映画「ウィスキー」 | 渋谷宙希のブログ

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「ウィスキー」
★★★★★

【公開】2004年
【製作国】ウルグアイ、アルゼンチン、ドイツ、スペイン
【上映時間】98分
【監督】フアン・パヴロ・レベージャ
【原題】Whisky



2004年カンヌ国際映画祭オルジナル視点章、国際評価連盟賞を受賞。



お酒の映画ではありません。


南米では日本で言うところの


「はいチーズ」





「ウィスキー」


って言うらしいんですけど、そっちの意味のようです。


そして、ウルグアイの映画です。


ウルグアイの映画って他にあまり知らないんですけど、この映画は初めて観た時に


凄く面白い!



って思った記憶があったんですけど、どんな内容だったかさっぱり覚えてなかったので、久しぶりに観返してみました。


そしたら、


やっぱり、めっちゃ面白い!


って思いましたね。


凄くいい映画です。


基本的には登場人物は3名。


おじさん、おばさん、そして、おじさん。


この3人の数日を描い作品です。


若者は出てきませんし、大きな事件や出来事も起こりません。


あくまで淡々と物語は進んでいきます。


道理で内容さっぱり覚えてないわけだ。



と思いました。




ウルグアイで靴下工場を経営するハコボ。


ハコボの工場は女性の従業員が3人だけの小さな工場。


工場つ勤める中年女性のマルタは工場では責任者の立場で社長であるハコボを支えている。


社長が出勤する前に出勤し、機械の電源を入れ、ハコボにお茶を入れる毎日。


仕事終わりに映画を観に行ったりする。


ハコボの母が最近亡くなり、お墓を建てることに。


その式典のため、ハコボの弟でブラジルで同じく靴下工場を営んでいるエルマンが久しぶりに帰ってくることになった。


ハコボは弟エルマンに結婚していると嘘をついていたので、マルタに妻の役を引き受けてくれないか?とお願いする。


二つ返事で引き受けたマルタはエルマンが帰ってきている間ハコボと夫婦を演じることになる。


そして、3人の奇妙な共同生活が始まった・・・・・






といった感じの内容です。


本当にハコボ。マルタ、エルマンの3人の中年しか登場しません。




なのに、めちゃくちゃ面白いんですよね。


この映画は登場人物たちの心理描写などは一切なし、セリフもほとんどがうわべの会話なので、登場人物たちふぁそれぞれに何を考えているのかさっぱりわからないんです。



そこが、この映画のおもしろさになっていると思います。


まず、紅一点のマルタですが、彼女はおそらく社長のハコボにちょっとだけ好意を抱いていたのではないか?と推測します。


妻の役をしてくれ、と頼まれてから美容院に行ったり、お化粧を入念にしたり、いつもと違った洋服を着て行ったりして、女性らしさをどんどんと出してきます。


さらに、会話のつじつまを合わすために細かいところを打ち合わせしておこうと、ハコボに提案します。


共通の設定を考えるために2人で時間を作らなければなりません。


こんな提案は嫌いな人にはできないでしょう。


さらに、2人の写真が必要だと言い、一緒に写真屋さんへ行き撮影します。



この辺りを観ていると、やはりマルタはハコボに少し好意をもっているのでは?って思ってしまいます。


一方のハコボなんですけど、このおじさんはとにかく鈍いのか鈍感なのか、それとも女性に興味がないので、その辺のマルタの気持ちを察する様子はまったくありません。



いつものようにひたすら靴下を作っています。



そして、もう1人の登場人物、ハコボの弟エルマンです。



彼はブラジルでそれなりに成功しているようで、経済的にも気持ち的にも余裕があるようで、おしゃべりも達者です。


ハコボとは兄弟とは思えないほど正反対です。


そんなエルマンとの共同生活がしばらく続くのですが、終盤になると


おや?マルタの気持ちがエルマンにいっている??


って思えるシーンが度々あります。


一緒に海を眺めながら、マルタが”どんな言葉でもさかさまから言える”という特技を披露します。


この時の2人の笑顔はハコボと一緒にいる時の笑顔とは明らかに違います。



観光地のホテルのプールで一緒に遊んだり、さらに、ホテルの部屋に帰ってこないハコボを待っていたマルタが1人でエルマンの部屋を訪れるシーンがあるのですよ。


なにがあったってわけではないと思うんですけど、なんのために部屋に行ったのかは語られません。


極めつけはエルマンと分かれる際、手紙を渡すシーンがあります。


「飛行機で読んで」


と言って紙きれを渡すんです。


そこにどんなことが書かれていたのかは謎です。


この辺のシーンがあってから、ラストシーンへと繋がっていくんですよ。


妻の役を引き受けてくれたマルタに対してハコボは大金を渡します。


次の日、いつものように出勤するといつもハコボより先に来ているはずのマルタが来ていません。



他の従業員が出勤しても、まだマルタが来ないので、ハコボは従業員に


「マルタに電話してくれ」


と言って映画は終わります。


はたして、マルタはどうして会社へ来ないのか??



ただ単に、体調を崩しただけなのか?


それとも・・・・・


てゆーか、そもそもあんな大金渡したら誰だって仕事行かないよ。って思いましたけどね。


マルタが手にした大金でなにをするのか?


皆さんもぜひ映画を観て想像していただいきたです。


間違いなく傑作だと思いますよ。


気になった方は是非ご覧になってください。






予告編












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