「パンズ・ラビリンス」
★★★★★
【公開】2006年
【製作国】メキシコ、スペイン、アメリカ
【上映時間】119分
【監督】ギレルモ・デル・トロ
【原題】El laberinto del fauno
ギオレルモ・デル・トロ監督によるダーク・ファンタジーの傑作。
何度も観ている映画ですが、ブログに感想を書いていなかったので、改めて観てみました。
やはり、傑作だな、と感じました。
最近、劇場で公開されていた「クリムゾン・ピーク」(感想はこちら)がいまいちな出来だったんですけど、この「パンズ・ラビリンス」はやっぱり傑作でした。
スペイン内戦時代を描いた映画といえば個人的に「ミツバチのささやき」(感想はこちら)が大好きなんですけど、この映画も全く雰囲気の違う映画ですが大好きです。
スペイン内戦で父親を亡くした少女オフェリアは、妊娠中の母親と母の再婚相手である独裁政権軍の大尉ヴィダルの元へ向かう。
ヴィダルの指揮する隊は森の中にある砦に拠点を置いており、森にいるレジスタンスと戦っていた。
オフェリアはフェアリー・テイルが大好きな空想好きの少女。
オフェリアは新たに移り住んだ砦を囲む森の中で、妖精を見つける。
妖精の導きにより、森の奥にある迷宮で迷宮の番人であるパンと出会う。
オフェリアはパンから、地底にある魔法王国の姫であるということを聞く。
そして、魔法の国の姫であることを確かめるための試練をオフェリアに与えるパン。
絶望的な現実世界から逃れるため、オフェリアは試練に挑むことになるが・・・・
といった内容です。
現実の世界では、冷酷な大尉である新しい父親を受け入れることが出来ない少女オフェリアが、幻想世界の姫であると聞かされて、なんとしても魔法の国に行きたいと願い数々の試練に立ち向かうというもの。
これだけ聞くと、なんとなく「ネバー・エンディングストーリー」や「ラビリンス」やらを思い出してしまいますが、この映画はその辺りのファンタジー映画とは一線を画す内容となっています。
その大きな理由が
絶望的な現実
とうもの。
オフェリアのいる現実の世界はあまりにも残酷で厳しい世界です。
今いる母やまもなく生まれる弟を捨ててでも、魔法の国へ帰りたいと願うのもうなずけます。
過酷な現実と、幻想世界の試練の狭間で少女が悩みながらも成長していくんですけど、この映画はとにかくラストが凄いんですよね。
内容はネタバレになるので伏せますが、この手の終わり方の映画って特に新しいわけではないんですけど、他の映画に比べるときっと受け止め方が全然違うと思います。
かなり良くできた脚本のおかげだと思うんですけど、ラストは色々と思うところがあるものになっていました。
そして、この映画の見どころの1つは、まず主人公の少女の可愛らしさ。
でも、この子ちょっと間抜けな部分もあって、パンの試練で
決して食べたり飲んだりしてはいけない
と言われている場所で、なにを思ったのか食べちゃうんですよね。
しかも、その場所にはこんな↓がいるのに!
こんな恐ろしいやつがいる場所で物が食べれるって凄い神経だな、って思います。
しかも、食べちゃ駄目って言われてるんですよ。
食べたら案の定こんな感じ↓になって追いかけてきます。
このシーンはこの映画の中でも本当に見せ場の1つでしょう。
凄く怖い!
こんなのに追いかけられたら正気を保ってることができる自信ないです。
見どころその2としては、やはりその世界観の素晴らしさ。
これは、最新作の「クリムゾン・ピーク」でも素晴らしかったんんですけど、こちらも凄くいいです。
ダークで幻想的な世界観を徹底して作り上げている感じがして観てて凄く楽しめます。
そして、見どころその3としては、やはり現実世界の人々です。
オフェリアの母親は生きるために、冷酷な大尉と再婚。
冷酷な大尉であるヴィダルもどうやら、心になにかを抱えている様子。
父親との関係によって自分の運命を決められてしまっているようで、冷酷な自分をあまり好きではない感じが漂っています。
そして、レジスタンスでヴィダルの砦にスパイとして潜入しているメルセデスという女性。
強い意志を持った彼女は、ヴィダルとの対決シーンもあります。
ってか、この人はヴィダルと殺すチャンスがあったのに、なんで殺さなかったんだろうか・・・
ってめっちゃ思いました。
現実世界の人間たちのドラマも凄いし、そんな現実から逃げ出したいオフェリアの姿も健気で応援したくなります。
そして、ラストに現実と幻想の世界が交差するくだりは必見でしょう。
ダーク・ファンタジーの傑作だと思います。
気になった方は是非ご覧にになってください。
予告編
こちら↓(画像をクリックで移動します)のサイトで、写真、イラスト、DJなどの作品を公開しております☆よかったら遊びに来てくださ♪