「お任せ!数学屋さん」向井湘吾
★★☆☆☆
久しぶりに数学を題材にした小説を読みました。
数学を題材にした小説って少ないので、見つけるとつい買ってしまうんですよね。
これまでも、数学を題材にした小説は何冊か読んでいます。
「博士の愛した数式」小川洋子
「ペトロス叔父とゴールドバッハの予想」アポストロス・ドキアディス(感想はこちら)
など。
で、今回読んだこの本ですが結果から言いますと
ストーリー的には全然面白くなかった
です。
この小説続編が2冊ほどでているみたいなんでそこそこ好評だったんでしょうね。
ただ、個人的には
「数学を題材にしている」
ということ意外にいいところを見つけることはできませんでした。
ラノベっぽいカバーデザインだったので、あまり期待はしていなかったんですけどねぇ・・・・
ソフトボール部に所属する、中学2年生の遥。
ある日、遥のクラスにやってきた転校生宙は自己紹介で
「特技は数学。将来の夢は数学で世界を救うことです」
と宣言した。
そんな、変わり者の数学バカ宙と隣の席になった遥。
転校の翌日、宙は教室で
「数学屋」
といいう奇妙な店をオープンする。
最初は、なにがなんだかわからなかった遥だったが、宙に数学屋に関することを聞くと、
どんな悩みも数学で解決するお店
だそう。
そこで、遥は新しいグローブが欲しいのに、なかなかお小遣いが貯められない。という悩みを宙に相談する。
すると、宙は数学を用いていとも簡単に悩みを解決してしまった。
関心した遥は、宙一緒に数学屋の手伝いをすることになる。
遥が加わって他の生徒にも広く知れ渡った数学屋は、ややこしい形をした学校のグランドを分割したり、野球部の部員のやる気を引き出したり、果ては恋の悩みまで数学の力で解決していくのだった。
といった内容です。
まず、数学好きの少年が数学でお悩み解決ってのはまぁいいとしてですね。
よくわからないのが、数学で世界を救うってくだりですよ。
小説の後半で、宙が「リーマン予想」の研究がしたい、ということがわかるんです。
で、最後の方で、リーマン予想を解決することが世界を救うことに繋がるみたいなことになってるんですけど、それが全く理解できませんでした。
どうして、リーマン予想を解決したら世界が救えるのか?
この小説の冒頭、遥に素数は暗号に使われているという話をしている宙くん。
これはおそらく、RSAのことだと思うんですけど、巨大な素数は因数分解するのがめちゃくちゃ大変なんで、誰も破れない暗号になるのです。
我々がネットショッピングなどで、安心してクレジットカードの情報などを使えるのはこのシステムのおかげです。
ここまではわかります。
このシステムは
素数に法則性が無い
ということが最大のポイントになっています。
法則をもった数字であればいくら巨大な数字とはいえ、破られてしまうからです。
で、宙が解決したいと思っているリーマン予想なんですけど、簡単に言えばそんな素数にも実は法則のようなものがあるんじゃないか?って予想です。
この問題は、150年間誰にも証明されていない数学界最大の難問といわれています。
もし、この予想が証明されたら何がおきるのか?
もしかしたら、RSAのシステムがもう使えなくなるかもしれません。
救うどころか、危険が増えるのでは!?
そもそも、数学で何か役に立ちたいって主人公がいまち好きになれませんでした。
自分の好きな数学者というのはG.Hハーディーのような、数学を芸術として扱っている人なので。
なんの役にも立たない数学が美しいと思うんですけどねぇ。
まぁ、世の中のことはたいてい数学で解決できる
というのはなかなか面白い視点だったと思います。
これは実際にそうかもしれないなぁ、って思えたので。
あと、小説の物語としては、かなりお粗末な感じでしたよ。
数学嫌いの女の子が、数学マニアの少年と出会って、数学を好きになるだけにしとけばいいのに、最終的にお互いにちょっと好きになっちゃいますからね。
もう、その展開だけは勘弁してくれよ~、って思ってたらやっぱりそうなっちゃたのでもうゲンナリしてしまいました。
もし、数学関連の小説が読みたい!と言う方は最初に紹介した小川洋子の「博士の愛した数式」や、アポストロス・ドキアディスの「ペトロス叔父とゴールドバッハの予想」なんかがお勧めです。
小説意外のお勧め数学本はこちら
なので、この本はあまりオススメしません!
終わり。
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渋谷宙希写真展
「きみの顔が思いだせない。」
2015年12月2日(水)~12月6日(日)
12/2(水)-5(土)は15:00-20:0012/6(日)は14:00-17:00
【場所】
birdie photo gallery
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