「真夏の死」三島由紀夫
★★★★☆
三島由紀夫自選による短編集。
「煙草」
「春子」
「サーカス」
「翼」
「離宮の松」
「クロスワード・パズル」
「真夏の死」
「花火」
「貴顕」
「葡萄パン」
「雨の中の噴水」
の11編を収め、著者自信の解説付き。
三島由紀夫の長編はだいたいいるのですが、短編はまだ読んでいないものが多く、これから少しずつ読みたいなぁ、と思っています。
今回読んだ短編集は様々なタイプの作品が収録さあれており、三島由紀夫という作家の幅の広さを改めて感じさせられました。
解説も三島自信が行っており、これまた非常に読みごたえのある内容でした。
三島いわく
「自作自註といのは可成り退屈な作業」
だということなんですが、
「第三者の手にかかって、とんでもない憶測をされるよりも、古い自作を自分の手で面倒を見てやりたい」
ということだそうです。
この辺が三島由紀夫らしいといいますか、自分の中にある三島由紀夫のイメージと重なる部分だなぁ、と感じます。
個人的におもしろいと感じた作品は
「離宮の松」と「クロスワード・パズル」そして、表題にもなっている「真夏の死」でしょうか。
特に「離宮の松」は凄くいいなぁ、と感じました。
「離宮の松」と「クロスワード・パズル」は三島いわく
「短編小説の風味を考えていたものを、理数的に醸し出そうとした技術的実験」
だそうです。
言ってる意味は全部理解できませんが、なんとなくニュアンスは伝わります。
「離宮の松」の主人公は子守をしている16歳の少女美代。
彼女が主人の鰻屋の1歳になる息子睦男を1日外で子守することになるところから始まります。
美代は睦男を背負って町の中を歩き、離宮浜へ。
そこで、半年ほど前に出会った青年のことを思いだします。
幼い顔立ちの美代はせいぜい14歳くらいにしか見えないので、言いよってくる男はいないかったのだけれど、その青年は美代に言いよってきたのでした。
赤ん坊をおぶっている美代は、赤ん坊がいることでその男から逃れることができた。
しかし、あの時あの男に付いて行っていたならば自分の人生はどうなっていただあろう?もう一度あの男に声をかけられたら今度は付い行こう。
と心に決め、男に話しかけれれた場所へ向かう。
すると、あの時の男がいて再び声をかけられるが・・・・・
といった内容。
少女の恋に恋してるような淡い心の模様とラストの展開に凄く心をつかまれました。
「クロスワード・パズル」
はホテルのボーイをしている美しい青年が、美しくない妻をもらった理由を説明する。といった内容の物語で、とても面白かった。
最後の最後で
あー、
と納得するやらしないやらの理由なんですけど、タイトルの意味が凄く納得できるラストで、普通におもしろい短編でした。
「真夏の死」
は、義理の妹と2人の子供を同時に亡くしてしまう母親の物語で、物語の中でもっとも衝撃的な出来事が序盤にあり、その後は時間をかけて過酷な現実を日常の中へ浸透させていく過程を描いている。
三島由紀夫の作家としての能力の高さをひしひしと感じることができる作品でした。
この本の最後に収録されている
「雨のなかの噴水」
は青春小説として、とてもかわいお話でした。
やはり三島由紀夫は凄い!って何度も感じた本です。気になったかたはぜひ読んでみてください。
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