「赤い長靴」江國香織
★★★★☆
ここ最近よく読んでいる江國香織の小説です。
今回読んだこの本は独立した14本の短編小説集なんですが、全ての小説は登場人物が同じです。
この本に登場するのは1組の夫婦。
日和子と逍三。
主に日和子の視点で物語が語られる場合が多いですが、時々夫の逍三の視点で描かれます。
夫婦がお互いにどのようなことを考えて暮らしているのかを垣間見ることができておもしろいんですけど、物語全体を覆っているのは凄く暗い何かです。
とくに、これといって事件が起こるわけではありませんが、なんか常に怖い空気が漂っている不思議な小説でした。
とにかく、この小説を読むと、夫の逍三に対してかなりイライラしてしまいました。
妻の日和子の視点で描かれることが多いので、どちらかと言えば日和子の方に感受移入してしまうんですけど、とにかく逍三は話しを聞きません。
話しを聞かない上に結構嫉妬深いです。
しかし、日和子には逍三が必要なようで、外で友達と遊んでいても
逍三に会いたい
と感じるようです。
一見、上手くいっていないようにも見える夫婦なんですがお互いにお互いを必要としているようです。
この本のタイトルになっている
「赤い長靴」
というのは、毎年クリスマスに逍三が日和子に送っている赤い長靴にお菓子が入ったプレゼントです。
日和子はこのプレゼントを快く思っていません。
毎年、くれるそのお菓子を押し入れの奥深くの段ボールの中に隠しています。
そのお菓子が何年分も隠されていることは夫の逍三は知りません。
二人の関係はつかず離れずといった感じで、どこか現実感もありません。
そんな、結婚して10年になる夫婦の日常を描いた小説です。
おもしろい小説ではありませんが、なんとなく漂っている空気が好きな小説でした。
江國香織の小説はやはり好きな感じです。他の作品もぜひ読んで観たいと思いました。
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