「道頓堀川」宮本輝
★★★★☆
少し久しぶりに宮本輝の小説を読みました。
この人の小説は「蛍川・泥の河」(感想はこちら)や「錦繍」(感想はこちら)なんかが凄く好きです。
今回読んだ「道頓堀川」は「蛍川」、「泥の河」など川シリーズ(?)の1作ということで期待して読んでんですけど、これ
凄く良かったです!
宮本輝の「川」がタイトルに入っている小説にハズレなし!て感じですね。
大阪の難波、心斎橋周辺が舞台になっていて割と知っている場所なので、情景が凄く思い浮かんできました。
ゆーても、自分が生まれる前の物語なので、今とはずいぶん違っているんでしょうけど。
両親を亡くした大学生の邦彦は、道頓堀にある喫茶店「リバー」で住み込みのアルバイトをしている。
リバーのマスター武内はかつてビリヤードの名人と言われた男で、喫茶店を出すための資金もビリヤードで稼いだ。
武内には一人息子がおり、息子もビリヤードで頭角を現していた。
武内の妻はすでに亡くなっており、武内は妻が死んだのは自分の責任だと思っていた。
息子を連れて男と出て行った妻がある日ひょっこり帰って来た。
その時、感情にまかせ腹を蹴ったのが原因で死んだと思っているのだ。
ミナミにはさまざまな人種の人間がおり、それぞれがとこか寂しく、貧しい。
息子にビリヤードを辞めさせたい武内は、自分と勝負して勝つことができたら応援してやる。しかし、自分がかったら足を洗えと言い勝負をすることになるが・・・・・
といった内容。
内容と言ってもこの小説にはこれといって大きなストーリーがあるわけではないので、こんな感じになってしまって申し訳ないです。
喫茶店リバーのマスターで、かつてビリヤードで日本一と言われた武内と、武内の店に住み込んでいる大学生の邦彦を中心にミナミに暮らす人々の人間模様を描いた作品です。
武内の過去の物語と、邦彦の現在の物語が中心になっているのですが、どちらもどこか寂しげでいいです。
物語には、ゲイボーイのかおるや、ストリッパーのさとみなど自分自身を糧に生きている人々が登場し物語の中を行き交っています。
誰もが未来を何かを求めているが、その何かを手にできるか不安に思いながら暮らしていて、そこに共感できる感じでした。
それが、大阪の繁華街であるミナミを舞台に展開されるのが、凄く合っているというか、賑やかだけど、どこかむなしさがあるミナミという街にとても似合っている物語だなぁ、と思いました。
宮本輝の作品は好きなものと、そうでもないものが結構はっきりと分かれてしまうんですけど、今回は当たりでしたね。
また時間が経ったら別の作品も読んでみたいと思います。
気になった方は読んでみてください。
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