「泥棒日記」ジャン・ジュネ
★★★★☆
フランスの作家ジャン・ジュネが自らの半生を綴った自叙伝。
捨て子で、施設で育ち、盗みで感化院に入れられるもそこを脱走。ヨーロッパ各国を転々と放浪するようになる。
泥棒、乞食、男娼などで生計を立てつつ小説を書いていた異色の経歴を持つ作家。
この本では感化院を抜け出し、放浪生活をしている間のジュネが描かれています。
そして、この書物は
「到達不可能な無価値性の追求」
が目的と自ら記しています。
同性愛、盗み、裏切りという3つの悪徳によりジュネは聖者に取って代わろうとしているようです。
とにかく、この本の中で描かれるジュネは悪の理論をひっくり返し、新しい「聖性」を見出そうとしているような感じました。
すさんだ生活をしていたのにもかかわらず、ジュネの書く文章をとても美しく、どこでこんな教養を身につけたんだ?と思ってしまいます。
もし、二十歳という年齢がひと滴の涙の明澄さをもっているとすれば、どうしてわたしは、鼻先に落ちそうになっている滴をも、それに対する同じ感激をもって飲まないわけがあろう。
なんて素敵な言葉がどのページ見てもかいてあるんだから凄いです。
三島由紀夫がこの本をとても気に入っていたそうですが、なんだか通じるものがある気がしました。
とはいえ、三島由紀夫とジャン・ジュネの経歴はまったく反対といってもいいような感じなんですけどね。
三島は割りと裕福な家の育ちですから。
しかし、背徳に美を感じているあたりがどこか通じる部分があるなぁ、と思ってしまいます。
同性愛ものの小説を書いている点も共通しています。
ジュネは同性愛であることをオープンにしていましたが、やはりその辺はお国柄もあるのかな?なんて思ってしまいました。
芸術的な面では「貴婦人と一角獣」のタペストリーを見て感動した。ということが書いてあったんですけど、ジュネの描く文章世界になんとなくこの作品はマッチしている気がしました。
私も感動しましたよこのタペストリーには。(感想はこちら)
実は、ジャン・ジュネの本を読むのはこれがはじめてだったので、次はぜひ小説を読んでみたいと思いました。
本の中ではすでにデビュー作である「花のノートルダム」が出版されているんですよ。
なのに泥棒生活続けているんだから本当に驚きます。
気になった方はぜひ読んでみてください。
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