「無限と連続」遠山啓
★★★☆☆
脳科学者の茂木健一郎がお勧めしていた数学本だったので読んでみました。
数学が苦手な人にぜひ読んでみてほしい、とのことだったのでさぞかし優しい数学本なんだろうと思っていたんですけど、私の頭脳には少々難しかったです。
この本ではいわいる「連続体仮説」を、数学の専門的な知識がなくてもわかりやすく説明しているんですけど、書いてる人の頭がいいので、作者からしたらかなり優しく書いてくれているんでしょうけど、やはり数学脳を持っていない自分からすれば結構難しかったです。
無限を数える
という難解なテーマを数式など使わないで解説に試みる作者の思惑はなかなか素敵だと思いましたけどね。
「はしがき」の部分で登場する様々な数学者や作者のこの本に対する姿勢が一番読んでておもしろかったです。
この本はいわば「数学者の弁明」である。
という言葉から始まるんですけど、これはまさに私の大好きな数学者G.H.ハーディの著書「ある数学者の弁明」からきているんでしょう。
さらに、20歳で亡くなった天才数学者ガロアのエピソードから、カントールの「無限を数える」
という集合論へと話を進めて行くところなんて数学者好きにはたまらない流れです。
集合論からトポロジー、そして、非ユーグリット幾何学へと話は進んでいくんですけど、この本を読んで思い出したのが
ヒルベルトの無限ホテル
というお話。
これは、数学者ダフィ・ヒルベルトが集合論で無限集合を認めると、有限集合とは全く違った事態が起こるということをわかりやすく説明したものなんです。
どんなお話かというと、以下のようなお話です。
ヒルベルトが支配人を勤めるホテル・ヒルベルトは無限の客室がある無限ホテルなのです。
ある日、なんと無限にある客室が満室に!ヒルベルト支配人もほくほくであります。
しかし、そこへ一人のお客様が!
既に客室は満室!
さー、困ったヒルベルト支配人はどうしたのか?
少し考えたヒルベルト支配人、全ての客室のお客様に一つ隣の部屋に移ってもらいました。
1号室から2号室へ。
2号室から3号室へ。
3号室から4号室へ。
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すると、あら不思議。 1号室が空きましたね。
空いた1号室へお客様を案内し、ホッと一安心のヒルベルト支配人。
しかし、その夜。
なんと、無限の乗客を乗せた無限バスが到着。
無限のお客様がやってきた!
さすがのヒルベルト支配人も今回こそは満室で断り、帰ってもらうのか?
いやいや、ここは無限の客室を誇るホテル・ヒルベルトです。そんな野暮なことはいたしません。
ヒルベルト支配人は少し考えると、無限のお客様を迎え入れました!!
そして、客室に全てのお客様に今いる部屋番号を2倍した部屋へ移動してもらいました。
1号室から2号室へ。
2号室から4号室へ。
3号室から6号室へ。
4号室から8号室へ。
5号室から10号室へ。
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すると、あら不思議!奇数の部屋が全て空いたね!!
空いた奇数の部屋に無限のお客様を迎え入れて一件落着!
というお話なんですけど、意味わかりました?
つまり、無限に1を足しても、無限1にはなりませんよ。無限に1を足しても無限ですよ。ってことですね。
さらに、無限に無限を足しても2無限にはなりませんよ、無限+無限=無限ですよ。
ってことです。
無限集合というのはこういう一見矛盾に見えるような世界に存在しているのです。
でも、よく考えたら無限というのは不思議なものでして、例えば
整数は無限にありますよね。
偶数はどうでしょう?
整数が無限にあるってことは偶数も当然無限にあります。
しかし、偶数は整数の半分しかないはずですよね?
でも、両方無限なんですよ。
無限の世界ではこういう不思議なことが起こりうる世界なんです。
なんか、おもしろくないっすか?
この手の数学小話大好きなんで、この「ヒルベルトの無限ホテル」の話って大好きです。
「文系だから数学の話とか苦手だわー」
って方にお勧めする記事「文系でも面白い!おすすめ数学関連本!!」をぜひ読んでみてください。
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