2年経験してみて、なんとなく自分の雪山の好みについてわかったこともある。

 

①人があんまりいない所が好き

 これは夏でも同じだけど、人の多いところが苦手なので、人の少ないルートの方がいいな、と思った。

 今年の冬は1人で登るときは割とそういうルートを選んで登ったけど、なんか、すごく良かった。。。

 ビビリ王ではあるけど、初めて雪山でテント泊した去年の遠見尾根のビビリっぷりが嘘のように、今年は丸石尾根や霞沢岳で(比較的)穏やかにテント泊することが出来た(霞沢では寝られてないけど。。。)

 そういう意味では、これまで特にバリエーションルートに興味はなかったけど、今はとても興味が出てきている。

 

②部分的にでもピッケルと前爪使うような山行が好き

 やっぱりちょっと自分は珍走屋集団の素質があるのかもしれない、と思うんだけど、少しだけ怖い所がある山のほうが好きだ。

 夏もどちらかといえば岩山とか鎖場があるような山が好きだからそのせいかもしれないけど、両手両足を使って登るような山がいい。

 今回でいえば黒戸尾根の核心部とか、針ノ木岳とか。。。今回たどり着けなかった蓮華岳丸石尾根の核心部とかへの憧れもきっとここから来ている。

 

③小屋泊もいいけどテント泊がより好き

 赤岳鉱泉は好きだし七丈小屋の第2小屋はまた泊まりたい。八方池山荘もスタッフの人達がめちゃめちゃ感じ良かった。

 でも小屋だと当たり前だけど色んな人がいて、面白い出会いもあるけど心の狭い自分はつまらない事(夜中、他の人達皆寝てるのにドスドス階段上がるのどうなの、とか。小屋の中(朝4時)でクマ鈴鳴らしまくるのどうなの、とか)が気になってしまって、そしてそんなつまらない自分に憤死しそうになる、という悪循環に陥る。

なのでテントのほうがいい。。。冬はテント場としたものがないところが多いので、テントの方が人も少ないしゆっくりできる。

 

大体自分の好みもわかってきたし、来年も引き続き素敵な雪山行を楽しみたい。

 

 

 

 

今週末はお世話になった人を訪ねて杜の都に行ってきた。

山に嵌ってから、普通の旅行をしなくなってしまった。以前八甲田山に登った帰りに八戸を観光したみたいに、登山の「おまけ」で旅をする、というのはあるけど、旅だけ、というのは年一の家族旅行以外ない。

今回のように、旅目的での旅ってずいぶん久しぶりだなぁと思いつつ、初日は塩釜でお寿司をたらふく食べ、浦霞のギャラリーで宮城限定のお酒をしこたま買い込んだ。

 

昼からお酒を飲む、という背徳感に浸る。

知人たちと合流前に1人で入ったので、最初やや緊張したけど同じように1人で来ている人もいたのでちょっと安心した。

 

登山の前と登山中はお酒は飲まないようにしているけど、元来酒好きなのでおいしい料理にはおいしいお酒を合わせたい。

 

瑞厳寺、というところの法身窟や洞窟遺跡群にテンションぶち上げていたら、知人に「時間があれば山寺に行ってみるといいよ」と言われた。

山寺。正式名立石寺。

芭蕉のあの「閑さや 岩にしみ入る蝉の声」が詠まれたという場所。

 

「山」か。。。いいな。。。

 

調べてみると仙台からは電車で1時間ほど。

山頂まで1000段余の階段を上る、とある。

 

1000段というのがどれくらいか想像つかないけど、今週末は登山しないしその代わりに階段を登り降りしてみるのもいいかもしれない、と2日目の目的地は山形の山寺に決めた。

 

1日目の夜は知人宅で1年分くらいの日本酒を摂取したので起きられるかやや不安になりながら就寝。

 

2日目、起きられることは起きられたので、ホテルをチェックアウトし仙台駅のコインロッカーに余計な荷物を預けて予定通り7時過ぎの仙山線の電車に乗る。

 

しかし、ここでやらかした。

1時間乗るんだったら別に目覚ましかけなくても熟睡はしないだろうしアナウンスで起きるだろう、と思っていたら、ふと目覚めたら8時22分。予定では8時13分に山寺に着くはずだった。数十秒何が起きたかわからずフリーズした後、寝過ごしたことに気づいて愕然とした。

 

一瞬、このまま山形に行って山形市内観光でもしようかと思ったけど、やっぱりちょっとでもいいから登山気分を味わいたい。

「羽前千歳(うぜんちとせ)」というなんだか素晴らしく格好いい名前の駅で降りた。

山形からタクシーを呼ぶつもりで駅を出たら、なんと奇跡的に1台だけ駅前に止まっていたのですぐに乗り込んだ。

山寺駅(羽前千歳から4000円弱)で9時過ぎに仕切り直し。

 

羽前千歳は無人駅だったので山寺駅で乗り過ごしを自己申告したけど仙台からは同じ料金とのことでほっとする。

コインロッカーもあって駅の規模の割に設備が充実していた。

 

駅から「登山口」まではすぐのはず。

 

めちゃめちゃ素敵なホテル(今は営業していないっぽい)や意外にたくさんあるお土産物屋さんを眺めながら登山口を目指す。

 

 

一応「登山口」とあるけど、山寺(立石寺)の登山口ではないかもしれない。。。と思いつつ本日の「登山」スタート。

 

一旦短い階段を上がって日枝神社にお参りした後、山門方面を目指す。

 

これが山門。そして「登山口」。

 

山門を見て、大学時代好きだった法然院を思い出した。

人が多い所が苦手だったのでお寺は殆ど行かなかったけど、法然院と知恩院だけはよく立ち寄った。

特に法然院は好きで、ちょうどこんな風に、鬱蒼とした緑に囲まれて苔むした山門がたっていて、漂う別世界観が好きだった。

素敵なのに人は何故かあまりいなくていつでもとても静かで落ち着けた。

 

法然院は今もあのままあるんだろうか。。。と京都に思いを馳せながら「登山」スタート。

 

新緑最高。

 

 

こういう岩見るだけでテンションあがる。クライミングやるわけでもないのになんでだろう。。。

 

「参道の一番狭い所は14㎝」。ふんふん。

 

ここかな。。。

 

これが芭蕉の「せみ塚」。うーん素敵な崖だ。。。

 

これが阿弥陀如来の姿に見えるという崖。確かに中央の一番高くなった所が頭でシルエットがそれっぽく見えるような?

 

ここまでで既に崖にテンションあがってたけど、ここから私の大好きなものがたくさん出てきてますますテンションあがった。

 

大好きなもの1。洞窟(っぽい場所)。

 

ああ、最高だ。。。。あの中に入りたい。

 

ただしこういう所にはお骨が納められているそう。たぶんこの穴とかそうなのかな、と思われた。

 

こういうの見ると、どうやってあそこまで上がったんだろう、とか、あれは天然の穴なのか、それとも窪みをのみつちでかんかんやって広げて穴にしたのか、とか、あの奥はどれくらい広いんだろう、とか色々妄想する。

 

修行の岩場。心に邪念を持つ人は転落するそう。たぶん私は速攻転落する。

 

全体像はこんな感じ。

 

大好きなもの2。眺望。

 

あの端っこに住みたい。

 

郵便やさんまじリスペクト。

 

いろんな邪念に囚われつつ1000段余を上がり奥の院到着。

 

煩悩にまみれたままなことを申し訳なく思いつつ、もう一つの目的である五大堂に向かう。

 

ここに住みたい。

 

 

塔の上から。

 

うーん素敵だ。。。

 

 

修行の岩場がよくみえる。

 

しばらく長閑な風景を堪能してから、下山。

立石寺、素敵な山寺だったな。。。教えてくれた知人に感謝。

早い時間に行ったおかげか特に人が多いというわけでもなかったし(下山時結構すれ違ったので、お昼くらいにかけて混むのかも)。

 

下山口の標識に沿って歩いていたたら、池で給水中の猫を発見した。

 

猫ちゃんそんな所から水飲んで大丈夫かい。。。

 

猫をみると声をかけずにはいられない病にかかっている。。。

すんごい人なつっこくて、呼んだら鳴きながら近寄ってきてくれた。

 

猫の頭のこの丸み、この世の至宝。

 

さんざん猫ちゃんを撫で繰り回させて頂いた後、後ろ髪引かれつつ下山。

 

 

なんかミニ富士山みたいな形。。。

 

駅から山寺方面を眺める。

 

所要時間は1時間ちょいのプチ「登山」。

階段は確かに多いけど、まぁこの前の針ノ木岳に比べればはるかに楽。。。

 

仙台に帰ってきて再び昼のアルコール分を補給し、

 

デザートにずんだ生クリームパンを食べて、週末旅、終了。

 

週末天気が良いのに山に登らない、というのはなんかちょっと焦燥感のようなものを感じるんだけど、「旅目的の旅」もたまにはいいものかもしれない。。。

例えばヤセ尾根や崖っぷちのような「落ちてはいけない場所」を落ちたという訳ではないけれども、「自分の意思に反して体が落ちた」という意味ではあれは滑落だったのかもな、と思う。

 

以前書いたけど、私が教えてもらった雪山教室のポリシーは「滑落しないような歩行術を教える」というもの。
何度か言われたのは、


・滑落が始まったらピッケルでの制御なんて殆どできないのが実情であり、逆にピッケルを手繰り寄せられるくらいの余裕がある滑落ならそもそも自然停止する

・だから滑落しないように歩くことが大事である

というもの。

滑落停止訓練はお願いすればやってもらえるらしいけど、私は↑の説明に非常に納得していたので、特に教わりたいと思うことはなかった。

で、やっぱりガイド先生のこの方針は間違ってないな、というのを先日の針ノ木岳の帰りに身をもって実感することになった。

9時過ぎに針ノ木岳に到着して少し休憩した後、名残惜しいけど降りることにした。


1時間半くらいで来るつもりのところを2時間半もかかってしまったため、雪の緩み具合が気になっていた。
何しろ先ほどから太陽がさんさんと頭上で照り付けている。

劒岳(?)さようなら。



スバリ岳方面に降りる。

 

下から登ってくる人達が見える。
スバリ岳方面への下りは、ただでさえ雪が飛んで岩々した場所でアイゼン歩行しにくいうえに、強風をまともに横から受けてダブルでよろよろした。


マヤクボ沢に降りるところで黒部湖&立山に最後のお別れ。

ほんときれいだ。。。これを見ながら縦走したかったけど。。。自分の体力と根性のなさが悲しい。


マヤクボ沢に降りる所。クライムダウンが必要なほど急ではないけど、このとおり下は見えない。


結構な急斜面で、足元は既にぐずぐずで、もう少し早く出発しなかったことを後悔した。

まさかこんなに時間かかると思わなかったから。。。見通し甘かった。

例によって、右手ストック、左手ピッケル、で降り始める。
この時持ってたピッケルはいつも使うグリベルのではなく、ショベル可変のbca。

リーシュはつけずにただヘッドを上から握り込んでいる状態だった。

ところどころ、足を置くと滑るというか雪が崩れて足が持っていかれて、ひやりとする場面がある。まっすぐ降りるのが駄目なら、と思って斜め向きで降りたりもしたけど、足元のぐずぐずの雪が崩れることに変わりはない。
だんだん荷物の重さが肩に食い込んできて、足さばきももしかしたらよろよろしていたのかもしれない。
途中で風に帽子を飛ばされたんだけど足元に気をとられて下向いた一瞬の間に見失って回収できなかった。

何度かこけながらも下り続けていたんだけど、たぶん半分くらいまで来た時、まっすぐ出した左足がずるっと滑ってしりもちをついた。
そしてそれまでと違って今度は止まらず、あおむけの亀みたいな状態でするするっと体が滑り落ち始めた。
たぶんちょっと左に傾いた状態だったような気がする。

滑り始めたとき、やばい、と思ったこと、右側に体をひねって腹ばいの状態になって左手のピッケルを雪面にさそうとして右手のストックが「邪魔だ」と思ったこと、は覚えてる。

その後なんとかピッケルを雪面に差したけど、いかんせんずぶずぶな雪なので体はすーっと落ち続ける。
ヘッドの上に乗り上げるようにして体重を乗せたけどそれでも止まらなかった。

この間、頭の中は真っ白。


少しして、するする落ちてた体がずるっと自然停止した。
ピッケルの先端が何かに引っかかった訳でもより深く差し込んだ訳でもなく、完全に自然停止。

止まってから体を起こしてピッケルの石突をぐさぐさの雪面に奥まで差し込んでアイゼンがっちり踏み込んでから、ちょっとの間ぼうっとした。

私今、滑り落ちたな、という認識がじわじわと湧いてきた。

上を見上げると、結構上にストックが落ちているのが見えた。
赤丸の所。


別に大したことない、距離にして2,30mもなかった気もするし、このまま分岐まで落ちてもたぶん怪我することもなかった(実際この日か次の日もっと長い距離を落ちたスキーヤーさんは無事だった様子)とは思うけど、止めようとする自分の意思に反して体が落ちていく感覚というのはちょっとショックだった。


動く気力を喪失してしばらく休憩した後、ストックを回収するためによろよろと登り返した。
ザックをおけるような角度ではなかったので、背負ったまま。

この後はちょっとそのままおなじところを下る気になれず、迷った末、雪面をトラバースして反対側のハイマツ沿いの端っこを降りた。
この雪面トラバース、良かったのかどうかわからない。
雪面をトラバースする(雪面に凸凹をつける)のはスキーヤーさんに申し訳ない気もしたし、後、自分のトラバースで雪面を崩すんじゃないかと思ってめちゃめちゃ神経使った。

何度もずぼりながらようやく下まで降りた時にはほっとした。
その後は、昨日はなかった雪崩の跡や、


ひび割れた雪渓を横目に見ながら下った。

 

上の写真でも少しわかるかもしれないけど、前日、あんなに真っ白できれいだった雪渓が一夜にして凸凹の灰色野原に変わってしまっていて衝撃だった。


…が、この後一枚も写真撮る気力がないほど疲れ切ってしまった。

なんというか、糸が切れたというかどっと疲れた。


バス停についたのは12時40分。

もう「おなかいっぱい」と思いつつ山行終了。

信濃大町行のバスを待ちながらしばらくはマヤクボ沢での感覚が頭の片隅に残ってた。


あんなに簡単に落ちるんだな、というのが感想。
あと、確かに先生たちの言う通り、滑落停止訓練って殆ど役に立たないのかもな、と。

ド素人の間違った認識かもしれないけど。


たぶん実際に落ちかけたら、自分もそうだったように、人は本能で一番抵抗の大きそうなものを雪に突っ込んで体を止めようとするのでは。。。と思った(つまり滑落停止で習うのであろうピッケル制動みたいなことは自然にできるのでは?)

そしてそれで止まるかどうかはもう運次第な気がする。。。

 

ただ、滑落停止を習う必要はないかもしれないけど、同時に、少しでも危ないと思う所はピッケルをきちんと握って歩いたほうがいいんだろうな、とも思った。

今回、あんまりピッケルが効いたような感覚もなかったけど、少なくとも加速はしなかったという意味では役に立ったのかもしれない。もしピッケルを刺してなかったら加速がついてマヤクボ沢の下部まで落ちていた可能性もあるし。

片手ピッケル片手ストックもやめたほうがいいのかもな、と思った。

制動かけようとしたときにストック邪魔になったし。。

 

色々な反省があって色んな意味で充実した山行だったけど、強く思ったのは、

 

①体力(と根性)が欲しい、

 

ということと、

 

②雪崩や雪の状態についてもっと学びたい、

 

ということ。

 

特に2つ目。

1日目、テント泊の男性は「雪に弱層がある」と言っていたけど私は古い雪の上に積もったさらさらの新雪が不安定ということしかわからず、「弱層」というものがどういうものなのかもわからなかった。

2日目は、針ノ木頂上直前のトラバースでトラバースを選択した判断が正しかったのかいまだにわからないし、マヤクボ沢では、雪が崩れて嫌だな、と思ったけど、崩れない歩き方をすることができずに滑落してしまった。

 

天候や雪の降り方、気温から雪の状態を推測できるだけの知識、雪を見て危険を判断する能力、状況に応じてルートを選べるだけの知識が欲しい。

来年はそういうのを教えてくれる講習に行くか、本を買って勉強してから臨みたい。