身延・展望絶佳!だけど···な浜石岳(浜石岳〜薩埵峠〜由比駅) | 単独行者の山行録

単独行者の山行録

歩いた山々の記憶を詳らかに。
山行中心の備忘録。

やっと辿り着いた浜石岳の山頂は噂に違わぬ大展望。
富士山はもちろん、駿河湾の大海原や身延山地、その向こうに僅かに冠雪した山頂を覗かせる南アルプスの高峰たち。
富士山は言わずもがな、私個人としては山より果てなく広がる大海原の雄大なパノラマが印象的。
好天も相俟って、それは素晴らしい大パノラマだった。
富士山〜愛鷹山
富士山の左最奥には御坂山地の連なりも。
愛鷹山〜箱根山〜丹那山地〜伊豆半島
それに中央付近には沼津アルプスこと静浦山地も。
由比の町並みと駿河湾
清水港や日本平
竜爪山〜真富士山〜十枚山にかけての長大な安倍奥東稜
青笹山〜十枚山にかけては中途半端にやり残してしまったため、近いうちに繋げたいなぁ。
身延山地の山々と僅かに頂稜を覗かせる南アルプス
最奥に白峰三山と甲斐駒ヶ岳、鳳凰山。
他にも笊ヶ岳や七面山、身延山などの名峰が勢揃い。
そして富士川を挟んだ右手には思親山や五宗山など天子山地の山並み。

果てしない大海原から南アルプスの気高い峰々まで。
改めて、海の印象が強い静岡県は山岳県でもあるのだなぁと実感する。
次はそれぞれをズームイン。
浜石岳は何と言っても富士山の展望が素晴らしい。
愛鷹山と箱根山。
地元の山から幾度も眺めてきた山だけど、配置が逆というだけでも多少は新鮮に感じる。
駿河湾越しに望む静浦山地(沼津アルプス)と丹那山地の遠景
山頂の山座同定盤によれば仏谷山の右手にほんの僅かに見える白いのは8月 に登った上河内岳らしい。
自力ではとても同定できない。
白峰三山と鳳凰三山の間最奥に甲斐駒ヶ岳
清水港、三保の松原、日本平


存分に景色を楽しみ、いよいよ下山の時。
山頂の大展望が名残惜しいけれど、お店の時間もあるし下山しよう。
先ずは先程の分岐まで戻り薩埵峠方面へ。
薩埵峠への道はアップダウンある尾根通しの登山道。
往路とは異なり真っ当な登山道なだけマシだけど、展望の無い陰鬱な植林の道で楽しさは皆無。
禄に下調べしなかった自分が悪いのだけど、それでいて兎に角距離が長い。
往路と同じ道を歩きたくないというだけでこのコースを選んだものの、こんなに長いコースだとは思わなかった。
景色や変化も無く単調で面白くなかったから余計に長く感じたのかも。
標高を下げた後半は植林から高密度の竹林に変化。
何れにせよ退屈で面白みが無い。
そして間もなく薩埵峠というところで急斜面を見下ろすとその先はもう海。
海岸線ギリギリまで山がせり出ていて、古くから交通の難所であったことがよく分かる。
道は再び往路のようなみかん畑沿いの農道へ。
伊豆半島が南端までよく見える
眼下には国道1号線と東名高速道路
13:35薩埵峠に到着。
な、長かった···。
薩埵峠から望む富士山
今となっては、かつての浮世絵のような風情は感じられない。

薩埵峠から早足で歩くこと30分、由比駅に到達。
時刻は既に14時過ぎで普通なら昼の営業を終えているところ。
ダメ元で駅前のお店の戸を叩いてみると、快く入れてくれました。
由比に来たからには桜えび定食を選ばない訳にはいきますまい。
地元で水揚げされたシラスが付いてくるのも嬉しいポイント。
気になる桜えびのかき揚げはというと、サクッとした食感の後に桜えびの香ばしい香りが鼻に抜ける絶妙な味わい。
お好み焼きとかにトッピングする干しエビみたいなモンかなと思っていたけど、味も香りも全っ然違う。
とても香り高くて超絶美味。
一口一口じっくりと味わいながら食べたのに、あっという間に平らげてしまった。
山行自体は大して面白く無かったけれど、これを食べるために再訪するのは有りかも?
こうして浜石岳を登り終え、目的の桜えびを堪能することができた私。
満足のうちに帰途に就き、3日目の長旅を終えたのだった。
(意図せずこれが2023年の登り納めとなりました。)

12月26日 28,822歩
由比駅9:18→三本松10:39→浜石岳11:06→薩埵峠13:35→由比駅14:10

諸費用
青春18切符2,410円(掛川駅〜由比駅〜横浜市内)
桜えび定食1,500円
計3,910円(安っ!)