「不死蝶」横溝正史
★★★★☆
名探偵金田一耕介シリーズの1つ。
1953年6月から11月にかけて雑誌「平凡」に連載され、1958年に加筆修正され単行本が観光された作品です。
この作品では、横溝正史お得意の(?)鍾乳洞が舞台となった殺人事件が巻き起こります。
鍾乳洞が舞台となった事件は有名な「八つ墓村」と同じですが、この小説では鍾乳洞が事件のトリックと大きく関わっているものになっています。
そして、少し前に読んだ「女王蜂」(感想はこちら)と同じく過去に起きた事件と連動して事件が起きるという仕掛け。
ネタは若干カブッてる感じもしますが、やはり横溝正史の作品は独特の世界観があり、読んでいると世界に引き込まれます。
定番の美少女もやはり登場し、物語に華を添えています。
信州の射水という町に住む矢部杢衛から依頼を受けて信州に向かう金田一耕介。
依頼の内容はある人物についての調査。
その人物とは、ブラジルのコーヒー王アルフォンゾ・ゴンザレスの養女である鮎川マリの母である君江という人物。
マリと君江は射水に滞在中、そして君江は射水で23年前に起こった殺人事件の容疑者にそっくりだという。
23年前に起こった事件というのが、矢部杢衛の二男である英二が鍾乳洞の中で殺された事件で、君江はその容疑者とされていたが、鍾乳洞の中にある底なし井戸に飛び込んで自殺したものとされていた。
しかし、君江が死ぬ前に残した遺書にはこのようなことが書かれていた
あたしはいきます。でも、いつかかえってきます。蝶が死んでも、翌年また、美しくよみがえってくるように。
と・・・・・
矢部杢衛は自分の息子を殺した君江がやはり生きていて戻って来たのだと。
そして、マリ主催のパーティーが開かれる。
しかし、君江は病気を理由に欠席。
怪しいと思った矢部杢衛が君江を呼ぶように促す。
マリは家庭教師の河野朝子に君江の様子を見に行ってもらうが、君江の姿は消えていた。
そこへ、鍾乳洞の方へ歩いて行く君江を見たという証言から、鍾乳洞へ君江を探しに行く一行。
鍾乳洞の奥にある井戸の近くで、杢衛の声と、女の悲鳴を聞いた一行。
そこで発見されたのは、杢衛の死体だった・・・・・・
といった内容です。
23年前の事件とからめて、現代の事件が展開されていくといった内容で、23年前の事件の犯人は一体誰だったのか?そして、新たな殺人事件の犯人とその動機は??
といった感じで同時に2つの事件が展開されていくのがおもしろいです。
物語の重要なキーになる人物で、23年前の事件にも大きく関わっていた君江とその娘のマリの存在もかなり不思議な印象で目が離せません。
鍾乳洞での連続殺人事件、23年前の事件と連動した連続殺人事件。そして、そこにあるのは2つの名家の対立と叶わぬ恋。
もうお膳立てが揃い過ぎてるってくらい揃っております。
そこで、金田一耕介がどのように活躍するのかというのが見どころでしょうね。
雰囲気もやはりいいですよ。
横溝正史の小説は信州を舞台にしたものが多いですが、それは作者自身が転地療養で訪れたのが信州だったからだそうです。
「真珠郎」(感想はこちら)なんかも信州が舞台になった小説ですよね。
「仮面舞踏会」という小説はまだ読んでいませんが、これも信州が舞台となっているようです。
最近この本は購入したので、近々読んでみたいと思います。
気になった方は是非読んでみてください。
こちら↓(画像をクリックで移動します)のサイトで、写真、イラスト、DJなどの作品を公開しております☆よかったら遊びに来てくださ♪

