読書「赤い舟」小川未明 | 渋谷宙希のブログ

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「赤い舟」小川未明
★★★★☆






大阪は中崎町にある素敵な本屋さん「葉ね文庫」(サイトはこちら)で装丁のかわいらしさに思わず一目ぼれして購入したのがこの本。


小川未明の本はこの度初めて読みましたが、とても良かったです。


この本、明治43年に発行さらたようです。


なのでおおよそ100年前の本ということになります。(もちろんこの本はその復刻です)


「おとぎばなし集」と書いてありますので、当然子供向けの御伽噺が収められた本です。


100年前の子供がどんな物語を読んでいたのか、そして、100年前の大人がどんな物語を子供に伝えたかったのか。その辺がわかるのがおもしろかったです。


作者の小川未明は「日本のアンデルセン」や「日本児童文学の父」と言われているような人物で、実は今回この本を買うまでその存在を知りませんでした。


沢山の児童文学を執筆しているようで、また機会があればぜひ読んでみたいと思います。


この本、最初にも書きましたがとにかく装丁がかわいらしいのです。



表紙もそうなんですが、中に入っている挿絵や、文字もかわいい!





これだけでも、この本には価値があるなぁ、と思いますが、物語の内容もとてもかわいらしいものが多くて良かったです。


特によかったのは、タイトルにもなっている


「赤い船」


ですね。


少女露子が美しい音を奏でる楽器オルガンに興味を抱き、遠い外国に思いを馳せる物語です。



オルガンの音を聞いて世の中には、コンな好い音のするものがあるのかと驚いた露子は先生に


「オルガンはどこの国から来たのでせうか」


と問ひます。すると先生は


「外国から来たのだ」


と言われました。


広い広い太平洋の波を超えて、その彼方にある国から来たのだと。


それから露子は外国のことを考えるようになります。


そして、外国へ行くという赤い大きな船を見ては


自分も外国へ行ってオルガンやピアノのいい音楽を聞いたり、習ったりしたいものだ。と考えるのです。


この露子という少女は実は少し不幸な境遇にあるのですが、外国への夢を思い描いてひとときの幸せを得るのです。


なんとも健気でかわいらしい物語でした。



他にも

少女が天国のキリストを救うために奔走する「白い百合と紅い薔薇」や、山のウサギが月にいると言われている友達に会いに行こうとする「月と山兎」なんかも良かった。


「月と山兎」はなかなか衝撃的なラストに思わず声が出てしまいましたよ。


基本的にはかわいらしいお話が多いんですけど、時々ピリっと毒のある物語があったり、戦争の影を感じるものがあったりして、全体的にとても面白く読むことができました。


少年が主人公になったものも多くあるのですが、個人的には少女が主人公になっているものが好きでした。


ぜひ、他の作品も読んでみたいと思います。


気になった方はぜひ読んでみてください。






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