「アンダー・ザ・ドーム」
スティーブン・キング
★★★★☆
ドラマの「アンダー・ザ・ドーム」を見て、なかなか面白かったので、キングの原作小説を読んでみました。
ドラマの感想はこちら↓
ドラマが面白くて原作読んだんですけど、結局は
原作の方が断然おもしろかった!!!
です。
さすがキングです。
キングの小説は基本ハズレなしですね。
この手のSFっぽい設定のものや、ホラーっぽい設定のものを書かせたら本当に世界最高の作家ですよね。
クオリティも凄いんですけど、それを量産してるのが本当に凄いなぁと思います。
さて、今回読んだ「アンダー・ザ・ドーム」なんですけど、ドラマとはまったく違った内容でした。
そもそも、町がドームに包まれて外界から断絶してしまうって設定がすでに面白いので、その中でどんなドラマが起こるのかってのが見ものなんですけど、ドラマよりもかなりハードな内容のストーリーになっていてビックリしました。
大まかな流れはドラマも原作も同じです。
アメリカの片田舎の町チェスターズミルがある日突然透明のドームに覆われて外界と断絶されてしまう。
町政委員のビッグ・ジムはこの機会に自身が権力を掌握し、町を支配しようとたくらむ。
ジムの息子、ジュニアは殺人を犯したにもかかわらず、町の警察官となり、警察の暴走が始まる。
街でコックをしていた元軍人のバービー、地元紙の記者ジュリア、医師助手のラスティなどはジムやジュニアの危険を把握し、なんとか町を良い方向へもっていこうとするが・・・・
閉鎖された町の中で、権力を掌握し町を支配しようとするジム・チームと、それに対抗するバービー・チームの攻防というのがこの物語の大きな流れです。
そこに、このドームの謎が絡まってくるんです。
このドームの存在理由がドラマとは全く違っていて、やはり原作のドームの存在理由の方が凄く面白いんです。
自分の好きなSF小説「ストーカー」の設定にもちょっと似ていいるような感じがして面白いです。
「ストーカー」の感想はこちら↓
ドラマはドームの存在理由が結構しょーもないんで、この辺が残念だったんですけど、原作では最初から最後まで凄く面白くてハラハラする展開が続いて面白ったです。
そして、キングの小説の面白いところは、小説の中に普通にキングの作品名とかが出てくるんですよね。
ドームが現れた時に
「これは軍の実験じゃないか!?」
みたいな噂が出るんですけど、それがキングの「ミスト」みたいだ、みたいなことが出てきたりするのが凄く面白いですね。
軍の事件で奇妙な事態は発生するといえばやっぱりワシの「ミスト」やろが!
みたいなキングのノリが好きです。
あと、個人的に「おぉ」って思ったのはドームが現れてすぐに死んじゃうおじさんがLCDサウンドシステムの曲を聴きながら死ぬんですよね。
この曲のチョイスが素晴らしいなぁ、と思います。
その時に流れていた曲はこちら↓
あと、ジョーって少年がクリスマス隠し芸大会でダンスを踊って喝采を浴びたってエピソードがあって、読みながら
「ナポレン・ダイナマイト」みたいやなぁ~
って思っていたら
映画ナポレン・ダイナマイトのようになることはジョーの野望ではなかった。
って書いてて、笑ってしまいました。
映画「ナポレオン・ダイナマイト」伝説のダンスシーン↓
この物語の面白いところというか、恐ろしいところが権力を持っているチームが圧倒的に悪いってところだと思います。
警察が悪かったらもうどうしようもないじゃん!
って思っちゃいますよね。
その辺の恐怖と、簡単に主要人物が死んじゃうので、先の展開が全然読めないところ。
次に誰が死ぬのか全くわからないんですよ。
この辺は凄く面白かったです。
この手のエンターテイメント小説を書かせたらやっぱりキングは最強だなぁ、と改めて感じました。
全四巻とちょっと長いですけど、最初から最後までハラハラドキドキの展開で目が離せないので、気になった方はぜひ読んでみてください。
こちら↓(画像をクリックで移動します)のサイトで、写真、イラスト、DJなどの作品を公開しております☆よかったら遊びに来てくださ♪