「新しい神様」
★★★★☆
1999年に公開された日本のドキュメンタリー映画。
監督は反天皇思想を持ち主でもある土屋豊。
土屋が民族派パンクバンド維新赤誠塾のメンバーである雨宮処凛にカメラを渡し、雨宮は自らを撮影し、自己の経験や心情や右翼団体の活動経験を語る。
雨宮は幼少期に強烈なイジメに合い、学校やPTAからも阻害され続けた経験により自らの存在を徹底的に否定し、自殺未遂を繰り返す。
そんな中、民族派の人間と出会い天皇という存在にすがることにより、生きる希望を見出していった。
雨宮の所属する維新赤誠塾というバンドのリーダー伊藤と左翼思想の土屋の3人がひたすら語り合っている映画。
右翼とか左翼とか関係なく、国を思う気持ちがあって、一生懸命に生きている人に対してはリスペクトするという3人なので、思想は正反対のメンバーが仲良さそうに語り合えるのでしょう。
雨宮は映画の中でカメラを持って北朝鮮へ渡り、よど号メンバーと会談したりする。
映画の中で雨宮は北朝鮮という国をある種理想的な国だ、と感じています。
当時は金正日が頂点の体制ですが、金正日が神のような存在の国で、それを中心として国民が団結していて美しく見えたようです。
日本も天皇陛下を中心として、このように国民が団結できればいいのになぁ。
ということらしいです。
今の感覚からすればちょっと信じられないですが、当時はまだ北朝鮮という国がどういう国かハッキリしたことは分かっていなかったんでしょうね。
見沢知廉の「天皇ごっこ」にも北朝鮮に関して似たようなシーンがありました。
ちなみに、雨宮は見沢の弟子だそうです。
よど号メンバーが普通に登場してるのにはビックリしました。
さらに、映画の中で右翼団体を脱退するシーンなどもあります。
映画のラストでは最高のライブを行い、3人はそれぞれに対して深い友情を確認する。
この映画はかなり思想的な感じがするかもしれませんが、これは
青春映画
です。
雨宮がカメラの前で
土屋さん私のこと好きなんじゃないの?
と呟くシーンが前半にあるんですけど、後半では
私が土屋さんが好きなのかも!
とカメラの前で告白するシーンがあり、もうめちゃくちゃ青春なんです。
ここら辺から
あれ、三角関係の映画かな?
って感じになってきます。
特典映像に入っている対談で大槻ケンヂも
これは、青春映画だな
って言ってました。
「ゆきゆきて神軍」(感想はこちら) みたいな過激なドキュメンタリーかと思いきや、なんともさわやかな青春映画だったのでビックリしました。
映画のほとんどのシーンは酔っ払いながらポテトチップス食ってる3人が、右だ左だと言い合ってるだけなんですけど、なぜかさわやかなんです。
それが凄くよかった。
雨宮処凛は、この映画をきっかけに有名になり、作家としても活動している。
ちなみに、今は左翼的な思想になってるらしいです。
さすがは見沢知廉の弟子です。
右になったり左になったり極端だなぁ。
青春映画としてとてもおもしろかったし、思想が違ってる人たちが一つの作品を作ってる過程がとてもおもしろかったです。
予告編 この予告編初めて見たけどすげーよくできてる。見沢知廉出てるし!映画には話しすら出てこないのに。。。
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