(これまでのあらすじ)
手に手を取り合って、仲睦まじく走り回るセルタ男とわたし!
そんな、のどかな時間の隙間に潜む狂気とは!?
突然わたしに牙をむいた彼の本性とは!?
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彼には、少し癖があります。
低速で、回転あげずに2速にシフトアップした際、ストンと止まってしまうことがあるんです。
まあ、そこが可愛いところでもあるんですけどね!
(それ、シングルに慣れてないだけ… ていうか、腕が悪い…)
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で、有頂天になって河原を走り回っていたわたしが、この時も、つい無造作にシフトアップすると…
ストン…
おっとっと!
バランスを崩して、左足を着くと、そこは砂利…
ズル!
なんとか踏ん張ろうと試みるも、足つきが悪い上に、高い重心の車体は、すでに30度くらい傾いてます。
「あっ! あかん…」
ゴロン!!
ギャー!
しかも、足が挟まった!
「痛て~よ!か~ちゃん、助けてよ!」と、ジタバタするものの、足は抜けません!
いくら軽いと言えども、200Kgはあるセルタオの体は、びくともしないのでした!
(こんな感じに、上を向いた足のつま先に、セルタ男のエンジンが乗っかったのです)
しか~し!!
火事場の○○ぢからを発揮したわたしは、腕だけでふんぬ!と車体を持ち上げ、なんとか脱出しましたよ!
フー、フー、フー!
肩で息するわたしを、河原の上から、軽トラに乗ったおばちゃんが、じっと見つめています。
「こんなとこ、走っとるから、転ぶんよ。 ハハハ!」
「そ~ですね~。 フフフ!」
「足を挫いてしまいました。バイクを起こすの手伝って頂けませんか?」
「あたし? 無理、無理! ハハハ!」
「そ~でしょうね~。 フフフ!」
などと、不毛な会話を続けていたところ、横にいたおっちゃんが手を貸してくれました。
そういえば、「オフでの転倒は、勲章なり!」と、慰めてくれた方がおりました!
「ふっ… 年甲斐もなく、少々、ヤンチャだったかな…」
(いや、ただの立ちごけだし…)
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動揺気味のわたしは、へそを曲げて転がったセルタ男を、穴のあくほど見まわします。
プラスチックのハンドルガードがグニャリとなり、クラッチレバーがポキンと逝ってます…
幸いにも、レバーは半分ちょっと残ってました。
とっても軽いクラッチのおかげで、2本指で問題なさそうです!
挟んだ足がズキズキしますが、折れてたとしても、骨折度数1くらいの軽傷ですね!
(骨折マスター、またの名をボーンクラッシャーと呼ばれるわたしくし、骨折具合を瞬時に判断できるのじゃ!)
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今日は、久しぶりにいい天気の休日!
貧乏性のわたしは、もったいないので、予定どおり走ることとしましたよ。
(踏ん張れないので、今日のオフ探検行は終わりじゃ…)
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その後、意味もなく南伊豆の先端まで行き、美味しいアジフライを食ったのでした!
帰りはさらに意味なく、西伊豆の海岸線を、延々と100Km以上北上して帰って来ましたよ…
(セルタ男よ! 機嫌は直ったかい?)
南伊豆のどこまでも碧い海が、傷ついたわたしの心と体を癒してくれました。
また来るぞ!伊豆の石ころ道よ!!
次は、リベンジじゃ!!
(立ちごけのね…)
この日の走行距離、400Km少々でした。
次は、もうちっと、ガチッとしたハンドルガードにしましょう!
(あ~、諭吉が飛んでいく…)
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充実した一日を締めくくるべく、わたしは、痛む足を引きずりながら、最後の目的地へ向かいます!
(リンボーダンスじゃないよ…)
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あっ、ちなみに、週明けにお医者へ行ったところ、おかげ様で大事に至らず済みました!
(また、ひと夏を棒に振るとこでしたよ…)
おしまい。