「少女」湊かなえ
★★★★★
湊かなえの小説、実は今回初めて読みました。
一言で感想を言えば
めちゃくちゃ面白かった!!!
です。
これは正直まいりましたね。
こんなに凄い小説とは思っていませんでした。
この小説は長編デビュー作の「告白」に次いで2作目の長編小説だそうですけど、こんなに凄い構成の小説を2作目で書いちゃう湊かなえ恐るべし・・・・
1作目の「告白」は映画化もされてとても話題になった本ですよね。
これは、「告白」も読んでみなければいけません。
物語は2人の女子高生、由紀と敦子の視点で描かれる。
由紀と敦子は親友同士だったが、由紀が敦子をモデルに書いた小説が原因で関係が微妙になってしまう。
ある日、2人の共通の友人である紫織から
親友が自殺をした
という話しを聞く。
親友の自殺を経験した紫織は何かをさとったように「死」について語る。
そんな姿を見て
「自分も人が死ぬ瞬間を見てみたい」
と考えるようになる由紀と敦子。
敦子は体育の補習で老人ホームのボランティアへ行くことになる。
敦子は老人ホームでなら、「死を目の当たりにできるかもしれない」と考える。
一方、由紀は重病の子供が入院している病院へ朗読のボランティアとして参加。
もちろん由紀も「死を目の当たりにする」ために。
由紀は病院で知り合った2組の少年の1人から、もう1人の少年の死期が近づいていることを知らされる。
そして、その少年は父親に会いたいと願っているが、両親が離婚して会うことができないので父親を連れてきてほしいと頼まれる。
由紀は、少年が父親との感動の再会を果たし、その後に死んでしまう。それを見届けることができれば、紫織以上の経験ができるはずだ。と思い、父親探しを請け負うことになるが・・・・・
といった内容です。
基本的なプロットは2人の少女、由紀と敦子の友情が再生される物語です。
「死体を見たい」
という動機で展開される物語で思いだすのが
スティーブン・キングの「スタンド・バイ・ミー」
ですよね。
この小説も凄い名作で、映画も凄く良かったと思います。
確かに、「スタンド・バイ・ミー」に似た空気を持っている作品だと思います。
しかし、湊かなえの小説はそんな友情の再生という淡い青春のようなテーマを凌駕する恐ろしさを持っています。
ラスト近くに用意された仕掛けは読んだ瞬間ゾクゾクっときました。
そして、この小説の凄いところはとにかく構成です。
全ての登場人物と全てのエピソードがとても美しく円環していて、全くの無駄がない。
ここまで、完全な構成の小説というのはそうそうお目にかかれるものではないので、ビックリしました。
さらに、本としての構成もかなり緻密に作り上げられています。
物語を語る由紀と敦子が章ごとに入れ替わるんですが、この時に章を区切る「*(アスタリスク)」の数に注目して読んでいただきたい。
全てに意味があります。
エピローグで描かれているある少女の遺書。
この遺書は一体誰の遺書なのか?
物語の最後の最後で明かされます。
この円環した構造の物語構成はもう唸るしかないです。
この小説はミステリーとジャンル分けされているようですが、どちらかと言えば純文学に近いような気もしました。
少女たちの心理描写がとてもクールでとてもリアルなのです。
作者が主人公の少女たちを見る目が凄くいい距離感なのがこの小説のおもしろさでもあるような気がしました。
とにかく、面白い小説が読みたいって方ぜひ読んでみてほしいです。
凄くおもしろい小説なので。
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