★★★☆☆
作家の小川洋子と、臨床心理学者の河合隼雄による対談集。
小川洋子の小説は基本的に好きです。
小川洋子に関しては、作家としてだけではなく、人間的にとても興味があります。
彼女の代表作(と言ってもいいと思う)である「博士の愛した数式」という小説は数学の美しさを上手に物語として表現しているとても珍しい作品だと思っています。
数学を題材にしてる小説はちょこちょこ読んでいるんですけど、この小説ほど数学の本質的な部分を描いているものはないんじゃないかと思います。
きっと、小川洋子は自分と同じ意味で数学を好きなんだと思います。
なので、この人の書く物語はすんなり心に入ってくるんですよね。
そんな小川洋子と、臨床心理士の河合俊雄の対談です。
この河合先生に関しては実は全く存じ上げなかったんですけどね。
そして、この本のタイトルがいい。
生きることは、自分の物語をつくること
このタイトルは、小川洋子が小説を書く理由として挙げられている。
人は、生きていくうえで厳しい現実をどうやって受け入れていくかということに直面した時に、それをありのままで到底受け入れがたいので、自分の心の形に合うように、その人なりに現実を物語化する。
という作業を人は必ずしていて、作家は自分の記憶を言葉の形、お話の形で取り出して、再認識するために物語を書いているという。
この言葉は本当にすんなり受け入れられます。
小川洋子の小説を読むと、本当に厳しい現実をどう乗り越えるか、というようなことを感じられます。
それを乗り越えるためのシステムとしての物語なんだなぁ、という感じが凄くします。
河合先生の臨床心理士としての人としての接し方なども凄く読んでいて面白くて、面白い本でした。
残念なことに、この本は見完成のままで終わってしまいました。
対談を予定していたお二人だったが、その対談が実現されることなく河合先生は他界されます。
そのことで、小川洋子の長いあとがきが書かれることになるのです。
それを読んで思うのはやはり小川洋子という人にとても興味があることです。
この人の物の考え方とか、感じ方が凄く好きなので、この人の書く物語はきっと自分にとって大切な物語になるんだろうと思いました。
河合先生の事も少し気になったので、この方の本も一度読んでみたいと思いました。
気になった方は読んでみてください。
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