読書「フラニーとズーイ」J.Dサリンジャー | 渋谷宙希のブログ

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「フラニーとズーイ」D.Jサリンジャー 村上春樹訳
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サリンジャーといえば

ライ麦畑でつかまえて

が非常に有名です。

青春のバイブルと言われてる「ライ麦」は個人的にもまさにバイブルに等しい存在でした。


今でも大好きな小説で、珍しく何度も読み返しています。

初めて読んだのは十代の頃だったんですけど、主人公のホールデンにとても共感してしまい、今だに抜け出せないでいます。

最初に「ライ麦」を読んだのは野崎孝訳の本で、日本で一般的「ライ麦畑でつかまえて」というこの野崎訳が有名です。

それから、村上春樹による新訳「キャッチャー・イン・ザ・ライ」が発売され、こちらも当然読みました。

野崎訳の初版が1984年で、村上訳は2006年ですから、村上訳の方が言葉遣いや、表現が現代的で読みやすかったです。

原文に近い印象があるのはもしかしたら野崎訳の方なのかな?って思ったりしますが、原文では読んだことがないのでなんとも言えませんが。

今回紹介する小説も最初に読んだのは野崎訳「フラニーとゾーイー」でした。

以前読んだ時は「ライ麦」が好き過ぎて

「ライ麦」に比べるといまいちだなぁ~

なんて思っていたのですが、今回村上春樹の新訳を読んで

なんておもしろいんだ!

って感動してしまいました。

村上春樹も文庫本に付いたエッセイの中で

こんなにおもしろい話だったんだ!



と書いていますが、僕も同じように感じました。

きっと、村上春樹とは”おもしろい”と思ったポイントは違うんでしょうけど。

僕の場合初めて読んだときはこの小説の内容を理解できなくてあまり面白く感じなかったのです。

今回、久しぶりに読んで、あの頃よりは自分が成長してて、少しは内容が理解できた気がします。

アメトークの「読書芸人」の回でピース又吉が

初めて読んだ時は理解できなくても、それから100冊くらい本読んで、また読んだら内容を理解できることがある。だから、世の中には面白くない本なんてない。


みたいな事言ってて、その言葉を思い出してしまいました。

この小説はサリンジャーが描く「グラス・サーガ」と呼ばれる一連の物語の一部です。

グラス家の兄弟を様々な視点で描いた作品の集合を「グラス・サーガ」といい、この小説はグラス家の子供たちの中でも一番若い2人を主人公にした青春小説です。

グラス家には7人の子供たちがいます。

長男のシーモアは、この小説の時点では亡くなって約7年経っています。シーモアの死に関しては「ナイン・ストーリーズ」に収録されている「バナナフィッシュにうってつけの日」に描かれています。

二番目の子供バディーは大学に在籍している作家。

三番目の子供ブーブーは結婚して3人の子供の母になっています。

次に続くのがウォルトとウェイカーの双子。ウォルトが亡くなって10年になる。かれは戦争中に爆発事故で死亡します。

そして、ズーイとフラニーです。

前半は最年少であるフラニーを描いた「フラニー」。20歳の大学生です。

小説は彼女がボーイフレンドのレーンとの会話を延々と描いたもの。

フラニーはレーンとの会話の中で、

詩人について



巡礼について

の持論を展開します。

そして、その会話の中で彼女の心に抱えた闇や、孤独や、苦悩が描かれています。

彼女は詩人についてこのようなことを言っています。

「もしあなたが詩人であれば、あなたは何か美しいことをしなくちゃならない。それも書き終えた時点で、あなたは何か美しいものを残していかなくちゃならない。」

この感覚というか、フラニーの思う詩人の姿というのは、なんというか自分の思う詩人像にとても近い気がしました。

詩人に対して自分がそう思ってたわけではないのですが、このフラニーのセリフを読んで、そう感じたのです。

さらに、レーンが友人のウォリーのことを話すと、その人とは会ったこともない。という、しかし、フラニーはウォリーとは何度も会っていて、思い出せなかった理由をこのように説明する。

「ある種の人たちは、私にはすぐに思い出すことができなの。とくにほかのみんなと見かけが同じようで、同じようなしゃべり方をして、同じような服を来て、同じように振舞う人たち」

ここまで言って、レーンが不愉快に感じてるのではないか、と感じ自己嫌悪を感じるのです。

もうね、この辺のセリフで僕はフラニーにぞっこんですよ。

心に闇を持ち、傷つきやすく、優しくて、美しい心をもった少女です。

しかも、描写によればかなりの美人です。

もう、フラニーに恋してしまいましたよ。

心の中ではエル・ファニングちゃんがフラニーを演じておりました。





後半はこちらも美男子で俳優をしているゾーイを主人公にした「ゾーイ」です。

こちらは、ゾーイがバディからもらった手紙を読み返したり、母親の会話や、フラニーとの会話で構成されています。

フラニーとは宗教的な話しをかなりのページを割いて描いています。

この宗教的な会話も個人的には凄くおもしろくて、フラニーが読んでいる巡礼に関する本を僕も読みたいと思いました。

好きな人の読んでる本は読みたくなるもんです。

フラニーが寝ているところを起こしたズーイ。朝の光に

「なんで、こんなに眩しいの?」

というフラニーに対しゾーイは

「僕は行く先々に必ず太陽を持ち込むんだよ」


と答えます。

なんとなく、ゾーイを現してる回答のような気がしました。

ゾーイは兄として、なんとかフラニーを元気付けようとするのですが、このゾーイ自身も心に闇を抱えいていて、優しいが傷つきやすい心の持ち主なのです。

だから、どうも上手くフラニーを癒せません。

フラニーが好きな僕からすれば、もっと優しく話してあげてよ!

って言いたくなるくらいキツイ言葉もかけるのです。

まぁ、兄だから当然なのかもしれませんが。

この「ゾーイ」の中で気になったのが

名もなき人々

という言葉に

リトルピープル

というルビが打ってあったことです。

リトルピープルといえば村上春樹の長編小説「1Q84」に登場する不思議な小人です。

なんとなく、1Q84で描かれたリトルピープルという存在がなんなのか?という謎解きのヒントになるような気がして、また1Q84読みたいな、と思いました。

サリンジャーの本は

「途中で読むの挫折した」

って人がなぜか自分の周りに多いんですけど、そういう人はぜひ村上訳のサリンジャーから読んでみてください。きっと最後まで読めると思いますよ。
























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