(前回までのあらすじ)
人馬一体!
生還を誓い合ったKとわたしは、戦いの地へと赴くのでした!(ビール飲んだけど…)
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「手術は明日の朝一番です。8時までは水分摂ってもいいですよ。」
「浣腸はしません。バルーン(おしっこの管)は、麻酔が覚める前に抜きます。」
「昼頃終了予定なので、夕食からお粥を出します。」
なんだか、簡単な手術みたいですね!
こう見えても、わたしは全身麻酔手術4回目!
その辺のトーシロとは違うのだよ、フフフ…
「マスター・オブ・ZENMA」なのじゃ!!
でも、実のところ、これまでの手術には、残念ながらいい想い出がありません。
(ていうか、手術でいい想い出ってないでしょ…)
「先生、わたし、これまでの手術では、いつも術後の痛みに悩まされているんですよ。」
「疼痛管理には最善を尽くしますよ、ご安心ください。あっ、でも喘息かぁ、だめかなぁ…」
(いま、だめって言った!?)
なにやら不吉な予感を抱いたまま、わたしは、手術室へ向かうのでした。
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「○○さん、緊張しないでくださいね、すぐ終わりますよ!」
(だから、俺、マスターだって言ってるでしょ!)
酸素マスクを着けて、点滴の管から麻酔薬が入ると、あっという間に意識がなくなります。
で、次の瞬間には、終わってました。
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「○○さん、聞こえますか? 深呼吸してください!」
「手術は、予定どおり終わりましたよ。」
気付いた時には、もう病室のベットの上です。
「いあ、あんひえふあ?」(いま、何時ですか?)
「ええ、大丈夫ですよ。」
「…」
「麻酔が切れてくると、だんだん痛みが出てきます。座薬を入れておきますか?」
「おえあいひあふ」(お願いします)
「じゃあ、痛くなったら呼んでくださいね。」
「…」
なんだか、話がかみ合いません…
(ていうか、わたしの口が噛み合ってないよ…)
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術後4時間は、完全に麻酔が覚めるまで安静にしていなくてはなりませんが、
バルーン(おしっこの管)や、ドレーン(鼻から胃に入れるチューブ)もなく、
不快な思いをする心配もありませんよ!
恐れていた痛みもなく、鏡で顔を見ると、たいして腫れてもいないようです。
(先生ったら、大げさなんだから…)
(マスターのわたしには、少々、易しすぎ?)
麻酔が覚めず夢うつつのわたしは、痛みを感じないのは薬が効いてるおかげ、
顔が腫れるのはこの後ということに、気づく術もありませんでした…
(つづく…)