海と山、時々きもの -20ページ目

海と山、時々きもの

ダイビング記録+きもの試行錯誤の覚書。…だったはずなのに最近は山歩きの記録簿と化しつつある。
23年秋から山のない国に滞在中のため山歩き頻度は低下中。

最後の山行記録のおまけ。

室堂平から扇沢までは、自分の思っていた以上に時間がかかったな、という備忘。

 

みくりが池温泉で復活し、みくりが池を眺めて満足して室堂平に帰ってきたのが13時半頃。

16時過ぎの扇沢発新宿行まではまだまだ時間があるからこのまま降りるのもったいないかな、と思ったけど、混んでた場合ケーブルカーとバスがうまく接続できるかわからなかったので、とりあえず扇沢までは降りることにした。

 

これが正解だったと思う。

なんせ、結構遠かった。

 

確か13時40分発くらいだったと思うけどまず大観峰行のトローリーバスに乗る。

そしてその後大観峰から黒部平行きのロープウェイに乗る。

このロープウェイが混んでて第一陣に乗れず一個見送った。

 

更にそこから黒部湖行のケーブルカーに乗って、しかも黒部湖で降りたら電気バス乗り場までダムの上を結構歩く。

これは途中で見た虹。一日前はあの虹の向こうを歩いていたんだなと思うとちょっと感慨深い。

 

…感慨深いけど、結構この時点でいい時間になっていたので、あんまり初の黒部ダムの感慨に浸る間もなく、速足で乗り場に向かう。

ちょっぴり汗だくになりながら電気バス乗り場についたら、次発はこの時間だった。

 

黒部湖から扇沢のバスは30分に1本でこの次のバスが15:35分なので、結構ギリだと思う。

もし混んでて15:35のバスに乗れなかったりしたら、16時過ぎの新宿行のバスには勿論乗れない。

 

…というわけで、乗り継ぎの待ち時間はあったとはいえ、13時半過ぎに室堂平を出て15時半前に扇沢に着いたので、2時間かかったことになる。

室堂平ー扇沢間については、なんかもっと、白馬八方のゴンドラとリフトみたいに軽く乗り継いで行けるだろうとたかをくくっていたので、最後はちょっと焦った。

 

言い訳をすると、当初の計画通り北方稜線まで行けていた場合、帰りは室堂平を13時頃に出るバスで東京に帰るつもりで予約していたので、室堂平ー扇沢間がどれくらいかかるのかについて、全く下調べをしていなかった。

まぁ、それでも計画を変更して扇沢から帰る、と決めたときにきちんと調べておくべきだったんだけど。

 

わたしのように乗り継ぎ時間を甘くみてるとちょっと焦ることになるので、扇沢でバスを乗り継ごうと思っているような人は、早め早めに室堂平から降りるのが吉かも、と思う。

 

だいぶ間が空いてしまったけど、最後の山行、2日目の記録。

 

一日目は20時には寝てしまって、途中何度か起きたけどテントに比べるとだいぶ熟睡できた。

3時に起床して身支度して、前日夜にもらったお弁当を食堂で食べる。

食堂にお茶置いておきますので、と言って頂いたのでお茶を飲みながらの朝食。

ほんと真砂沢ロッジは快適だった。。。

 

この日の数少ない小屋泊の人達は殆どが朝食お弁当のようだったけど、まだ誰も起きていなかったのでヘッデンつけながらのんびり食べて、歯を磨く。

チキンハートなゴリラにとって初めての雪渓をヘッデンで上がるのは怖かったので明るくなってから出発すると決めていた。

5時前で既にこの明るさ。さすが夏。

 

大変お世話になった真砂沢ロッジに別れを告げ、5時前、出発。

 

しばらくは雪渓を左に見ながら夏道を歩く。

こういうの見ると、チキンな私は、明るくなってから出発して良かった、と思う。

私のようなどんくさい奴が暗い中出発しようものなら、道もわからずうろうろしてこういう穴に嵌るに違いない。

 

 

予習ゼロの状態だったので、どこまで雪渓がつながっているのか、夏道をどれだけ使うのか、不安だったけど、道は明瞭だった。

 

こうやって、雪渓を通る部分にはちゃんとピンクテープを置いてくれている。感謝。

 

真砂沢ロッジを振り返った所。次はテントも良いなぁと思う。

でもお風呂に入りたいからやっぱり小屋泊にも心惹かれる。。。

 

 

天気がめちゃめちゃ良い。雲一つない青空が美しいけど、昨日の暑さを思い出すとちょっと怖い。

 

夏道から雪渓に降りてまた夏道に復帰する。これをみると、そりゃ通れませんよね、と思う。

 

しばらく夏道歩いて、また雪渓に復帰。

ここからはずっと雪渓がつながってそうに見えたので、ここでアイゼンをつけてヘルメットをした。

 

ちなみに、この後、ピンクテープ通りに行くと、一か所、雪渓が続いてそうだけど左の夏道にも行けそうな場所がある。

私は迷った末アイゼンつけたままそちらを進んだけど、結構歩きにくかった。

一方で、後から来た人達は普通に雪渓を登っていて、この時のルートとしてはそっちが歩きやすそうではあった。

 

こんな落石に頭直撃されたら頭ないなる。。。やっぱり私にとってはヘルメットは必須。

 

久しぶりのアイゼン、めっちゃ楽しい。。。。が、久しぶりの重さに案の定、5歩歩いては一歩休憩、みたいな状態になる。

休憩しながら横を眺める。あっちの方もなかなか面白い景色が広がってそうで、行ってみたい誘惑にかられる。

 

雪渓はルート明瞭だったけど、幾つかこういう分岐(?)があって、そっちに向かっている人達もいた。

長次郎谷とか平蔵谷とかの方角だと思われるので、もしかしたら八峰を登ったりするんだろうか?

 

分岐を幾つか眺めているうちに、真砂沢ロッジに泊まって、こういう分岐を探検して回るのも面白そうだな、と思ったりした。

別に頂上までたどり着けなくてもいいから、どこまで続いているのか、どこまで自分一人で登れるのか、探検しに行ってみるのも面白そうだ。

 

でもこういう考えは危険思想なのかもしれない。。。少なくとも私のように技術もなく、何の変哲もない一般道コースでコースタイムを大幅オーバーしてへろへろになるような奴はそんなことを考えてはいけないような気もする。

 

雪渓は最初風が吹き下ろして涼しかったけど、この頃になると結構ばててきた。

真砂沢ロッジから登る人はあんまりいないのか、自分の他には2パーティ見たのみ。

 

うち1パーティ、この下の写真のグループはすごい軽快な勢いで抜かしていったけど、ある地点でぴたっと止まって再度私が抜かした後は、その後姿を見ることはなかった。。。どこに行ったんだろう。この後分岐のような場所はなかった気もするので、真砂沢ロッジに引き返したんだろうか。

 

それともまさかここを登ったんだろうか。

 

登っても登っても雪渓。アイゼンの重さも相まってだんだんへろへろになってくる。

この雪の状態だったらチェンスパとかで良かったんだろうな。。でも仕方ない。

 

クラック怖い。やっぱ明るくなってから出発してよかった。。。

 

雪渓の終点が見え始める。私はちょっと先に進んでしまったけど、この時はおそらくこの下の写真に見えてる左の斜面を上がるのが正解だったっぽい。

 

さよならアイゼン。また会う日まで。。。

 

このちょっと前辺りから、上から降りてくる人たちとすれ違い始めた。

何人かとお話したけど、うち一人は池の平小屋まで行く、とのことだった。

私も次に北方稜線にトライするなら、室堂から入ってそうしようかな。。。

その方がまだ楽そうに思える。。。けど気のせいかもしれない。

 

雪渓が終わった後もひたすら、

 

ひたすら、

 

上を目指す。

 

右手には剱岳の素晴らしい景色が見えているんだけど、最後もうしんどすぎて感動が薄れながら、やっとのことで剣山荘到着。

 

とりあえず速攻でこれを買う。

 

コーラをちびちびしながら、心行くまで剱岳を眺めた。

 

 

昨日最後まで剱岳行くか行かないか迷ったけど、この疲れっぷりを考えると行かなくて良かった。

ここから剱御前小屋までが登りだと考えるだけで泣きそうになる程絶望しているのに、今から剱岳とかマジで無理。

 

と心の中で自分のヘタレさを正当化しながら、30分程休憩した後、出発。

 

剱山荘からキャンプ場までの15分少々の道のりすらつらかった。

 

ほんとは別山によって下りようかとも思ってたけど、心折れまくっていたので、パス。

 

この剱御前小屋までの大したことないはずの登りですらへろへろになりながら、なんとか10時前、剱御前小屋にたどり着いた。

 

最初は、ちょっと休憩した後降りよう、と思っていたけど、さすがにこのまま降りるのはもったいないかも、と思い直した。

もう次、いつこられるかわからないし。

向こうにいる間に氷河の端っこを歩いていてクレバスに落っこちたりすることもないとはいえないから、もう目の前のこの景色を見るのも最後かもしれないし。

 

と思って、思いつきではあったけど、剱御前小屋から目と鼻の先(片道15分程度?)にある剱御前山に登ることにした。

これが、大正解だった。

 
剱御前小屋前からの景色がすでに「わー!」という感じではあった(語彙力ゼロ)けど、山頂に向けて登るにつれて、「わー!×∞」という感じ。
 
目の前には剱岳が見え、
 
左には海
 
もちろん室堂もみえる。室堂ってこんなにきれいなのか。知らなかった。
 
 
感動。
 
剱御前山、最高じゃないか。。。
 
 
疲れが一気にふっとんだ気がした。
北方稜線は裾にすらたどり着けなかったし、剱岳も諦めたし、別山も諦めてどこにも登らず下山するけど、でもここからの景色が素晴らしかったからもう結果オーライ。
 
いつもこうやってダメな自分を甘やかしている気がするけど、めちゃめちゃ元気になった後に、下山を開始した。
 
室堂、ほんとにきれいだ。
 
私は15年前くらいに室堂に1度来ているんだけど、全く記憶に残ってないので、素晴らしい景色を新鮮な気持ちで眺めながら下った。
 
15年前、あの頃の私はダイビングにしか興味なく、わざわざしんどい思いして山登るなんて頭おかしい、としか思っていなかった。
室堂に来たのは先輩達に連れられて雪の大谷を見るためで、下界のノリで半袖サンダルで来たら、5月の室堂平には雪がうっすら積もってて、ぎゃあぎゃあ言いながら歩いてたらすれ違った登山客っぽい人々から冷たい目で(被害妄想)見られた気がする。
 
 
懐かしいな。。。
 
あの時もこの景色を見たのかな。。。全然覚えてないや。なんせ山に興味ゼロだったから。
 
しかしこう見ると、雷鳥沢野営場が何で人気なのか頷ける気がするな。。。景色がほんと素晴らしい。
 
今、頭の中は山山山山山みたいな感じになっているの、あの頃の私が聞いたら驚くだろうな、などと思いながら、野営場からの最後の登りをゾンビのような足取りで登った。
懐かしいけど、しんどいものはしんどい。
 
室堂はほんといろんな景色が見られて素晴らしいな。。。しんどいけど。
 
ちょっと、もう、結構しんどくて泣きそうだけど。。。
 
血の池も面白い。。。しんどいけど。
 
最後、ゴリラの干物みたいにがびがびになりながら、12時半ちょっと前、みくりが池温泉着。
 
結構ふらんふらんだったので、温泉に入った瞬間生まれ変わったような気持ちになった。
みくりが池温泉の女湯はそこまで広くない。
でも、時間が幸いしたのか、イモ洗いレベルの込み具合になることはなかった。
最高のお風呂だったけど、強いて欠点(?)をあげるなら、たぶんドライヤーが1,2台しかないと思うので、髪の長い人には待ち時間がつらいかもしれない。
自分は短髪なのでドライヤーはスキップし、すっきりさっぱりした状態で室堂平に向けて出発。
 
このちょっとの登りもつらかったけど、でもみくりが池のこの景色は素晴らしすぎた。
 
最後にこれが見られたのは満足。
剱岳から室堂にかけてのルート、素敵だったな。。。と噛みしめながら、最後の山行、終了。
 
色々と反省点の多い、というか反省点しかない山行だったけど、でも素敵な景色が見られて良かった。
 
今度北方稜線を目指すとしたら、一日目は室堂から入って剱沢キャンプ場まで行く(雷鳥沢から剱御前小屋までがめちゃめちゃしんどそうだけど。)
二日目に剱沢雪渓を下って池の平小屋、あるいは、野宿が許されるなら小窓の頭まで。
三日目に、北方稜線を辿って剱岳を目指し、剱沢キャンプ場泊。
四日目に下山、だろうか。
時期は紅葉の時期に行ってみたい。
 
年齢的にも体力的にも色々厳しいけど、頑張れるといいな。。。
それまでしばらくはさようなら、日本の山。
 

真砂沢ロッジに到着したのは予定時間の15:00を大幅にオーバーした15:40。

 

(これは翌朝撮った受付)

 

ここに来る道中、一人も人を見かけなかった(デポしてある荷物2つは見た)けど、真砂沢ロッジは盛況だった。小屋迫よりテント泊の人が多かった印象。翌日雪渓を上がるときには結構人とすれ違ったので、雪渓経由で真砂沢ロッジに行く人が多いのかもしれない。

 

受付に伝えていた到着時間より遅れたことをお詫びしたけど、まだ16時前ですし早いほうですよ、と言って頂く。

小屋主さん?だろうか。めちゃめちゃ感じの良い人だった。

 

受付後、まずは電話を借りて(1分200円)、翌日宿泊予約をしていた池の平小屋に電話をして宿泊キャンセルした。

直前でほんと申し訳なかった。。。三連休初日だったから、もしかしたら貴重な予約枠を一枠無駄にしてしまったかもしれない。。。

体力温存のために、小屋泊を選んだけど、次回もし行く機会があればこんなことにならないようにテント泊(予約不要)にしよう。それか、やっていいのかどうかわからなかったから今回選択肢から外したけど、発射台辺りでテント泊しよう(小屋に確認して、もしやっていいのであれば、だけど)。

 

真砂沢ロッジの宿泊棟は受付とは別の入り口から入る。

この通路の中ほどを左。

 

今回は、彩雲、という部屋を割り当ててもらった。

 

部屋の中。受付で買って半分一気飲みしたコーラとザック。

 

天井に光取の窓があってめちゃめちゃ明るい上に、コンセントまであって有難かった。

 

疲れていたけど、全身汗でどろどろのべちゃべちゃだったので、荷物を下ろした上で、速攻で受け付けに行って入浴の札をもらってお風呂に行く。

 

お風呂の外に札をかけて入浴。

 

扉を開けるとまず小さな脱衣所があってそれから風呂場がある、というこのスタイル、田舎のじいちゃんちを思い出す。。。

 

ここで、私は声を大にしていいたい。

 

お風呂って最高だな、と。

 

コースタイムより1時間以上も遅れて、よれよれで、汗でべちゃべちゃの足ぷるぷるで到着したとき、ほんとに情けなくてみじめな気持ちだったし、北方稜線諦めて池の平小屋にキャンセルの電話したときは申し訳なさと後悔と悲しさでどん底だった。

でもなんかお湯浴びてたら、もうオールオッケーな気がしてきた。

 

準備不足だったんだよ私。。。ばかだな、こんなんで北方稜線行こうなんて。

正直まだあきらめきれなくて明日池の平方面に未練はあるけど、でもきっとやめといたほうがいいよ。

別にどこに登らなくたっていいじゃないか。。。明日は雨の心配もないんだから、明日きれいな景色を見て、それでもう帰ろう。

最後の山行なんだから、「つらい」が「きれい」を上回る前に帰ろう。

 

湯舟は使えなくてシャワーだけ、とのことだったけど、シャンプーとボディソープで全身洗って、なんか生き返った気がした。

というか生き返った。

汗でべっちゃりだったモンチュラのなんとかマグリアもついでに洗い、Tシャツに着替えて、ゴリラから人類に進化完了。

 

部屋に帰ってしばらく、次の日の行程を組みなおした。

 

もうハシゴ谷乗越超えるのは絶対に嫌だし、せっかくアイゼンも持ってきているので、剱沢雪渓を登りたい。

剱岳に行くかはちょっと迷ったけど、今日のこの疲れっぷりを考えれば明日全装備背負って剱岳まで行って降りる(剱沢キャンプ場まで)のはちょっときつい。

かといって明日剱沢キャンプ場にテント張って剱岳を目指すかというと、数年前のテント盗難事件が記憶に強く残っているので、samayaのお高いテントを張って荷物をデポしていくのは絶対に嫌だった。

というわけで、翌日はもうおとなしく、剱沢雪渓を登り、剱岳を眺め、室戸を散歩して扇沢まで降り、16時過ぎの新宿行直行バスで帰ることにした。

有料のwifiを購入して帰りのバスを手配し、翌日の計画作成、終了。

 

夕食。大変おいしく頂いたけど、疲れていたせいで最後は結構食べきるのに苦労した。

 

20時過ぎに消灯だったと思うけど、もう消灯前にすこん、と寝てしまった。

楽しみにしていた北方稜線をあまりに無様に諦めることになって凹んではいたけど、お風呂というかシャワーでだいぶ体力と精神力が回復した気がする。

 

真砂沢ロッジ、大感謝。また泊まりに来たい。今度はハシゴ谷乗越経由ではなく、剱沢雪渓経由で。。。

最後の山行一日目、5時半頃に夜行バスで黒部ダム到着。
割と混んでいたけど幸い隣の席は空いていたので、細切れだけど3時間くらいは寝られたような気もする。
 
天気予報では晴れだけど、最初霧雨が降っててちょっと不安になった。が、切符売り場の順番待ちをしている間にだんだん晴れてくる。
 
この日はド平日だったので、始発は7時半。
でも5時半時点で結構人がいる。
 
ネットで切符を販売していることに前日気づいたけど、気づいた時点で販売期間(前日午後3時まで)を過ぎていたので、この日は仕方なく切符売り場に並んだ。
売り場に並んだのは私はたぶん3、4番目くらい(一番先頭の人は寝袋にくるまってた。いつ到着したんだろうか。。。)
 
ザックだけおいて場所を取ってから、お手洗いに行って身支度したり水飲み場でプラティパスに水を入れたり準備をする。
 
6時半過ぎに2階へのシャッターが上がって、上へあがっていく人達がいるのを羨ましく眺める。
複数名で来てたら、一人が1階の切符売り場(有人か券売機)に並んで残りが2階の改札に並ぶことができそう。
しかし一人だとそれが出来ない。
始発の黒部ダム行バスに乗れないと30分とはいえだいぶ予定が狂うので、乗れるかどうかちょっとはらはらした。
 
6時50分くらいだったと思うけどまず券売機の方が早くスタートし、その後少ししてから有人の販売窓口が開いた。
券売機だと往復切符しか買えない、とのことだったけど、とりあえず1秒でも早く2階の改札に並びたかったので、復路分を捨てる覚悟で券売機で切符を購入。
(冷静になって考えるとそのまま有人販売窓口に並んでもあんまり時間的に変わらなかった気はする)
 
7時30分発の切符を買えたことで、だいぶ気持ちが楽になった。
扇沢は何度か来たことあるけど、黒部ダム行のバスに乗るのは初めてでちょっとわくわくした。
 
見た目は普通のバスと変わらない。
つり革が猫耳に見えるのは私の幻覚かと思ったけど、後から考えるとたぶん、黒部ダムのマスコットキャラが猫(?)なのでそれかもしれない。
 
出発から15分程で黒部ダム駅に到着。
第一関門として、ここから黒部ダム方面に向かう大多数の人の流れに飲まれることなく、黒部川へ降りる道を見つけられるか、とどきどきしてたけど、割とちゃんと標識があったのでこの点は問題なかった。
 
しかも、真砂沢ロッジまでもうお手洗いないだろうと思って扇沢で3回くらいお手洗いいったけど、黒部川方面の出口付近にお手洗いがちゃんとあった。これは大変に有難い。
 
出口から出て振り返ったところ。
 
ド平日とはいえ三連休の前日で、黒部ダム行のバスは始発では人を収容しきれない程盛況だったのでこっち方面にいく人も多少はいるかと思ってたけど、どうやら私一人の様子。
 
熊鈴つけて日焼け止め塗りなおしながら頭の中で今日の行程をおさらいする。
内蔵助谷出合での分岐を見逃さなければ基本迷うようなところはないはず。
問題は数日前の塔ノ岳をバテて撤退したこの体力で、予定時間までに真砂沢ロッジにたどり着けるかどうか。。正直不安。
 
山と高原地図のコースタイムから判断して、予約したときに到着予定時間を聞かれて15時頃、と答えたんだけど、この前の塔ノ岳でのバテっぷりを考えるとちょっと自信なくなってきた。。。
 
ちなみに荷物はできるだけ軽量化するため、テントはsamayaのradical1、シュラフは省きシュラフカバーのみ、コッヘルやバーナーは置いてきた(これはたぶんほんとはよくない)。
ピッケルとアイゼンは迷ったけど怖くて省けなかった。結局行けなかったけど、北方稜線の核心部の雪の斜面を横切る時にこの2つがないと自分のようなチキンは怖い。
 
上の装備に行動食(マーガリン入りレーズンパン6個入りと、プロテインバー2本とおやつ)と水分2.5ℓ(ポカリ500ml、扇沢で汲んだ水2ℓ)を背負って8時頃、出発。
 
黒部川に到達するまではよく整備された坂道を下る。
 
天気は最高に良い。でもその分暑さが怖い。
 
黒部川に到達する直前で、小屋?の前に立ってる男性と出会う。制服的にたぶんダムの監視員さんだろうか?
数時間前に真砂沢ロッジ泊予定の人が1人通ったよ、と教えてもらう。
 
自分勝手なもので、人が多い所は嫌だ、と思う癖に、誰もいない山道で誰かが同じ方向を目指している、と聞くとちょっと安心したりもする。
 
黒部ダムからの放水、たぶん生まれて初めて生で見てちょっと感動した。
 
この辺りは水しぶきが舞ってて非常に涼しく、ここまでとここからしばらくは割と足取りも軽かった(過去形)ように思う。
川を超えてからも割と平坦な道が続いた。
 
途中、川の対岸がすごいことになってた。山が崩れたのかと思うような落石の量。
 
基本、とても整備してあって怖いところはないんだけど、途中、うわさに聞く下の廊下ってこんな感じかな、と思うようなところが一部にあって、そういうところは慎重に歩いた。
 
滑ったら、滑り方によっては無事では済まなそう。
 
めちゃめちゃきれいだけど。
 
ぽくぽく歩いているうちに、気づいたら道が二股っぽくなっているところがあって、Yamapで現在位置を確かめたら内蔵助谷出合に到達していた。
この分岐を左に行く。
 
で、ここまでは割と快調だったように記憶しているけど、ここから一気に急な登りになり、一瞬でばってばてになった。
最初は樹林帯の風のない登り坂をナイアガラ瀑布のような汗を垂らしながら登り(写真撮る余裕なし)、
しばらくして少し開けた沢の横をじりじり照らされながら華厳の滝のような汗を垂らしながら登った。
 
たぶん方角的にあれ超えていくんだろうけど、きれいなんだけど、絶望する。
 
樹林帯に入ると一気に風がなくなって水分が蒸発する。
 
きれいなんだけど、きれいだと思う余裕がどんどん失われていく。。。
 
割とへろんへろんになりながら、12時前だったと思うけど、内蔵助平、着。
標識には真砂岳方面に行けるような矢印があるけど、道があるようには見えなかった。
実際yamapの地図上には表示されてない。
でも、一応山と高原地図だと一般道があることになっている(ただし健脚者向きで、内蔵助山荘からこっち方面に下る場合は山荘に事前確認が必要らしい。)
 
標識の近くに、草刈りがま?を含めた荷物がデポしてあったので、たぶん近くの山荘の人が道を整備してくれているんだろうな、と思われた。
 
 
この少し手前に沢を渡る所があって、そこで念のため水を補給(この時点で水の残量残り1ℓ程度だったので、+1ℓ強、汲んだ)。
 
沢で水分補給がてらちょっと休憩したけど、どんどんつらくなっていく。
とりあえず暑い。そしてばてる。
 
しばらく枯沢を遡上する。
 
迷うようなところにはちゃんとピンクテープをつけてくれている。
 
歩いても、歩いても、石。
 
ようやく沢の終点を超えたものの、そこから登りが更にきつくなってちょっと涙がちょちょぎれそうになった。
暑い。ひたすら暑い。
 
本気でつらい。つらすぎて、悲しいことにこんな景色をみても「きれい」より先に「つらい」が来る。
そして「つらい」の後に来るのは、「こんなにばててこんなに遅くて私は果たして北方稜線に行けるのか」という不安。
 
つらいと不安を抱えながら、13:50頃、ようやくハシゴ谷乗越到着(表示がちょっとおかしいけどこれはハシゴ谷乗越)。
 
ここに来るまでに100回くらい休憩したと思う。
ログを見ると、内蔵助谷出合から一気にペースが落ちたのがわかる。
本来、内蔵助平からハシゴ谷乗越まではyamapのコースタイムだと1:15。それをこの日私は約2:30かかっている。
 
1時間15分で来なきゃいけないところを2時間半。
 
ハシゴ谷乗越で荷物を放り出して休憩しながら、悶々と悩んだ。
 
北方稜線、行きたい。これが最初で最後のチャンスかもしれないから。
(剱岳っぽいと思ったけど剱岳じゃなかったらすみません)
 
でもちょっと甘く考えすぎてたかもしれない。
暑いとか忙しいとかコロナとか言い訳せずに体力作りに励むべきだった。。。今のこのペースで3日目の北方稜線果たして何時間かかるだろう。
雷と雨にやられる前に剱岳を超えられるんだろうか。
というか既にふらふらで足元おぼつかなくなってるのに、3日目危険な岩場を歩けるのだろうか。
 
しばらく休憩した後に再スタートしたけど、自分の中でどんどん腰が引けて行っているのがわかった。
 
得意のはずの下りなのに足痛すぎて全然進まないし。。。
なんかどう見てもクマさんの落とし物があるし。。。
 
もういやだ、おうちに帰りたい。。。
 
でも最後のチャンスなのにこんなに簡単に棒にふっていいんだろうか。簡単に諦めすぎてやしないか。
 
明日は池ノ平小屋までだけなんだから明日休憩したら明後日頑張れるのでは。
 
でも3日目の天気予報が悪化する可能性だってあるんだよな。。。今の予報でさえ、雨と雷の前に剱岳を超えられるか自信ないのに雨と雷が早まったら、あるいは自分が予想以上に歩けなかったらもう詰むしかない。
 
というか真砂沢ロッジまだかな。。。もう足が全然進まない。
 
なんかもう、さっきからずっと下向いて歩いてるし、もはやカメラをあげる気力もない。
 
疲れた、明日どうしよう、というか3日目どうしよう、と悶々と考えながら歩いていたけど、真砂沢ロッジの手前で5歩歩いては休み、5歩歩いては休み、みたいになり、時計が到着予定時間を大幅にオーバーする15時40分を指しているのを見て、ついに心が決まった。
 
駄目だ、やめよう。
 
明日池ノ平小屋までは行けるだろう。
でも問題はそういうことじゃなくて、3日目、雨と雷予報というタイムリミットがある中、北方稜線を行けるのか、ということで、それは一日目のこのペースを考えるとどう考えても無謀な気がする。
というか雨と雷予報がなくても、今足がこんなにぷるぷるしている時点で無謀だと思う。
 
池ノ平小屋にはほんとに申し訳ない。でもキャンセルするしかない、と決心して真砂沢ロッジにチェックインした。
3泊4日の山行予定だったけど、挫折に挫折を重ねて結局昨夜、1泊2日で帰ってきた。
 
出国前の最後の山行の目的地として目指した(というか目指すつもりだった)のは剱岳北方稜線。
が、結果として北方稜線の端っこにすら届かず諦めることになった。。。
 
行く前からめちゃめちゃ不安ではあった。
 
一番不安だったのは技量。
いろんな人の山行記録を読みまくり、池の平小屋の北方稜線紹介動画を繰り返し眺めた。
不安だったのは2か所。
 
1つは池の平小屋から行くときに池ノ谷ガリーを上り詰めたところにある岩壁。
手がかり足掛かり豊富とあるけどほぼ垂直に見える。これを一人で登れるのかどうか。落ちたらそれなりに怪我しそうな高さ。
 
2つ目は、長次郎の頭を無事に越せるかどうか。
色んな人の記録を読むとここで結構迷っている人やここが怖かったと書いてる人が多い。
池の平小屋の動画だとルートは3つ。できれば一番難易度低い、長次郎の頭を巻くルートを取りたいけどそのルートを自分で見つけられるかどうか。山行記録で長次郎の頭を巻いたという人の軌跡をダウンロードしてみたけど、GPSの関係でログがずれることだってあるだろうし過信は禁物。行ってみないとどうなるのかわからない。
 
技量に加えて二番目に不安だったのは体力。
何しろまとも(?)な山行は約1か月前の編笠山・権現岳で最後。
先週末に塔ノ岳をヤビツ峠から登ろうとしたけど、ばてばてになってギブアップし烏尾山から新茅荘に下山してしまった。
暑かった、というのもあるけど、根本的な要因は、7月に入って全く運動をしていない、というのが大きいと思う。
7月初にたぶんコロナになって体力を持ってかれたこともあるけど、それよりなにより新部署で在宅勤務になって、1週間全く部屋から出ない、という時も多かったのが一番大きい気がする。

ただでさえ例年夏バテして体力落ちるのに、このコロナ+在宅勤務による運動不足が拍車をかけた。

 
まぁ、そんな状態で北方稜線にチャレンジするな、というか、チャレンジしようと思うなら在宅勤務を言い訳にせずにランニングするなりしてきちんと準備しとけ、という話。
 
…という反省点はまた後で書くとして、とりあえず自分の立てた計画はこれ。
 
【一日目】
 5:32 扇沢着(夜行バス)
 7:30   扇沢ー黒部ダム始発バスに乗車
 8:00 黒部ダム出発
15:00 真砂沢ロッジ着(小屋泊)
 
【二日目】
 7:00 真砂沢ロッジ初
10:00 池の平小屋着(小屋泊)
 *時間が余り過ぎるので翌日の北方稜線取りつき(小窓雪渓)までを下見&池の平山まで散歩。
 
 【三日目】
  4:30 池ノ平小屋発
12:00 剱岳
16:00 剱沢キャンプ場(テント泊)
 
 【四日目】
 7:00 剱沢キャンプ場
10:30 みくりが池温泉(日帰り入浴)
12:00 室堂ー東京バス
 
先週末に塔ノ岳をギブアップしたときに今回の山行の失敗をうっすら予感していたような気はする。
出発数日前に小窓の王付近で滑落事故があったことも不安を倍増させた。
山岳会の人でも事故るのであれば表尾根すら完走できなかった運動不足のよぼよぼチキンが今の体力でチャレンジするなんて無謀なのではないか。というか無謀に過ぎるだろう、きっと。
こんなんで成功したらきちんと訓練してきた人達に申し訳ないだろう。
 
自分の技量不安体力不安に加えて、天気に対する不安も大きかった。
 
初日と二日目の天気は問題ない(暑さがやや不安ではあるが)。
 
問題は北方稜線に入る3日目の土曜。
土曜の予報はこの通り、午後から雨。しかも雷雨。
 
前も書いたように、雨マークが12時からついているからといって、12時になっていきなり降り出すわけはないだろう。
岩場の稜線歩きのときに雨に降られたら?しかも逃げ場のない岩場の稜線上で雷まで落ちてきたら詰む。
例え雷がなかったとしても、剱岳の下りで雨に降られたら?
一般道とは言え、写真で見る剱岳の下り、とても怖い。こんなところ、疲れ切った状態で重い荷物を担いだ状態で雨に降られながら降りたくない。事故の予感しかしない。
 
体力と天気に不安しかないけど、とりあえず憧れの北方稜線に少しでも近づきたい。
もし無理だと思ったら速攻諦めよう、とそこだけは固く決意して扇沢行の夜行に乗った。