「テレビジョン」ジャン=リフィップ・トゥーサン
★★☆☆☆
トゥーサン5作目の小説。
少し前に「ためらい」を久しぶりに読んで、(詳しくはこちら)凄くおもしろかったので、まだ読んでなかった「テレビジョン」を読んでみました。
でもね~、これはなんかいまいちグッっときませんでした。
いままでのトゥーサン作品とテイストはそのままなんですけども、なんかおもしろくないんですよー。
前作の「ためらい」があんなにおもしろかったのになぜでしょうねぇ~。
物語は
ぼくはテレビを見るのをやめた。
という文章から始まる。
主人公は、書類申請で奨学金を勝ち取ってフランスからドイツはベルリンに渡りティッツィアーノに関する論文を書こうをしている。
妻と子供はイタリアへ旅行へ出かけており、主人公はベルリンでつかの間のひとり暮らしを満喫していた。
アパートの上の階に住む夫婦に旅行中の植物の世話を頼まれたり、公園で裸になって散歩してみたり、友人の知り合いに飛行機に乗せてもらったりする。
しかし、肝心の論文の方は一向に進まない。
書かないことは、書くことと同じくらい重要だ。
とかなんとか言ってのらりくらりとした生活を送っている。
テレビは見ない!と大々的に宣言したにも関わらず、ちょいちょいテレビも見る始末。
そうこうしているうちに家族が帰ってきて、再びいつもの生活に戻っていくのであった。
ってな内容なんですが、まぁ、物語らしい物語はありません。
これはトゥーサンの小説でももはや当たり前なので、物語がないことはこの本の良しあしとは関係ない気がします。
テレビというものが現代に暮らす我々にどのような密かな影響を与えているか?
それは、我々にとって喜ばしいものなのか?それとも・・・・・?
まぁ、この辺りの静かな問題定義とも言える内容が随所に隠れているんですが、これがどーも上手くいっていない気がします。
今までの小説でも、何気なく社会風刺的なテーマが隠されているのは感じるんですけど、それが全然説教くさくなくて、凄く心地よかったんですが、この作品はちょっとその部分が目立ってしまっているような気がしました。
主人公の考えていることをいちいち文章にしているので、1つのエピソード(しかもたわいもないエピソード)が凄く長くて、読んでいてちょっと疲れてしまいました。
もう少し、ストーリー性があるともっと読みやすかったのになぁ、と。
「ためらい」もなにも物語らしい物語はないんですが、先を読ませるある種のワクワク感があったのでとても楽しめたんですが、この作品はそのワクワク感が感じられませんでした。
トゥーサンは好きな作家さんなので、他のまだ読んでいない作品もぜひ読んでみたいです。
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