丹沢・夏休みに賑わう西丹沢と深緑の大室山(加入道山〜大室山〜西丹沢VC) | 単独行者の山行録

単独行者の山行録

未知の山々を求めて。
基本ソロ、何度も通ってる山はトレーニングに後輩を連れたり。
山行中心の備忘録。

加入道山から国境尾根を辿って引き続き大室山を目指す。
稜線上にはこの時季ならではの花々や時折開ける眺望、それに久し振りの再訪を感じさせる遺物との出会いがあった。
緑に縁取られた盛夏の甲相国境尾根。
冬枯れの時季にしか歩いたことが無い私にとっては新鮮そのもの。
箱根の山々を遠望
愛鷹山とガスを纏った頭頂部だけの富士山
前大室山。
2年前はこの先の破風口で融雪の悪路に断念する決断を下した。

シモツケソウ
オトギリソウ
ブナの古樹の幹に着生するイワギボウシ
シロヨメナ
箒沢権現山と畦ヶ丸。
遠景は箱根山と愛鷹山で、箱根山の左右に微かに相模湾と駿河湾も確認できる。
視点を右にずらすと長大な甲相国境尾根と雲隠れの富士山、それに個人的に好きな道志最高峰の御正体山。


北西には道志の今倉山や御坂の三ッ峠山、大菩薩連嶺の滝子山から大菩薩嶺の山稜が見渡せた。
懐かしい大室山の木道。
ここを最後に通ったのは山登りを始めてまだまだ間もない6年前 。
当時は真新しかった木で造られたお手製の熊よけも、遊び心が込められた木の足場も、あらゆる物の腐朽が進んでいて、年月の経過を感じずにはいられなかった。
両側をマルバダケブキに彩られたトレイル。
マルバダケブキだけやたら群生していたので、鹿は避けているのかも。

これだけ群生しているとお花畑の様相。
秋を代表するトリカブトも既に咲き始め。
間もなくマルバダケブキに取って代わるのだろう。
北側には奥多摩三山や雲取山を遠望
またもやイワギボウシ見っけ!
高いところに咲いていて中々撮りづらい^^;
12:01大室山(1,587m)登頂。
東から登った2年前 と南から登った6年前、そして今回3度目となる西からの登頂。
次は北側から···といきたいところだが、破線コースはさておき、超絶アクセスの悪い道志村が登山口というのがなぁ···。
西の肩に戻ってお昼休み。
周囲は完全にガスに閉ざされていて、薄ら寒い。
休憩を終え、犬越路へと下っていく。
本当は素晴らしい眺望の尾根道なのだけど、ガッスガス。
と思いきや、ガスっていたのは山頂付近だけだったよう。
西側に箱根山や畦ヶ丸の眺望が広がる。(期待していた富士山は全く見えないけど!)
東側は樹間に丹沢主脈北部の眺望。
最高峰の蛭ヶ岳付近は残念ながらガスの中だ。
大室山から一気に500m程下って久し振りの犬越路に到着。
緑に隠れる犬越路避難小屋
犬越路から用木沢へと荒れた沢を下っていく。
荒れたと言っても利用頻度の高いこの道は過去に何度も歩いているので余裕綽々だ。
この時季の沢コースはヒルが出そうで怖いけど···豊富な水量の沢と木々や苔の緑がとても美しい。
これらはよく訪れる秋や冬では見られない光景だ。

もう終わりだと思っていたイワタバコも数株だけ僅かに花が残っていた。

用木沢出合に無事下山。
あとは西丹沢ビジターセンターまで舗装路を歩くだけ。
帰り道のキャンプ場は午前の数組だけの静けさが嘘のように家族連れを始めとした大勢のキャンプ客でごった返していた。
ビジターセンターまでの数キロに及ぶ中川川の割と広い川原に所狭しと連なるテントや車。
冬の静寂とは一転、凄まじい喧騒に季節の対比を感じ取るのだった。
発車間際のバスを前に急いで撮影。
14:39西丹沢ビジターセンター到着。
ハイカーで満員のバスにギリギリ乗り込み、帰りも立ちん坊での帰途となった。
初めての夏の大室山は深緑に覆われた山々と動植物、水の豊富な沢の美しさが印象的な山行だった。
懸念していたヒルも見掛けることなく、来夏以降の安心材料にもなった。
コロナ療養明け2度目の山行は成功裏に終わり、体力も少しずつ戻ってきたかな?と思っていたが、次の山行ではバテ過ぎてもどかしい山行となることに。

8月11日 32,527歩
西丹沢VC8:28→用木沢出合8:51→白石峠10:37→加入道山10:55→大室山12:01→犬越路13:16→用木沢出合14:20→西丹沢VC14:39