「薔薇の名前」ウンベルト・エーコ
★★★☆☆
以前から読みたい読みたいと思っていたので読めてよかったです。
しかし、時間かかりました。
上下巻の2冊なんですが、1冊のヴォリュームが結構ある上にキリスト教の専門的な内容も含んでいるため読むのにずいぶん時間がかかってしまいました。
元々はボルヘスの「伝奇集」に収まられている「バベルの図書館」という作品を読んでから気になっていました。
この「バベルの図書館」に登場する無限に広がる図書館によく似た図書館が「薔薇の名前」には登場します。
物語の舞台は1327年イタリアのカトリック修道院。
この修道院で起きる連続殺人事件の謎をフランシスコ会修道士ウィリアムとベネディクト会の見習い修道士アドソが解き明かしていく。というもの。
ウィリアムとアドソはホームズとワトソンの関係に似ていて、探偵と助手といった感じです。
助手であるアドソは物語の語り手でもあり、その辺りもワトソン感が出てます。
基本的な流れはミステリー小説なんですが、舞台が修道院ということもありキリスト教の深い話しも多々出てきて、かなり多重構造な小説になっていると感じました。
つまり、ミステリーとして読むこともできるし、思想書としても読めるし、宗教書的な側面もある本です。
さらには、訳者の解説によるとこの本は
書物の書物
という側面もあるようです。
読者は、豊かな読書経験を持てば持つほど、たくさんの物語をこの小説のうちに見出すだろう。
と書いています。
ダンテの「神曲」、ボッカッチョ「デカメロン」、ボオ「壜のなかの手記」やもちろんボルヘス「バベルの図書館」などなど。
他にも様々な書物からの影響などが見られ、それがかなり重層的に物語を構成しているらしいのですが、自分の読書量ではそこまでは理解できませんでした。
物語の中で重要な役割を果たしているの迷宮図書館です。
この本は親切に修道院の全体図と、図書館の構成が図解として掲載されています。
この図を見るとなんとなく迷宮図書館の迷宮たる由縁がわかりますし、この形とアルファベットにも様々な謎が含まれており、図のおかげで内容を理解するのに大変助かりました。
探偵役のウィリアムの鋭い洞察力は普通に探偵小説としておもしろいかったし、謎解きの部分もスリリングでおもしろい。さらに、迷宮図書館という不思議な舞台がとても胸が躍ったんですけど、上下巻で言えば上巻では謎解きや迷宮探検がとってもおもしろいのに対して、下巻はやや小難しい話しが続く章が多く少しエンターテイメントとしては退屈だった印象はあります。
もう少し万遍なくおもしろいシーンが配置していたら最後まで楽しむ読めたと思うんですけどねぇ。
しかし、この小説はミステリーてして読むというのは一つの側面でしかないので、他の読み方ができるかたは最後までとっても楽しめる作品だと思いました。
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