2022/5/9 リリース

アンナラスマナラ放送(5/6)に合わせて行われた、NEWSENインタビューの和訳

(誤訳あるかもしれません)



5/6Netflixで配信された“The Sound of Magic”はミステリアスなマジシャンリウルが突然アイと夢を強要される男の子、イルドゥンの前に現れるファンタジーミュージックドラマ。

このオンライン漫画の作品「アンナラスマナラ」でチチャンウク は大人になリたくないマジシャン、リウルを演じている。ドラマでは、リウルは廃墟となった遊園地でオウムと暮らす、色々な噂が囁かれる人物。

ミステリアスな人物像を演じるにあたり、3か月間マジックや歌を学び、準備した。


-“アンナラスマナラ”は配信から2日でNetflix4位にランクされた。

JCW: 多くの人に見てもらえてると思うから素晴らしい。僕の仕事を多くの人に見てもらえるのは幸せなこと。チームメンバー全員が厳しい撮影を、試したり失敗したりを繰り返しながらベストを尽くしたから、楽しんでもらいたい。


-グローバルOTT(訳者追記:Over The Top。テレビネットワークではなく、インターネット上での世界同時配信)での出演は初めてですよね?どう思いますか?世界中の視聴者に作品がリリースされた実感は?

JCW: 実際、信じられない。リリースされてから3日くらいだけど、まだ関係者からの情報はない。もう見た?まだ直接僕には実感がない。いつもとは少し違う。グローバルOTTは初めてなんだけど、テレビのドラマ、映画、ステージとは違うテンションと興奮を感じてる。楽しいし、世界同時配信と聞いてすごいと思うし、入り混じった感情でここ何日か過ごしてる。


-キャラクターの為に子供時代の純粋さを見つけなきゃいけなかったって言ってたみたいだけど?

JCW: 自分に対してたくさん問いかけた。僕は本当にマジックを信じていたのか?子供の頃何を信じていたっけ?子供の頃の夢は何だっけ?みたいなことを。アイやイルドゥンにかなり同情を感じていたけど、なるべくセットには共感して理解しつつも、無心で来るようにした。


-マジシャンを演じる為にマジックを習って、歌やダンスのレッスンをしたと聞いたけど、どんな準備をしたの?

JCW: 歌とマジックのレッスンはかなり時間をかけた。マジックも歌も大事なんだけど、それよりリウルのキャラクター設定が一番大事だと思った。ただ、マジックも歌もキャラクターを作る為に必要だった。多くの人に協力してもらって練習した。そして監督や脚本家とキャラクターについて話し合った。音楽もだけど、声のトーン、動き方など、リウルというキャラクターをどのように表現するか、話すと長いプロセスだったことがわかる。


-マジシャンのLee Eun-gyeolがあなたにマジックを指導したけど、どれくらいのマジックを身につけたの?

JCW: マジックは34ヶ月練習した。この作品の為に彼は多くのマジックシーンをデザインした。僕は心配するより、完全に信頼して臨んだ。僕はマジックの知識はないけど、彼はエキスパートでとてもよかったから、安心して信用した。彼だけでなく、彼のチームもサポートしていた。撮影現場にも足を運んで、指導してくれた。


-マジックの訓練を受けている時にマジシャンLee Eun-Gyeolが強調した最も大事なことは何でしたか?

JCW: 僕の場合は、きちんとやること?人の前でマジシャンに見えるスキルを身につけるのと、恥ずかしがらないことのようだった。マジックチームはキャラクターに合ったマジックをデザインしたんだ。



-リウルがマジックをする時、アンナラスマナラという言葉を唱えるけど、口からこの言葉は澱みなく出た?撮影終了後もこの言葉が不意に口をついて出てくることはあった?

JCW: 言いづらいことはなかったね。むしろ、当たり前のことだったからやりにくくはなかった。撮影後はまだないな(笑笑)


-魔法を信じますか?撮影中、マジックって何だと思ってましたか?

JCW: マジックを信じるというのは見せる時の純粋に楽しむ心のあり方だと思う。「本当に消えたの?」と言われる為にやるのではなく。僕がマジックを見る時は、純粋に驚いて、「ワオ、すごい」って言う。面白いと思うのと、驚く純粋な気持ちがあれば、信じられると思う。僕はフィフティフィフティ。知ってしまった今は「どこで騙されたんだ?」「どうやったんだ?」というタイプ。そっちを先に考えてしまう(笑笑)でも若い時はそういうことは考えなかったから、完全に信じていたと思う。この作品では、マジックはその人の子供の頃の無邪気さを表現する方法だと思った。


-「マジックの準備を34か月した」と言ってたけど、一人で出来るトリックはいくつあるの?

JCW: いくつできるかを言うのは違うかな。まず、作品の中のマジックのほとんどは実際にできるもの。だから、僕も一人で出来る。カードを使った心理的なマジックや他のトリックは二つの実技を学んだら出来た。


-マジックを習って楽しかったり難しかったりしたことはあった?

JCW: 前にやったことがなかったから難しかった。手を自由に動かさないといけない。見ている多くの目、同時にやる動作、この現象を見せるパフォーマー、全てがあってこそだから。単なるトリックではなく。そういうことを一つ一つ考えるのが難しかった。おもしろかったのは、習ったあと友達に見せたら本当にビックリしていて、それを見るのが楽しかった。


-さっき難しかったけど楽しい仕事だったと言ってた。作品が完成して、今の気持ちは?

JCW: 完成した作品は見てないんだ。見る機会がなかったわけではないけど、自分が出ている作品だから、見られなかった。自分が出ている作品を見ることができないタイプだから、まだ見てないんだ。撮影中に感じたことや伝えたいメッセージはあるけど、見た視聴者だけが判断することだと思う。評価を聞いて、謙虚に全てを受け入れて、がっかりさせた点は振り返ることをすると思う。


-音楽も振り付けもよかったから、ミュージカルとして舞台化するのもいいと思うけど、そうなったら出演したいと思う?または、推薦したいミュージカル俳優はいる?

JCW: スタート時点でそういう話があったらしい。監督から「ミュージカルでやることについてどう思う?」って聞かれた。最初は考えていないと言ってたけど、後で、ソンウンとインヨプが一緒にやれたらとても意味があると言ったから、今は実際のミュージカルになればとても楽しみ。ステージでキラキラ輝く魔法の瞬間はビジュアルとして素晴らしいと思う。でもミュージカルのことはあまり深く考えていない。やるなら楽しいと思うけど。たくさん練習したし、キャラクターを作ったのは自分だからより上手く出来ると思う。素晴らしいミュージカル俳優はたくさんいるけど、可能なら、自分がやるのが一番だと思わない?(笑笑)


-あなたが出演したこのミュージカルドラマの良い点はなんだった?

JCW: 音楽とファンタジー効果でエモーショナルと温かいシーンを表現していると思う。音楽を聴いている間は少し休むことができると思う。見る内容が多いから、そこがいいところだと思う。


-韓国ではミュージカルドラマで成功したものはあまり多くないけど、プレッシャーはあった?

JCW: なかったと言えば嘘になる。かなりプレッシャーはあった。評価と結果が重荷だった。韓国での作品例がなかったから、役者としてどう演じたらいいのか?このシーンはどう表現したらいいのか?とかなりプレッシャーを感じながら撮影してたけど、重荷ばかり感じて撮影してたら楽しめないと思ったから、なるべく忘れるようにした。「The Sound of Magic 」チームのメンバーが助けてくれたし、僕を信頼してくれた。


-失敗に対するプレッシャーは?韓国ではまだポピュラーなタイプの作品ではないから、失敗のリスクも考慮すべきだと思うけど

JCW: 失敗する恐れ、重荷はいつもある。でも逃げてはいけないと思った。今までの仕事はうまくいったものが多いけど、そうではなかったものもあった。そういう仕事も自分にとっていいチャンスだったし、大きな助けになっている。失敗した経験から、怖かったけど、やりたいことをやらないで逃げてはいけないと思った。台本を読むと、「これは成功するな。これは失敗するな」って言える。結果失敗しても、終わってから気楽にはなれない。40代、50代になっても成功だけを追い続けるのはできないと思う。若い時ほしかったのはやりたいことをやるチャンスだったし、これからもプレッシャーはあるだろうけど、だからといって逃げたくはない。


-原作は読んだ?キャラクターやエピソードはどの程度再現されてるの?

JCW: 原作の半分は読んだ。最後まで読まなかったのは、原作に頼っても自分の助けにはならないと思ったから。原作のメッセージを理解するのに必要なところだけ読んだ。実際、撮影中、原作と僕が演じたキャラクターは違うとわかった。だから、僕は原作ではなく、監督や脚本家と話し合ってリウルを作り上げた。でもひとつだけ残さなくてはいけなかった。原作が伝えるメッセージと真髄を変えないということ。


-原作のファンやまだドラマを見ていない人にお勧めするなら何と言ういう?

JCW: 誰にも関係あるストーリーだと思う。貧しさ、夢、色んな人の物の見方のストーリー。みんなのストーリーだと思った。そこに目を当てれば、暖かく、楽しむことができると思う。


-原作はweb漫画だけど、リウルはむしろアニメのキャラクターだと思った。現実のストーリーとアニメのキャラクターをバランスよくミックスしなくてはならなかったから、深く考えることも多かったのでは?

JCW: かなり難しかった。リウルのキャラクターはある意味ファンタジーと現実のコンビネーションで、そして時に正気ではない。だから監督と何度も話し合った。難しかったけど、おもしろかった。他の作品をやっている時はいつも「どうしてこの人物はこういう行動をするんだ?」と考えていた。「なぜこのストーリーを語ってるんだ?」と考えながら撮影していた。でもこの作品ではそんなことを考えずに表現した。ハッピーな時は、ハッピーに。怒ってる時は怒る。なぜと聞くより、正直に感情をあるがまま表現したと思う。



-撮影中、癒しを感じたことはある?

JCW: 僕のヒーリングポイントは楽しいということだった。疲れていて現場へ行きたくないことがあったけど、不思議なことに楽屋に入るとハッピーになった。本当の遊園地へ来たみたいだった。今日がどんな日になるのか、ワクワクした。子供(アイ)と一番(イルドゥン)に誇りを持っていたし、サポートしたかった。コーチ、スタッフ、チームとおしゃべりするのを楽しんだ。そういう作品自体がヒーリングだった。もちろん、素敵なメッセージもあった。でも役者としての仕事をしながら、楽しんで、人として癒された作品だった気がする。


-原作がWeb漫画だから、見かけを漫画に似せて、自分自身とは変えようとしたように思えるけど。原作は重荷になった?原作とどれくらい似せたの?

JCW: このシリーズはHa II-Keon のライブアクションweb漫画 という物で、かなりプレッシャーはあった。感じたくなかったけど、プレッシャーはあった。傑作として多くの人から愛された作品。原作を見ればわかるけど、スクリーンで見せるのは容易ではない。web漫画 の中でもリウルはとてもクールで、それを再現するのはかなり難しかった。同じ人物ではないから、原作通りではなく、僕が表現できる最上のリウルを作り上げたかった。原作通りに短い髪にするか、原作通りの色に髪を染めるか、色んな意見があった。最後に監督も僕も、「原作の大事なところを傷つけずに、自分たちのシリーズとして再現しよう」と言った。そうやって出来上がった。視聴者がどう感じるかわからない。100%満足ということはあり得ないけど、僕たちの作品で感動する人がいると思う。僕のリウルを作るために、ベストを尽くした。


-多くの視聴者が「ハウルの動く城」みたいだと言ってる。ジブリの作品に登場するビジュアルのキャラクターだと。

JCW: 恥ずかしすぎる。「ハウルの動く城」を見たことがあるけど、自分が似ていると言うのはあまりにも恥ずかしい。言うのが恥ずかしいから、このインタビューでハウルのことを話したくなかった。でも、監督がやろうとした方向性はそうだったらしい。キャラクターについて話し合った時、よくハウルのことを話してた。僕としては、「ハウルってどう演じればいいんだ?」と呟いていたけど。監督が言ったように、ハウルをコピーすることもしたくなかったけど、キャラクターの方向性は似ていると思う。それは、ハウルが純粋でカラフルな外見だから。ハウルって近寄り難い人じゃなかったっけ?


-ソンウンとインヨプが共演者だった。彼らはどんな役者?

JCW: 過去の僕自身を見ているみたいだった。ソンウンはすごくいい。彼女はキチンとした友人で、貪欲になる方法を知っていて、セットにいい雰囲気をもたらすことができる人。彼女に頑張って貰いたかったから、やりたいようにやらせてあげたかったし、現場で出来るだけ気持ちを楽にしてあげたかった。僕の気持ちがどれくらい伝わっているかわからないけど、友人として一緒に撮影できて楽しかった。インヨプはまた違った意味で魅力的な友人。ソンウンと同じように励まして、シーンがいつも厳しいものではなく、安楽さを感じてほしかった。すごくクールな人。二人とも、きっとこれからもうまくやっていけると思う。撮影を楽しめたのは、2人がついて来てくれたからだし、友人として扱ってくれたから。2人とも、素晴らしい役者。



-アイのマジックで消えたリウルはどこへ行ってしまって、どう生きてるの?終わったけど、先が開いたままのエンディングだった

JCW: 撮影現場でもそのことをたくさん話し合った。撮影では、アイがマントをかぶせた時、僕はステージの床にあるドアに隠れた。ファンタジードラマだけど、現実は違う。僕はステージの下に抜け道があって遊園地の裏側の出口から出て、他の遊園地を探すのかなと思った。でもそれだと子供の純粋さを破壊することになる。だから、リウルがどこかで夢を追いかけながら、人々に希望と夢を分かち合う綺麗なエンディングを想像してる。


-大人のためのおとぎ話のように感じた。アンナラスマナラ以降、考え方や生活でどんな変化があった?

JCW: これはおとぎ話で温かいストーリー。台本を読んだ瞬間、僕は自分のストーリーが浮かんだ。貧しさ、成績、若い頃の夢。そういうことが心に沁みた。この仕事の前にはよく「自分は誰なのか」、何が好きでどんな人になりたいのか?ということをいつも考えていた。この作品に取り掛かっている間、そのような心配が更新された。僕の価値観は大きく変わっていないと思うけど、より深く考えることが出来た作品だった。


-リウルの高校時代のシーンは印象的だった。リウルに繋がるような、勉強とか親の期待とか、心理的に辛く、乗り越えにくかった時期はあった?リウルの気持ちをどうやって理解したのかと思って。

JCW: いつも心理的に乗り越えるのが大変だった瞬間があった。選択するときとか、生活とか。お金のことで不安で疲れていた時もあるし、学生の頃はかなり勉強のストレスもあった。そういう心理的なプレッシャーで大変な時があったから、他の人のストーリーではなく、自分のストーリーだと思った。ドラマではリウルの気持ちに純粋な気持ちでアプローチする様にした。だから、全て正直に表現した。楽しいと思ったら何も考えずに楽しんだし、怒ってる時は本当に怒った。人の無垢な感情がどんなものかは言いにくいけど、シンプルに考えて「正直さ」だと思う。他の人を気にしないで自分を正直に表現できる?他の人にはリウルは変わった人に見えるけど、純粋な子供で殺人者にも見える。良い人か悪魔かは別にして、正直じゃない?


-家族が難しかった環境は想像できないんだけど。だってあなたは韓流スターの代表でしょう?アイを見たとき、同情した?

JCW: どう言ったらいいのかな?ある面で僕は普通に育ったし、ある面では辛い思いをしながら育った。僕はシングルマザーの母に育てられた。子供の頃父が亡くなった。その時に大きな喪失感を感じた。まだ小さい頃に現実はそんなに簡単じゃないことを感じた。だから、自分の子供の頃を思うと少し鬱だったと思う。幸い、母の愛情で乗り越えられたけど。


-重荷だったと言ってるけど、何でこの作品を選んだの?

JCW: 台本を読んだ時、重荷だとか難しいだろうと感じる前に感動した。「これは僕のストーリーだ」と感じたからやることにしたし、「イルドゥンを応援しなきゃ」と思ったから。台本を読んで、「難しいかもしれないけど、やれば面白いかも」って言ったんだ。何かよくわからない自信とか期待が入り混じって、うまく表現できることがうれしかった。


-あなたは少年みたいな役者だよね。最近無邪気な行為はあった?そしていつ自分が大人になったと思った?

JCW: 実のところ、割と無邪気に生きている。未熟ということかもしれない。自由と幸せを願いながら生きている。そういうことを大切にするから、ちょっとだけ純粋に見えるのかもしれない。僕が常に頼って来た母は、ある時から僕を頼るようになった。僕の責任を担って来た親だけど、今は自分がその時の親のように自分の責任を担っている。そうなった時に一家の長として大人になったと感じたし、重荷を背負いながら生きるべきだと思った。


-素晴らしい大人ってどんなだと思う?そしてどんな大人になりたい?

JCW: いい大人ってわからない。でも、漠然と、大人ってまだ大人になっていない友達を惹きつけることができる人かなって思う。リウルはアイやイルドゥンを通して問い続ける。自分に聞いてみて。それは正しいの?それが本当にやりたいこと?僕は自分のことを、まだ成長していない友達をいい方向に導ける質問をする人だと思う。そういう人になりたい。「それは違う」と言うのではなく。若い時、素敵な人になりたかった。答えをあげられる人になりたかったと思う。それがクールだと思ってた。でも今は、問題について考えられ、その人と話せて、正しい答えに導ける質問ができる人だと思う。


-役者チチャンウクにとって「アンナラスマナラ」と言う作品はどう記憶されるのか?

JCW: 後で思い返した時に、嬉しい記憶、いいチームメンバーと会えた思い出として残ると思う。新しいチャレンジだったし、自分の殻をまた一つ破る挑戦だった。どういう役者になるかということを考えたとき、一度に一つの作品をやることで、その作品が体に彫り込まれるみたいに感じる。消えない作品を体に彫り込んでいると思う。だから、心配事もたくさんあるけど、後で振り返った時、未来のその時の自分をつくっている作品だと思う。



©️Newsen/ Netflix 

和訳:YuYa