スペインの失われた山を目指す旅④:アトーチャ駅で最大のミス、そしてTorla-Ordesaへ | 海と山、時々きもの

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ダイビング記録+きもの試行錯誤の覚書。…だったはずなのに最近は山歩きの記録簿と化しつつある。
23年秋から山のない国に滞在中のため山歩き頻度は低下中。

だいぶ日が空いてしまったけど、3月の山旅の記録④。

 

前回書いたようにRenfeのチケットを15日で購入したら14日で発券されたことが最大の胃痛案件だったので、14日の深夜マドリッドにたどり着き、15日はホテルに荷物を置いたまま朝一(8時過ぎ)にマドリッドのアトーチャ駅に向かった。

電車は午後1時半の予定だけど、ほんとにこの切符で乗れるのかを確認しておきたい。

 

Renfeのチケットセンターで整理札を取って並び、ようやく順番が回ってきたので窓口のおっちゃんに

「なんかチケットがうまく発券されなくて。。。」

と発券された切符を見せると、

「14日の乗車だから期限過ぎてるよ」

 

と恐れていた一言をもらった。

 

でもここで諦めたら試合終了。

「でも15日のチケットを買ったんです。購入後に送られてきたこのメールだとほら、15日になってるでしょ?」

 

と購入完了メールを見せると、おっちゃんは難しい顔になって、ちょっと待ってて、と後ろに引っ込んでいった。

 

メール保管しててよかった、いやでもまだ安心できない、「よくわかんないけど無理だからチケット買って」って言われる可能性もある、と悶々としながら10分程待っていたらおっちゃんが帰ってきて、

 

「システムエラーみたい。チケット発券し直すよ」

 

と言われてほっとしたのも束の間、

 

「でも13時25分のはもう満席なんだよね」

 

と言われて胃がきゅっとなった。

 

「自由席ってないんですか?」

「ないね」

「18時までにSabinanigoに着かなきゃいけないんです。どうにかしていく方法ないですか?」

 

と聞くと、画面を操作していたおっちゃんが

 

「一個前のAveならあるよ。Zaragozaでしばらく待つことになるけど」

 

そんなん全然いい。無問題。Sabinanigoに行けるなら無問題。

というわけでそれに無事振り替えてもらった。

 

良いおっちゃんで良かった。

「そんなこと言われても切符は14日になってるんだから知らん。もう一度買え」と言われる可能性も十分にあった。ここヨーロッパだし。

 

良いおっちゃんに当たった自分の幸運に感謝しながら宿に引き返してパッキングし、数時間後に再びアトーチャ駅に向かった。

AVEは日本の新幹線と似ているけど、一番大きな違いは空港みたいなX線検査があること。

 

私のここでの懸念の一つは、バックパックに入れてあるピッケル2本がX線検査で引っかかるのではないか、ということだった。

まぁでももし引っかかって、これは持ち込み駄目と言われたらアトーチャ駅のコインロッカーに預けてガイドに連絡してピッケル借りよう、と思っていたのでそこまで大きな心配はしていなかった。

 

そしてX線検査は特に何も言われることなく通過。…通過、してしまった。

 

これは今思えばこの旅で最大のやらかし。

 

きちんと自己申告して、「これって持って入れますか?」と聞くべきだった。

…が、後の祭り。

 

無事に12時頃の電車に乗って電車がアトーチャ駅を出た時はほっとした。

後はZaragoza駅でローカル線に乗り換えて、途中のHuesca駅でバスに乗り換えれればよい。

 

昨日のマドリッド着は深夜だったので、車窓からの景色を見て、ああ久しぶりにスペイン来たなぁ、と思う。

 

個人的な印象だけど、フランスや今住んでいる国と違って、スペインはなんというか空気が乾いている感じがする(フランスでも南仏はスペインと似ている)。

土はちょっと赤っぽいし、緑は白っぽいし、空の青が濃い。

個人的にはそれがとても好きだ。

特に冬、パリや今住んでいる所みたいに、雨雨雨雨曇雨雨、みたいな灰色の世界からくると、天国に思える。

 

これは帰りに撮ったもの。晴れてたのでこっちの方がからっとした空気がよく伝わるかもしれない。

 

 

途中のZaragozaでAVEを降りる。

ローカル線に乗るまでは結構時間があったので、構内のカフェで時間をつぶした。

Zaragoza。

この頃はまさか、この地名が私にとって忘れられないものになるとは思ってもいなかった。。。

 

Zaragozaから無事ローカル線に乗り換え、Huescaでバスに乗り換える、Huescaでバスに乗り換える、と心の中で呟きながら座っていたら、車内検札で近づいてきたおじいちゃんが私の切符を見るなり、スペイン語で何やら話しかけようとする。

 

「すんません、スペイン語わからなくて。。。」と英語で答えたら、

 

「ブス、ブス」

 

と連呼するので、ああ、Huescaでのバス乗り換えの事心配してくれてるんやな、とわかった。

(スペイン語でバスはブスらしい)

 

Huescaで全員降りるので私も降りてバス乗り場を探していると、このおじいちゃんが私に近づいてきて、スペイン語で何やら話しかけてくる。

指さす方向をみると、どうやらあのバスに乗れ、と言ってるらしい。

 

デカいバックパック背負った怪しい東洋人を心配してくれるのか。

おじいちゃん、ええ人や。。。

 

おじいちゃんのおかげでHuescaのバス乗り換えは問題なくスムーズに終了。

 

ここまで来たら後は寝過ごさずにSabinanigoで降りればいいだけだ、と安心して、目をがんがんにかっぴらいて車窓の外を眺めていた。

少しずつ山が見えてきて、山に近づいている感じがしてとても良い。

 

Sabinanigoでガイドさんとすぐに合流できるかな、という心配が残っていたけど、Sabinanigoで降りるなり「〇〇?」と話しかけられてそれも解消した。

無事、今回のガイドさんAとも合流出来て、とりあえず一日目の最大の課題は終了。