アート「植田正治写真集 吹き抜ける風」 | 渋谷宙希のブログ

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先日、友人と二人で本屋をブラついている時に、写真集のコーナーで


好きな写真家とかっているの?



って聞かれて、特に好きな写真家っていないんだけど、普通に


植田正治が好き


って答えて、その本屋にあった写真集を手に取ってパラパラと見た。


これが凄く良くて、やっぱ植田正治好きだわ。って再認識したんですよね。


その時にパラパラ立ち読みしたのがこの写真集「吹き抜ける風」なんです。


この写真集は「砂丘」でのシリーズや、有名な「童暦」などのシリーズを中心に、それまであまり注目されていなかった作品群にもスポットを当てた内容になっております。


ところどころに、植田正治の発言をちりばめられた構成になっていて、内容的には充実した写真集になっています。


やはり、個人的に好きなのは自分の家族を題材にした「綴り方・私の家族」や「妻のいる砂丘風景」などのシリーズが凄く好きです。


(パパとママとコドモたち(Ⅰ)/シリーズ「綴り方・私の家族」 1949年)


(妻のいる砂丘風景(Ⅲ) 1950年)




なんといっても、地元である鳥取で、自分の家族を撮るという極めてパーソナルな写真なんだけど、それゆえに撮影者の内面世界とリンクしている世界が映し出されているような気がして凄く好きなのです。


単純に地元を大切にする、とか家族を大切にするって感じが出ているのも凄くいいな、って思いますね。


それと、この時代なんですけど1950年前後って例えば偉大な映画監督である小津安二郎が一番いい映画を撮ってた頃(個人的に思う)なんですよ。



「麦秋」が1951年で、「東京物語」が1952年ですから、この頃の時代の空気のようなものが自分は凄く好きなんだと思います。


さらに、太宰治の「斜陽」の連載が始まったのが1947年。「人間失格」が1948年です。


三島由紀夫の「仮面の告白」は1949年で、「金閣寺」は1956年です。


とにかく、この1950年前後というのは自分の好きな作品が集中しているんですよね。


植田正治の写真に関しても同じようにこの時代のものが凄く好きなものが多いです。なぜだかは謎ですが。


もちろん、植田正治の代表作ともいえる「少女四態」も凄く好きなんですけどね。この作品は1939年ですが。



(少女四態 1939年)




この辺の写真は完璧な写真作品の1つなんではないか、と個人的には思っています。


空間の取り方が本当に絶妙で、被写体である四人の少女よりも、なにも写っていない空間の方がこの写真の本当の被写体なんじゃないっかって思ってしまうほど、空間がいいですね。


植田正治の写真はこの空間の取り方が本当に上手いと思います。


こんな風に写真が撮れるようになりたいものです。


シリーズ「童暦」もやはり好きな作品が非常に多いです。






このシリーズは1955年から1970年にかけて撮影されたものみたいなんですけど、この頃の生の子供たちが写し出されているので、妄想タイムスリップができて凄くおもしろいです。


この時代の子供たちの純粋な笑顔を見ていると本当の幸せってなんだろか?なんてセンチメンタルなことを考えてしまいますよ。



今回、この写真集を見て改めて新鮮に感じたのが植田正治のカラー写真です。


カラーの作品も見たことあったんですけど、あまり印象に残ってなかったんです。


しかし、この写真集に収められている1981年に撮影された「白い風」というシリーズが凄くいいんですよ。


このテイストの写真って凄く好きです。


自分もこんな写真撮りたいなぁ、って思いますね。


やっぱり植田正治の写真はいいですね。



また、鳥取にある植田正治写真美術館に行きたいなぁ、と思いました。









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