子供の頃、よく「宇宙はどんな形をしているのだろう?」「宇宙の外は一体どうなっているのだろう?」と妄想にふけっていました。
僕の名前が『宙希』という宇宙をイメージする名前だということも関係していたのかもしれません。
皆さんも一度は果てしない宇宙に思いを馳せた事があるのではないでしょうか?
この宇宙の形について真剣に考え、ある予想を立てた数学者がいました。数学者の名はアンリ・ポアンカレ。
彼は数学だけではなく物理学、哲学などあらゆる学問をマスターし、レオナルド・ダ・ヴィンチやアイザック・ニュートンとも並ぶ「知の巨人」と称された人物です。
彼は自らの論文集『位相幾何学への第五の補足』の中でひとつの問い掛けをしています。
「検討しなければならない問題が最後にひとつ残っている。基本群が同相に置き換えられても、単連結体にならない可能性はあるか」
さて、この問い掛けの意味するものは一体なんでしょう?
数学的表現ではこう表されるそうです。
「単連結な三次元閉多様体は、三次元球面と同相と言えるか」
ちんぷんかんぷんです。
実は、この問い掛けは宇宙の形と構造に関係がある数学の問題なのです。
ポアンカレの予想はこうです。
「誰かが長いロープを持って宇宙一周旅行に出かけたと想像してみてください。その人物が旅を終え、地球に無事戻ってきたとしましょう。そのとき、宇宙にグルリと巡らせたロープをたぐり寄せると、ロープを必ず回収できるでしょうか?もしロープが必ずできたならば、宇宙は丸いと言えるはずだ」
先程よりは解りやすいのではないでしょうか?
アンリ・ポアンカレがこの予想を立てたのが1940年。今から100年も前です。
この問題が100年間数々の数学者を悩ませることになる『ポアンカレ予想』と言われる数学の難問なのです。
そして、この難問は2006年一人の天才数学者によって解決します。
天才の名はロシアの数学者ゴレゴリー・ペレルマン博士。
2006年、この偉業に対しノーベル賞以上に価値のある数学の賞であるフィールズ賞が与えられた。
しかし、ペレルマンは賞を辞退。
100万ドルの賞金にも一切興味を示さなかった。
そして、ペレルマンは失踪。数学界から姿を消した。
僕はこの『ポアンカレ予想』をめぐる数学者達の100年に及ぶ戦いの歴史が好きです。
始めて『ポアンカレ予想』の存在を知ったのは2007年でした。
たまたまテレビで見たポアンカレ予想の特殊番組。この番組を見た時、僕は少々興奮気味にこんな日記を書いています。
2007年10月23日の日記↓
http://ameblo.jp/plasticlabel05/entry-12262221657.html
いやー自分でも久しぶりに読みましたが、面白い日記ですな!(笑)
なんか今より面白い文章書いてますね、3年前の俺f^_^;しかも、解りやすいし!
少し肩の力を抜いて文章書こうと思います。
はてさて3年前にこんなに熱い日記を書いといて、なぜ今再びポアンカレかと言いますと実は本を読みました。
日記で紹介している番組の本を読んだんで、また熱いものが込み上げてきたので書かずにはいれませんでしたf^_^;
当時の日記を読んでいただければ、番組の内容は大まかに理解していただけると思います。
この物語の面白いところは、とにかく妄想力が半端ではない!ってとこに尽きます。
まず、「宇宙の形を宇宙の外から見る以外の方法で知ることはできないもんか?」と考え、「宇宙に巡らせたロープを回収出来たら丸いやん!」と思ったアンリ・ポアンカレの妄想はヤバイでしょ?(笑)
そして、100年間様々な数学者がこの化け物みたいな『ポアンカレ予想』という難問に立ち向かうのです。
数学者達もまた素晴らしい妄想力でポアンカレ予想に挑みます。
50年代には天才数学者二人の激しいライバル関係がありました。
一人はギリシャ出身のクリストス・パパキリアカプーレス博士(通称パパ)、彼は人生の全てをポアンカレ予想に捧げた一人です。
全ての時間をポアンカレ予想の証明に費やしました。数学の世界では当時「最もポアンカレ予想に近い男」と言われた天才でした。
もう一人はドイツ出身のウルフガング・ハーケン博士。
彼はポアンカレ予想についてこのような事を話しています。
「いつも証明の98%までは簡単にたどり着くのですが、あと一歩で失敗しました。でもそのうちに解決策が見つかり、しばらくはそれに夢中になる。それがダメだとわかる頃、また他のアイデアが出てくる。そうやって精神的に振り回され、ドンドンはまりこんでいきました。最初持っていた希望はやがて絶望に代わり、最後には自分の怒りをコントロールできなくなる。それが、ポアンカレ予想の罠なのです」
いかにポアンカレ予想が恐ろしい敵かわかる言葉ですね。ゆーたらフリーザみたいなもんですわ。
一見弱そうに見えて実はめっちゃ強くて、誰も勝てない!みたいな。ちょっと違うか(^_^;)
一向に証明できないハーケン博士はこう考えるようになります。
「ポアンカレ予想そのものが間違っているのではないか?」
ここに、「ポアンカレ予想は正しい」ことを人生全てなげうって証明しようとしたパパと、「予想は間違っている」ことを、最新のテクノロジー(当時では珍しいコンピュータ)を使って確かめようと目論んだハーケンの激しいライバル対決が始まった!
パパは研究に没頭するあまり人付き合いが一切なくなり、数学に全てを捧げた。
一方、ハーケンは問題が解けず精神を病んでいきます。
しかし、この対決は突然終わりを告げます。
パパが胃ガンでこの世をさったのです。
パパ亡き後、ハーケンはポアンカレ病から抜け出すため、「四色問題」という別の難問に挑戦します。
ハーケン博士はみごと四色問題を解決し、ポアンカレの呪縛から解放されたのです。
次に登場するのは60年代に現れた画期的なアイデアでポアンカレ予想に挑んだ天才、人呼んで「次元の壁を破った男」スティーブン・スメール博士!
この異名みたいなんかっこよ過ぎ!!(笑)
スメール博士は三次元の空間にロープを巡らすのではなく、高次元の宇宙にロープを巡らせてみたのです。
四次元や五次元や六次元の宇宙なら解けるかも。そして、六次元が解けたら、五次元へ、五次元が解けたら四次元へ、四次元が解けたら三次元の問題であるポアンカレ予想も解けるだろう!とゆーまさにポアンカレ予想に対する奇襲攻撃!!
この高次元の説明については難し過ぎるので僕には説明できませんf^_^;
しかし、実際にジョン・ストーリング博士が「七次元以上の宇宙」でのポアンカレ予想を証明し、E・C・ジーマン博士が「五、六次元の宇宙」でのポアンカレ予想を証明し、マイケル・フリードマン博士が「四次元の宇宙」での証明に成功。
さて、いよいよ三次元宇宙のポアンカレ予想が解決も時間の問題、と思われていましたが…ついに三次元宇宙での証明は誰も出来なかったのです。
ポアンカレ予想の研究が行き詰まりを迎えます。
そして、80年代初頭数学界を震撼させる天才数学者、マジシャンの異名を持つウィリアム・サーストン博士の登場で、ポアンカレ予想の研究は飛躍的に進歩することになります。
と、ここで一度休憩タイム♪
続きが気になる方は後半を待て!!引っ張るんかい!!(笑)