マジごけと立ちごけ(あるいは握りごけ)…、
どちらも同じ?いいえ、言葉の重みが違います。
「マジごけ」、その一言の中には、危険な男の香りが漂います。
両者の境はどのあたりにあるのでしょうか?
私の中では、時速30km位がその境界にあたります。
甘すぎないか? いいえ、そんなことはありません!
忘れもしない7月20日、PCXでの帰宅途中、約40km/hで自爆しました。
立派なマジごけですね。
見通しの悪い左カーブで前から来た車を避けようと、
不用意にブレーキをかけながらハンドルを左に切った途端、
先程まで降っていた雨で濡れた路面は、容易にPCXの前輪からグリップを奪います。
瞬間、左肩から路面に叩きつけられた私は、その衝撃とあまりの激痛でしばらくの間、
身動きがとれませんでした。
これまでの経験値をもとにした痛さメーターで言うと、
盲腸で悶絶したときと、寝ていて耳にカナブンが入ったときに匹敵する痛さ度MAXのBEST3です。
ただ不幸なことに、傍から見るとたいした事故には見えなかったようです。
後ろの車は、何事もなかったように追い越して行きます。
それでも前から来た車の運転手の方は、いつまでも動こうとしない私に
「大丈夫?救急車呼びましょうか?」とやさしい言葉をかけてくれました。
唯一動く右手を挙げて「お願いします…」と、か細い声で私は答えたのでした。
(続く…)