- コリーン・カラン, 近藤 麻里子
- 15歳―あたしたち、最高の女の子
- 内容(「BOOK」データベースより)
「女の子」を生きていくのは楽じゃない。でも、あたしたちは15歳なりに完璧だった。ほかの生徒に悪口を言われたって、厳しいシスターから居残りを命じられたって、学校でいちばんイケていて男の子たちにモテるのは事実なんだから。でも、そのころのあたしたちにはわからなかった。高校生活は永遠に続かないってことが…お嬢様女子学園を舞台に、ワルでおしゃれな三人組が駆けぬける、ポップでせつない青春小説。
「ポップでせつない青春小説」だなんて、言ってしまって良いのでしょうか!?
と、甚だ疑問な作品でした。
あまり宜しくない呼び名を持つ3人組み。
本人達は至って普通で、おしゃれでイケてて最高!のつもり。
でも本当はどうなんでしょう。
この3人を見る目が「大人」「いい子」だから、良しと思えないんでしょうか。
若いって、無謀なことです。
若いって、恐れを知りません。
若いって、好奇心に溢れてることです。
若いって、勢いです。
若いって、寂しいことです。
どんなに楽しく暮らしても、どんなにおしゃれで、友達がいても、それが普通の「良い子」でも、ちょっと「ワル」な子でも、15歳の女の子(男の子も)達の心には、小さな穴が開いていて、それを埋めるように、たえず何かを求めているような気がします。
その穴を埋めるのが何なのか、それは人それぞれだと思いますが、ディスビー、アストリッド、ジェリの3人にとっては、お互いの存在だった。イケていることである、おしゃれでいることであり、モテること。イケナイといわれることでも、3人でやれば楽しいこと。どんな偏見の言葉を投げつけられても。
「それでいいの!?」「ちょっと待って!」と、止めたくなる気持ちが押さえられないまま、この本を読んでいました。
そう、「高校生活は永遠に続かない」んです。
高校生活どころか、15歳の今、この瞬間は永遠に続かないんです。
だから、もっと早く気づくべきだったのに。
「悪ふざけ」「いたずら」「若さゆえ」だけでは済まない結末を迎えてしまいました。
読んでいて、心配になります。そして不安になります。結末は暗い気持ちになります。
もしもこの3人が、心の隙間を別の方法で埋めることが出来たら、こんな結末を迎えることはなかったでしょう。
そう思うと、今すぐ3人のもとに飛んで行って、方法を見つける手伝いがしたくなります。
いつか来る高校生活の終わりを、教えてあげたくなります。
悶々としたまま読んでしまって、ちょっと寂しい読了感でした。
「おもしろかった」とは、決していえない作品だと思います。
読んでいると、「17歳のカルテ」とか、「サーティーン あの頃欲しかった愛のこと」を思い出しました。
ところで、本に描かれる世界は誇張されているだろうから分かりませんが、外国の若者達は本当にあんなにオープンなんでしょうか……。
薬物、アルコール、性……。
そんな何でもアリな、誘惑に満ちた世界で10代を過ごすのは、なかなか難しそうです。
- ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
- 17歳のカルテ コレクターズ・エディション
- 20世紀 フォックス ホーム エンターテイメント
- サーティーン あの頃欲しかった愛のこと