信楽・奇想天外の湖南アルプス!(迎不動〜堂山〜枝) | 単独行者の山行録

単独行者の山行録

歩いた山々の記憶を詳らかに。
山行中心の備忘録。


富川道登山口から林道を歩くこと10分少々、迎不動の登山口に到着。
先ずは飛び石で対岸へ。
こういうアスレチック要素大好きw
渡渉を終えると早速岩混じりの急登が始まる。
巨岩が積み重なる沢もまた500mに満たない低山らしからぬ景観。
今までに登ったどの低山にも無い似つかわしくない光景。
急登を終え緩やかな沢沿いの道になると間もなく
鎧堰堤に到着。
反対側から見る鎧堰堤。
あまり近代的な建造物に関心が無い私としてはうーん・・・(ってか、撮るの下手過ぎるだろ···)
鎧堰堤の先にはまた突然と摩訶不思議な景色が広がりびっくり。
ここ阿弥陀河原は本当に山の上にいるのか疑いたくなる砂浜のような景色。
しかも奥行きが結構あってとてつもなく広い。
先程の笹間ヶ岳もそうだったように、その正体は風化した花崗岩。
信楽高原の広範に亘って花崗岩の地質が広がっているようだ。
阿弥陀河原を後に樹林を抜けると堂山へと続く稜線へ。
これまででも十分に驚かされたのにここからが凄かった。
花崗岩が露出した稜線···何となく既視感が。
そう、南アルプスの鳳凰三山だ。
当然ながら本家とは大きく規模が劣るものの、アルプスの名に恥じない本格的な景色。
全国に数多あるご当地アルプスを幾つか歩いた私だけれど、これ程までにアルプス的な低山に出会ったのは初めてだ。
岩肌剥き出しの稜線だけあって木々が少なく展望は抜群。
この見通しの良い稜線もまた本家アルプスの高山帯を想起せずにはいられない。
近江富士の右手には金勝アルプスの山並み。
あちらもまた剥き出しの岩肌が多数見えることから同じ成因の山なのだろう。
風化した花崗岩の滑りやすいザレ場も本家を如実に再現(笑)
いやぁ、本当にすっげぇなぁ。
本当にミニチュア鳳凰三山だ。
間近に迫る大津市街地と琵琶湖や比叡山、比良山地の遠景。
こんな気軽に登れるミニアルプスが市街地の近くにあるなんて、滋賀県最高かよ!
それに電車やバスに乗ってて思ったけど、全体的にレベルが高いし。(何が?)
そんで関西弁は可愛いし。(アホ)
なだらかな山並みに目立つ花崗岩の岩肌。
そんな特異な光景が遠くまで続いている。



目前に堂山と左後方に先程登った笹間ヶ岳。
12:31堂山(383m)に到達。
山頂は狭いけれどこれまでの稜線同様に好展望。
谷を挟んで対面する笹間ヶ岳
遠くには府県境の山並み
音羽山〜比叡山〜比良山地の遠景
最奥には近江富士
新免への登山道は新高速の工事で全面通行止めとあったので、仕方無くアルプス登山口バス停がある枝へと下山。
迎不動からの登山道は変化があって楽しかったけれど、こちらも展望が開けていて飽きさせない。
堂山の山頂を振り返る
こちらのルートは最初から最後まで岩場の登山道。
岩肌と松を始めとした灌木が織り成す独特な景観が実に良い。
コースの中ほどからは沢沿いの登山道へ。
この岩肌を流れ下る光景もまた深山の渓谷のようで、およそ間近に市街地が迫る低山とは思えない。

この小石が積み重なった小さな堰堤を超えれば往路に歩いた林道に合流。
奥に見える橋梁に向けて進めば間もなくバス停だ。
13:26アルプス登山口バス停に到着。
バスで石山駅へと戻り、再び青春18切符の旅を再開。
米原駅、大垣駅、豊橋駅へと乗り継いでいく。
近江八幡市付近からの鈴鹿山脈の遠景
伊吹山と東海道新幹線の偶然のショット。
あれに登ったのはもう7年 も昔のこと。
山頂まで車道が通っているのが玉に瑕だけれど、他を圧するようなその重厚な佇まいはやっぱり日本百名山に相応しく、登高欲を駆り立てる。
目の前を通過するだけなのが実に惜しいしく、またいつか登りたいなぁ。
そして今夜の宿泊地は静岡県掛川駅に到着。
クリスマスに宿泊する単独者への計らい(慰め?)か、こんなものが用意されていましたw(こう見えて独り身じゃないんですけどねぇ)

兎にも角にも金勝アルプスの代案で訪れた湖南アルプス、たかがよくある低山のご当地アルプスと見做していた予想とは裏腹に、その実何十倍も面白い山域だった。
所詮はご当地アルプスと低く見積もっていた自身の不明さを全滋賀県民に詫びたいくらい。
奇想天外な光景の連続に低山の常識を覆すような山行だった。
今回道を間違えたために惜しくも取りこぼしてしまった矢筈ヶ岳と太神山の縦走も兼ねていつか再訪しようと思う。

12月25日 歩数:28,384歩
アルプス登山口BS9:02→富川道登山口9:16→笹間ヶ岳10:27→富川道登山口11:20→迎不動登山口11:31→鎧堰堤11:50→堂山12:31→アルプス登山口BS13:26

諸費用
青春18切符2,410円(奈良駅〜石山駅〜掛川駅)
バス(石山駅↔アルプス登山口往復)800円
行動食と水分約500円
夕食(掛川駅の中華)1,500円
宿泊費(朝食込み)4,900円
計10,110円