「春の夢」宮本輝
★★★☆☆
ここ最近、割とこの作家さんの本を読んでおります。
太宰治賞を受賞したデビュー作「泥の河」、芥川賞を受賞した「螢川」が凄く好きでですね。(感想はこちら)
この本が好きだったんで、他の作品もなんだかんだを読んでみたんですけど、ここら辺で一段落したような気がします。
今回読んだ「春の夢」は前回読んだ「青が散る」(感想はこちら)に続いて青春小説です。
個人的には「青が散る」より、この「春の夢」の方が好きでしたね。
大学生の哲之は父親の残した多額の借金を背負うはめに。
借金取りから逃れるように、大阪の中心から離れた場所でアパートを借りる。
部屋に入る当日、まだ電気が通っていなくて、真っ暗な中で思い出のテニス帽をひっかけるため、アパートの柱に釘を打ち付ける。
翌日、明るくなって柱を見ると生きた蜥蜴が釘に柱に打ちつけられていた。
哲之はその蜥蜴にキンと名付け、柱に貼り付けにしたまま飼うことになる。
哲之は借金を返すため、ホテルでアルバイトを始める。
母は北新地の料亭で住み込みで働く。
哲之には陽子という恋人がいるが、最近陽子には他に好きな男ができたようだ。
職場でも様々な人間関係に悩みながら、家に帰ると柱に貼り付けになtった蜥蜴のキンに話しかける日々が続く。
ある日、陽子が気になっている男と直接会うことになった哲之は・・・・・
ってな感じの内容です。
この物語に登場する重要なキャラクターは何と言っても蜥蜴のキンちゃんです。
主人公の心の闇を象徴するような存在で、父の借金もあり、恋人とも上手くいかない暗闇の中に閉じ込められて身動きが取れない感じが凄くよく出てます。
そんなキンに日々の悩みを相談する主人公がまた、等身大の大学生といった感じがして共感を持てました。
ただ、ストーリー的には凄く単純明快な物語でありがちといえばありがちな感じもしました。
キャラクターや、小道具は凄くおもしろいと思ったんですけどね。
気になった方はぜひ読んでみてください。
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