「ホーリー・ガーデン」江國香織
★★★☆☆
最近よく読んでいる江國香織さんの小説です。
基本的には2人の女性のお話です。
作者があとがきで書いてあるんですが、
余分なこと、無駄なこと、役に立たないこと。そういうものばかりでできている小説。
が書きたかったとのことです。
確かに、この小説にはこれといった物語はなく、2人の女性の日常や心の移り変わりが描かれていて、なにも無いといえば何もない小説なのかもしれません。
しかし、そここからなにを読みとるかは読み手次第ということなんでしょうか。
自分も「意味のないもの」が好きです。
一見、無駄なものに惹かれます。
なので、この小説も全体を漂う空気は凄く好きでした。
しかし、登場人物にいまいち感情移入ができなかったので、それほどドップリとはハマりませんでした。
30歳を目前にした果歩と静枝は高校までずっと同じ学校に通い、大学時代のブランクはあったものの、ほとんどの時間を一緒に過ごしてきた親友。
果歩は5年前に付き合っていた既婚者の男性との別れをいまだに引きずっていた。
失恋の傷が今だに癒えない果歩に心を痛める静枝。
そんな、静枝は以前既婚者と付き合っている果歩を非難しながらも、現在は既婚者との不倫関係にあった。
果歩は新たな恋人を作ろうとせず、働いている眼鏡屋の客や、眼科医と時々寝ている。
眼鏡屋の同僚の中野は果歩にぞっこんだが、果歩は中野は眼中にない。
しかし、中野と一緒にいるとなぜか心が落ち着く果歩だった・・・・・
って感じでしょうか。
物語らしい物語はこれといってないのであらすじを書くのは難しいですね。
とにかく、果歩という女性が謎過ぎて彼女の心理が全く見えてきませんでした。
かなり特殊な考え方をする人のようで、彼女の周りにいる人間でも彼女を少しでも理解している人はほとんどいないのではないかな、と思います。
幼馴染で親友の静枝すら果歩のことはわからないんだと思います。
この果歩というキャラクターがどうにも好きになれなかったのが、この物語に入り込めなかった原因なのかな、と思いますね。
そして、果歩を一途に想っている中野くんも正直理解できませんでした。
文章から察するに果歩はそうとうキレイな女性のようですが、中野はそんな果歩にぞっこんです。
しかし、まったく相手にされていません。
嫌われてるのではなく、本当に眼中にない。って感じです。
果歩は5年前に別れた不倫相手が今だに心の中を占領していて、まったく次に進めない状態のようです。
物語の中で果歩が小説を読んでいて、その文章を引用しているのですがそれが、ジェイ・マキナニーの「ストーリー・オブ・マイ・ライフ」なんですよね。
この小説女性版「ライ麦畑でつかまえて」とか言われていたような気がしますが、そんなこと言われなかったら普通にいい小説だったと思うのに、「ライ麦畑」と比較されたもんだっから気の毒です。
昔読んだ記憶がありますが、悪くなかった気がします。
果歩がこの小説を読んでいるっていうのもなんだか凄く納得できます。
読むと少し疲れてしまうかもしれませんが、独特の空気感のあるよい小説だと思います。
気になった方は是非読んでみてください。
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