「神を見た犬」ディーノ・ブッツァーティ
★★★★☆
イタリアの小説家ディーノ・ブッツアーティの短編小説を日本独自の企画で編集した短編集。
イタリアのカフカ
なんて呼ばれることもあるブッツアーティの小説初めて読みました。
カフカと呼ばれるだけのことはあって、その作風は幻想的でとても好きな雰囲気でした。
宗教的な内容のものが多かった印象がありますが、ホラーやコメディやSFなど様々なジャンルの作品が収められています。
特に良かったのは「七階」という作品。
この短編は特に有名なものらしいですね。
不条理で奇妙な病院を舞台にした物語です。
ある病気の専門病院。
そこは7階建ての病院で、最初に入院してきた患者は7階から。
症状が悪化するのに合わせて6階、5階と下がっていく仕組みになっている。
主人公は7階の症状のはずがなぜか6階へと移動を命じられ・・・・・
と言った内容で、症状が軽いと思っている主人公がじょじょに下の階へと移動していくんですが、これがとっても不条理でおもしろい。
病院って場所は健康な人間からすればある種の異界のような場所ですよね。
健康にまったく問題がなければ行かなくてもいい場所。そこには一つの世界があって、その世界から抜け出すには健康になるしかない。
そんな、病気に対する不安や、病院に対する恐怖がよく現れた作品だと思いました。
この作品以外にも「病院というところ」という作品でも不条理な病院が舞台になっています。
この作者は病院でなにかよっぽどひどい目にあったのかな?って思ってしまうほど、ひどい病院でした。
そして、表題にもなっている「神を見た犬」も凄く面白かったです。
これは、神を信じず堕落した生活を送っていた村の人々が、神を見たという噂の犬に監視されているように感じ、規則正しい生活を始める。
といった内容。
神を信じていないはずなのに、神に監視されていると思うと悪いことができなくなってしまう人々の心理がおもしろおかしく描かれています。
ラストのオチもいい感じでした。
他に
「戦艦 《死》」や「秘密兵器」
など戦争を題材にしたものも良かったし、
「護送大隊襲撃」や「天国からの脱落」
みたいな死を扱ったものもおもしろかった。
「アインシュタインとの約束」
では、SFっぽい設定に宗教のテイストがうまく入っていてこれまた良かったし、
「呪われた背広」
はまるで「世にも奇妙な物語」のようなお話でした。
気になった方は是非読んでみてください。
個人的にはディーノ・ブッツァーティの代表作「タタール人の砂漠」もぜひ読んでみたいです。
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