冬山を求めてスロバキアへ旅する③:【1日目①】小雨の中タトラ山麓を山歩する | 海と山、時々きもの

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ダイビング記録+きもの試行錯誤の覚書。…だったはずなのに最近は山歩きの記録簿と化しつつある。
23年秋から山のない国に滞在中のため山歩き頻度は低下中。

事前の天気予報から覚悟してたけど、タトランスカ・ロムニツァ、1日目朝起きたら天気予報はこれだった。
 
うーん…山、どこいった。
 
まぁでも小雨予報だし、景色が見えなくても雪の中を歩けるだけで嬉しいかもしれない。
 
この日のルートは、ネットで発見した日本人の人のタトラ山脈登山録を参考にさせてもらった。
スロバキア行きを決めてからこの人の登山記録を発見したんだけど、自分と同じように欧州でも山を登りたい、と思う人がいたことに勝手に親近感を感じたりした。
 
ルートのスタート地点はケーブルカー乗り場。
ケーブルカー乗り場のどこかに登山道に入る場所があるはずなんだけど、これがわからなくてだいぶうろうろした。
 
まず、Information Centerかつチケット売り場に行く。
 
無料の地図を手に入れたけど、私が行こうと思っているハイキングルートは載っていなかった。。。
しかたなしにスタッフの若者(英語が流暢だった)に聞くと、他の人に聞いた上で、チケット売り場からは少し離れているケーブルカー乗り場の近くにあるらしい、という回答をくれたので、とりあえずケーブルカー乗り場に向かう。
 
まず乗り場に併設されてるスキーレンタル用品のお姉さんに聞こうとしたところ英語がわからない、と拒否られ、他の人には「ハイキングルート?わからない」と返され、うろうろしたあげくにケーブルカーの乗車場にいるおじさんに聞いたところ、他の人にスロバキア語で確認してくれた。
この人自身もあまり英語は得意じゃないようで、ジェスチャーをまじえながら、何かを靴につけるしぐさをして、この先に行くのはそれが必要だという。
アイゼンのことかな、と思って、持ってる、というと、こっちらしい、と手招きしてケーブルカー乗り場の裏手に一緒に降りてくれた。
 
おじさん自身も詳しくないようで、2人でしばらくうろうろした後、どう見ても作業場みたいなところを指さしておじさんが「あった、あれだよ」と呼んでくれた。
 
確かに奥の方に矢印が見える。
 
おっちゃん、ええ人や。。。ほんまありがとう。仕事中だったのにこんなところまで一緒に来てもらってごめん。
英語でめっちゃ心を込めて「ほんとに有難うございます」と言ったけど、スロバキア語で「有難う」を覚えてこなかった自分を殴りたくなった。
山登ることしか考えてなくて、挨拶とお礼の言葉を覚えるとかいう発想すらなかった。最低限の礼儀だろうが。ゴミだ。
 
おっちゃんと別れて一人でゲーターつけてポールを出して出発の準備をする。
小雨は降っているものの、天気もそこまで悪くなくてラッキーだ。
 
久しぶりの雪歩きにテンション爆上がった。
 
人もいないし、最高だ。。。
 
出発までが長かった。
登山道を見つけるまで迷いまくった軌跡。
 
 
歩き始めてしばらくして、ケーブルカー乗り場のおじさんの靴に何かをつけるジェスチャーの意味がわかった。
凍ってつるんつるんになっている斜面がところどころにある。
たぶんおっちゃんが言ってたのはチェーンスパイクのことだった気がする。
 
アイゼン持ってるから大丈夫だろうと思ったけど、チェーンスパイクを持ってこなかったことを激しく後悔した。
 
しばらくはスキー場の端っこを歩いていく感じ。
地図を持っていない、頼りはGoogleMapのGPSのみ、という山なめおじさんならずとも激怒しそうな山なめっぷりで、自分でもちょっと不安だったけど、道は明瞭で、青色の矢印に沿って行けば問題なさそうだった。
 
あと、途中で、Google Mapにハイキングルートが表示されていることに気づいてちょっと安心した。
とりあえずこれを辿っていけば問題なさそうだ。
 
多少小川なんかもあったりした。
 
最初に高度をちょっとだけ上げた以外はほぼ平地歩きという感じ。
だんだん山歩きっぽくなってきてテンションがさらに上がる。
 
あああああ最高やーーーーーー
 
山だ!山だ!山だーーーーー!
 
 
私は今、雪の山の中を歩いている!
 
途中発見した看板。
上からたぶんスロバキア語、ポーランド語、英語。
 
でもホテルに帰ってから「pozor」を検索すると「チェコ語」と出てきたので、チェコ語なのかもしれない。。。?
チェコ語とスロバキア語にどれくらいの違いがあるのかわかんないけど。
私が小さい頃は「チェコスロバキア」だったと記憶しているので、関西弁と標準語くらいの違いなのかもしれない(全然違ってたらすみません。)
 
「Enter at your own risk」とおどろおどろしい看板は立っているものの、道は普通の平坦な雪道。
確かに多少倒木はあるけど。
 
足跡はあるものの、この日は結局、途中の人が多いルートとの合流地点までは、誰にも会わなかった。
これは合流地点前で見かけた、人が多い方のルートから来た観光客のグループ。
 
道が合流する手前で結構な大きさの滝がある。
 
 
滝の前の橋を渡って坂を上がったら、今までは何だったのかと思うくらいすんごい量の人が行き来していた。
普通の運動靴みたいな靴に雨がっぱを被って歩いている人が多くて、私のような山歩きっぽい恰好をしている人は3割くらい。
後からわかったけど、ここから20分くらいの所に登山電車の駅があるので、そっちを使う人が多い模様。
 
私の目的地はこの左上の看板にあるRainerova Chata。ケーブルカー乗り場の人にはそこから30分くらいでいけるZawkoveskeho Chataを強くお薦めされたけど、明日が本番なので余力を残しておきたい。
 
合流地点から10分、とあったけど、体感もうちょっと長くかかった気がする。ここからは結構登りだったせいもあるかもしれないけど、15分くらいで目的地到着。
 
ここの山小屋は山小屋(?)というより休憩所みたいな小ささだったけど、赤岳鉱泉もかくやといいうくらい人が道のそこかしこにぎゅう詰めで吃驚した。
 
たぶん山小屋(?)の歴史とか書いてあるんだろうけど、何にもワカラン・・・
 
おっちゃんが誰なのかもワカラン。。。
 
なんか道のそこかしこで人がたむろって歌を歌ったりしているんだけど、これはその場のノリでそうなっているのか、歌唱コンクールみたいなものが開かれてるからなのか、何にもワカラン。。。
 
山小屋(?)はまだクリスマス仕様。
 
人波をかき分け中に入ったけど、中は体感、塔ノ岳の尊仏山荘の4分の1くらいのスペース。
何とかレジに近づき、そこらへんの人が皆飲んでたカップを指さして「あれと同じものを下さい」と言ったら、幸い英語は通じて暖かい飲み物をゲットした。
外で周囲の熱唱を聞きながら、一人ちびちびとホットワイン(?)を飲む。
 
周りは皆家族連れ、友人連れのグループでボッチは私一人だけだし、東洋人も私一人だけ。
めちゃめちゃアウェー感。
 
肩身の狭い思いでワインをちびちびしているうちになんか民族衣装を着た人達が出てきて演奏し始めた。
マジで今日何が行われてるんだこれ。。。何かのイベント日なのか。それともいつもこうなんだろうか。。。
 
山小屋の受付でトイレがあるか聞いたところ、ない、と言われたので、今日はもうこの先に行くのはやめて、もともとの計画通り引き返すことにした。時間も結構いい時間だしな。。。もう2時間半くらい歩いている。
 
さよならRainerova Chata。
ちょっと赤岳鉱泉から見る景色に似ていて懐かしかった。