(前回のあらすじ)
恐怖の病、「濾胞性歯嚢胞」に侵されたわたしが見た地獄とは!?
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頭部パノラマ(頭蓋骨が立体に写るかっちょいいレントゲン)やCTを撮った後、
最初のおやじ歯医者とは大違いの、穏やかな紳士の先生が説明してくれます。
もう、この時には、ネットで調べた「にわか仕込みの知識」ですっかり頭でっかちのわたくし、
覚悟を決めておりますよ…
「嚢胞を放っておくと、成長することはあっても、縮まることはまず無いので、
外科的に摘出するのが一般的ですね。」
「お願いします!」(この辺は、想定内!)
~
「右下顎と同じ病変が、左下顎にもありました!」
「うげっ!」(それ、想定外!)
~
「手術は全身麻酔で行い、9日間ほど入院します。
顎の骨を削り、横を向いてる埋伏歯(骨の中に埋もれた歯)を三分割して抜去した後に、
嚢胞を摘出します。」
「術後、数日間は結構脹れます。顎骨に大きめの穴が開くので、
両方一緒にやるとしんどい思いをしますが、片側ずつ順番にするのも、
それはそれでしんどいです。どうします?」
「一度にやっちゃってください…」(半泣き…)
~
「摘出後の創腔は、閉塞すると化膿する恐れがあるので、開窓したまま2か月程かけて、
骨と歯肉が再生されてくるのを待ちます。
その間は、抗生物質に浸したガーゼを詰めて一週間ごとに交換しますが、少し痛いです。」
(あらららら…、ていうか、絶対に「少し」じゃないと思う!)
(簡単に言えば、顎の骨、丸見えの状態で過ごせ!と言うことですね!)
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「嚢胞が、顎骨中を走る神経を巻き込んでいるので、摘出後に神経障害が起きる可能性が
ありますが、運動神経ではなく知覚神経なので、外観からは分かりません。
下唇から顎にかけての感覚がなくなったり、ピリピリとした疼痛が続く恐れがあります。
神経障害は、薬物治療で改善することもあります。」
(放心状態…)
~
そうです。
ここは、専門用語が飛び交う医療現場の最前線!
眼前に立ちふさがる、この現実!!
そして、この絶望的な状況に、果敢に立ち向かうわたし!!!
そう、これはまさに!!
「キング・オブ・OYASHIRAZUとの戦い」と言っても過言ではありません!!
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それは、日増しに暖かさを増す4月の出来事でした。
6月の手術を予約したわたしは、とぼとぼと帰路に着いたのでした…
(なんか、めちゃめちゃ痛そうだよ…)
ていうか、毎年こんなことやってる気がするし…
(つづく)